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勇敢な子豚──11.*
「ねえねえトイ、そろそろこっちで俺も気持ちよくしてね……ッと」
「あッ―――ッぅぐ」
今度はロイズと場所を入れ替わったエミーに、顔を仰け反らされ口内に男性器をねじ込まれた。エミーはまだ20歳になったばかりらしく、突き上げも他の男たちよりも乱暴だ。
「あ、ほんとだ……さっきよりいい具合じゃん」
「でしょう? やっぱり私、調教うまいんですよね」
「抵抗しちゃダメだぞ、トイ。歯立てたら舌抜いちゃうからな、レオが」
「俺かよ」
「ふ、ぅ、う゛ッ……ぅん゛!」
「あ、あ、いい……喉ちんこ震えて当たってくる、ん、あ、いい、すっごくいいよ……!」
ぐりぐりと頬肉を割り割くように最奥に行きついた途端、異物が激しく口内を行き来しだした。少しでも苦しくないように頭を振るが、夢中になって首を締め上げられるせいで自然と口が開いてしまい、エミーの男根が真っ直ぐに喉を貫いてきてもっと苦しくなる。
舌で懸命に押し返せば返すほど、質量はどんどんと増していく。水分を含んだ惨めな濁音が鼻から溢れた。
「あはは、豚みたいな声っ、ん、出しちゃってさ……かわいいね、トイ」
「豚は可哀想ですよ、せめて子豚で」
「どっちも同じだっつーの」
「うるせえ! てめえら黙ってろ気が散る」
ソンリェンに一括されて、エミー以外の二人は笑いながら肩を竦めた。
「なあロイズさん、俺ら手持無沙汰じゃね?」
「あ、じゃあ二人で乳首弄ってあげましょうか。痛いばっかりだと可哀想ですもんねえ」
「ん、ぶ……ふ、グ……ッ」
「こいつ乳首って感じると思うか? 膨らみねえし膣はあるけど体棒みてえだしどっちかっつーと少年っぽいし。一応ついてるもんついてるしさ」
「そこは僕たちの腕の見せ所ということで」
「俺、乳はデカい方が好きだなんだよな」
「トイが面白い体してるって最初に言いだしたのレオじゃないですか」
「これがいい! って散々駄々こねてたのはエミーだっつの」
「え、なんで、俺のせいなの……あ、気持ちい、あ、止まんない……ぁ、あ、ここ、絞られる……っ」
「お前は喘ぐか意見言うかどっちかにしろよ」
「ん、ん――ッ……!」
胸の尖りを指で抓られ、先端をぐりぐりと引っ張られる未知の感覚に身震いする。
指の腹でそこをこねくり回されれば痒いような痛みに苛まれた。ずっと挿れられては出されるだけでそういった所を弄られることは初めてだった。だんだんと、胸先が硬くなっているのが自分でもわかる。
エミーに口内を穿たれているせいで、にんまりと笑んだロイズとレオの姿が見えなかったことは幸いだったのだろうか。
「……よさそうじゃん」
「っ、んッ、ん、ふ、っふ」
びいんっと各々の指に両胸を弄ばれ、じわじわと熱い疼きが胸全体に染み込んでくる。
「ん───んッ」
「感じてるよなこれ」
「尖ってきましたねえ」
舌なめずりをした男二人に舌を這わされる。厚くてザラザラとした男たちの舌の動きはどんどんと大胆になっていった。押し潰され噛みつかれ、しっとりと啄まれては翻弄される。
思考がぐずぐずと音を立てて溶けていく、逃れたい一心で腰を回してももっと擦れて痒くなる。体中が痛いのに、痛みとは違う何かが溢れてくる。
こんな感覚知らない。やめてくれと叫ぼうとしてもそれが声になることはなく、つい口の中の肉棒に歯を当ててしまった。
「い、って、歯、立てるなって……!」
「エミー、一旦抜け」
「えぇ、なんでぇ」
「いいから」
しぶしぶと言った体でずるりとそそり起ったものを引き抜かれ、呼吸と共に悲鳴が溢れた。
「あっ、あッ、う……ああ、やっ……」
「おーおー、いい顔。ここか? ん?」
がり、と見せつけるように歯を立てられて余計に涙が零れた。
「ぁ、あ……あ……あっ、あっんッ、ぁぅう……あつい、ィ」
「熱いんじゃなくて気持ちいいんですよ、ほら」
「ひ、んっ」
尖り切った胸先を指でぴんと弾かれて、トイは反射的に仰け反った。胸先を爪でがりがりと引っ掻かれる痛みすらも、じんじんとした火照りへと変わってしまう。
体がもうおかしくなってしまった。怖くて、痛くて、熱くて、苦しくて、ただ辛い。
「ぁッや……ッ!も、ぃたい、ぁあ、う゛、いたい、ぅうう……」
「あーらら予想以上の感度。やべー」
優しい笑みを張りつけた顔が、面白そうにトイを覗き込んで来た。
「ほんと、顔なんて涙と鼻水でぐしゃぐしゃですけど……いい買い物しましたねぇ」
