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第4話

俺が中学に上がって間もなく、それは起こった。 俺の通っていた中学は基本的に何かしらの部活に所属しなければならない。 けれど、俺は家庭の事情もありそれを免除してもらっていた。 小学校高学年には家事の殆どを俺がしていた。 父さんも仕事があるわけで、少しでも負担を減らしたくて俺から申し出たわけなんだが。 学校が終わると、買い物をしながら帰宅し、夕飯を作る。 作っている間に父さんから帰宅時間の連絡が来る。 基本的には夕飯は一緒に食べるというのがウチのルール。 その日も夕飯を作って待っていると 『連絡遅くなってごめん! 今日は帰り遅くなりそうだ。 あまり遅くならないようにするけど、先に寝てていいからね』 と、連絡があった。 珍しいな、と思うと同時に少し残念に思った。 父さんの分の夕飯を作ってしまっていたから。 俺はメールにあったように、先に夕飯と風呂を済ませ寝る準備を始めた。 父さんの分の夕飯は帰ってきたら食べるかも、とラップをしてテーブルにおいた。 時刻は11時になる。 明日も学校がある。先に寝てていいと言っていたし、寝てしまおう。 俺は部屋に戻り、寝た。 ギッ、ギッ、ギシッ ハァ、ハァ、、、 物音と人の気配がして、目が覚めた。 真っ暗で何も見えないが、身体に重さを感じ、上に何かが乗っているのだと理解した。 寝起きでぼんやりとした意識の中で視界だけが闇に慣れて薄らとだが開けてくる。 「おとうさん……?」 父さんだった。 帰ってきたのだと、おかえりを言わなくてはと身を起こしたかったが起こせなかった。 父さんが馬乗りになっていたから。 「おとうさん、おもいよ」 身動ぎをすると、俺が起きたことに気づいたのか 「あ、綺、起こしてしまったかい? は、ごめんね…はぁ…」 どこか苦しそうに、息を荒立てて答える。 ふぅ、ふぅ、という息と共に酒の匂いも漂ってきた。 (お酒臭い……、あれ、苦しいのかな…?) いつもと違う様子に少し心配になった俺は 「お父さん、苦しいならちゃんとベッドで横になった方がいいよ」 と促す。 しかし、父さんには届いていないようで、俺の上から退こうとしない。 重いから退いてほしいのだが、どうにもならないので暫く見ていると違和感に気づいた。 ぐちっ、ぐちゅっ、ぬちっ ハァ、ハァ、、、 「絢、絢、ごめ、はっ」 父さんの息の中に水音が混ざっている。 俺を呼ぶ声も、どこか熱を孕んでいるようだ。 え、と思い少し頭を上げて見ると 俺に跨った父さんの陰部が露出されていた。 父さんが苦しそうにしていたのは 体調が悪いわけでも苦しいわけでもなく 俺に跨り、自慰をしていたからだった。

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