「金は払ってはねえけどな」
「おや、否定しないんですねえソンリェン、両性なんて気色悪いとか言ってたくせに」
「使い勝手がいいと思っただけだ」
「うわ~~乳首もあそこも真っ赤っかじゃん。あ、ねえ、もう挿れていい?」
「あ、いいですよ使って」
再び顔を逆さまに固定され、引き抜かれていた肉欲をぶちゅんと突き入れられ再度律動が始まった。それと同時に膣内に埋め込まれていた肉棒の動きも早まる。
「う、ゥ、ううッ―――!」
上からも下からも濡れた音がひっきりなしに響いて、トイの五感を責め立ててくる。
足裏をぴんと伸ばすことでしか、苦しみを発散する方法がない。
そんなトイの必死の抵抗を、男たちは軽薄に嘲笑った。
「びちびちしてんなあ、ほらもっと跳ねろ。おっぱいも気持ちいいだろ?」
「おいやめろ、動かすな抜ける」
「ソンリェン、お前適当に腰振ってねえでちんこも触ってやれよ。萎えっぱなしで可哀想だろ」
「なんで俺が」
「一番お前が近いじゃん」
「汚ねえだろうが、てめえがやれ」
「あのねえ、あんまり酷いこと言わないでくださいって、トイが可哀想ですよ」
「そこ触ってやんなきゃ両性具有連れて来た意味ねえじゃん、これだから潔癖大魔王は」
「黙れ死ね」
「っは~、俺も……う、でちゃいそっ……あ、ちんこ気持ちぃー……あ、ぁん、あッ」
「目の前で喘ぐな、うるっせんだよ」
「だって気持ちいいんだもぉん……あ、でる、ソンリェンの顔見ながらっ、イッちゃうかもお」
「きめえ」
体の中と外でどんどんと膨らんでゆく男達の欲望に翻弄される。胸にロイズとレオの男性器を擦りつけられても、トイは虚ろな瞳でびくびくと飛び跳ねるだけになってしまった。
トイの小さな体は、残酷な男たちによって容赦なく壊されていった。
「あ、イくッ、出ちゃう……ぁッ」
エミーが唸り、トイの中に熱い飛沫を吐き出した。
口の中に勢いよく放出された熱にトイは引き攣れた悲鳴をあげたが、吐き出される体液と共に喉の奥へと流し押し込まれてしまう。
「ん、ん゛、ぅッ……ん……」
「……、く」
エミーの次はソンリェンだった。隙間なく繋がるほど下半身を押し付けられる。内部で蠢くそれが小刻みに収縮するのを胎内ごしに感じた。直に射精されていないとはいえ身体の奥が燃えるように熱かった。
気づいた時にはトイの胸元も白濁液で濡れていた。レオとロイズが放った精液だった。用は終わったとばかりにソンリェンの異物を引き抜かれて、解放された両脚がだらりとシーツの上に落ちた。もう体のどこにも力が入らなかった。
むせかえるような異様な熱気が徐々に鎮静化していく。やっと終わったのだろうか。
「っはー、すごい……なあ、ソンリェン出し終わった?」
「見てわかんねえのかよ」
「あ、じゃあじゃあ、今度こそ俺がそっち」
「はい、じゃあ次はお尻を使いましょうかねえ」
「おっついにやるか、いいねえ。膣と尻で二輪挿しってか」
「それを言うなら二穴挿しだ、湧いてんのか?」
「言い方の違いだろーが!」
「ねえってば! 無視しないでよ」
「僕もやってみたかったんですよねえそれ。今までの彼女誰もやらせてくれなかったので」
ぼんやりと虚ろだった思考が覚醒した。尻、にりんざし。意味はわからないが恐ろしい台詞を羅列された気がする。
するりとレオの大きな手が柔らかな臀部を揉んできた。膣の下にある蕾をするりと撫でられて意味を察し、頭の中の血がさぁっと音を立てて下がる。
こっちもだなんて嘘だ、入るわけがない、腹の中が今度こそ破裂してしまう。これ以上耐えられない。
膣が裂ける、喉が壊れる、この男達に好き勝手に弄ばれ続ければ解放される前にきっと死んでしまう。人としての尊厳を踏みにじられて玩具のように壊されて死んでしまう──死ぬ。
ふるりと右腕が伸びた。助けて貰えるはずがないということはわかっていたが何かに縋りつきたくてたまらなかった。近くにあったのはソンリェンの手首だった。弱々しく掴む。
一瞬だけ、トイの大好きな空と同じ色をした瞳と目が合った。しかし精液やその他の体液に塗れたトイの汚らしい姿にソンリェンは舌打ちし、煩わしそうに手を振り払われた。
「触んな、汚ねえ」
青色の瞳に、嫌悪も露わに見下ろされる。拒まれた手でシーツを掴み視線だけを動かす。青色、茶色、黒色、金色。全ての瞳が惨めなトイを馬鹿にしていた。
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