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第8話 4月~5月 (6) ※R18

「ねぇ… なんでダメなのー?」 「…まだ病み上がりだろ?」 「もう元気になったよ! 凪くんの言った通り、退院して5日間ずっとイイコで安静にしてたし、ご飯も食べれてるし、咳も出てないよ? …僕のこと好きじゃなくなったからしたくないの?」 「好きだよ? だから…大事にしたいんだよ。 また倒れたらと思うと心配なんだって…! したいなら抜いてやるから…」 キスやハグ、一緒にお風呂に入ったり…その時に紅葉だけしてもらうことはあったが、凪はそれ以上のコトは紅葉の身体の負担を考えて一切して来なかった。 凪の気遣いは嬉しいが、もう十分に休養を取り、日常を取り戻した今、逆にそのことが紅葉の悩みの種となっている。 「…凪くんが抱いてくれないとヤダ…っ! 僕だけなんて…不安になるよ…っ!」 涙声でそう訴える紅葉に凪は困惑した。 ベッドの上に向かい合って座る2人は指先を繋いでしばらく見つめ合った。 可愛い恋人のこんなお願いに凪がNO!を言える訳がなかった。 小さく溜め息をつくと、髪を掻きあげてから紅葉に告げる。 「…分かった。 …一回だけな? キツかったらそこで止めるって約束して。 無理せずちゃんと言えよ?」 「うん…っ!」 凪はいつも丁寧だし、(ほとんどの場合は)紅葉に無理をさせることはないが、この日は初めての時に匹敵するくらいゆっくり、優しく、丁寧に行為を進めてくれた。 高価なジェルも惜しみ無く使い、何度もツラくないか紅葉に聞いてくれる。 凪は器用な指使いで中も十分に解してくれるが…! 「あ…っ!ん…んーっ!」 「キツい…?」 四つん這いになった紅葉の顔を覗き込みながら様子を確認する凪は本当に慎重だ。 「やっ! 違、う…っ! ぁ、やだ…。もっと…っ!」 紅葉にとっては焦らされているようにさえ感じていて、腰を高く上げ、もっともっと…と、ねだってしまった。 意識するもものすごく恥ずかしいので、なるべく考えないようにする紅葉。 「ァん…ッ! ね、もう挿れて?」 「まだ早い…。 久々だし、ちゃんと慣らさないと…!」 「あっ、あっ、んんッ!」 凪の言っていた"一回"は、紅葉の一回らしく、達してしまわないように自分で前をギュッと押さえながら必死で耐えている。 「挿れるよ? …いい?」 凪の問い掛けに紅葉はコクコクと頷いて、なるべく身体の力を抜いた。 上から指を絡めるように重ねられた左手に愛おしさを感じながら、ゆっくりと凪を受け入れていく。 「ふっ、ん、く…っ!……っ!」 まるで全てが満たされていくような感覚に感動しつつ、言葉が出なかった。 「ハ…ッ! …紅葉…、大丈夫?」 「うん…。 中…いっぱいで気持ち、いい…っ!」 「(苦笑) 煽っちゃダメ。 暴走しそうになるでしょ?」 「いいのに…!」 咎められても、煽るようなことを言う紅葉。 凪はそんな恋人に苦笑しつつも、しなやかな背中にキスを落とした。 「それはまた今度…。 今日はゆっくり、ね?」 「うん…。」 振り向いた紅葉とディープキスを交わしながら、ゆっくり、優しい抜き差しで中を動いていく凪… 前を止めていると、姿勢を保てなくて仕方なく紅葉は自身を塞き止めている右手を離すが、もうすぐにイってしまいそうで凪に助けを求めた。 「あっ! ダメっ!イっちゃう…から! や…っ!あ、ァー、待って!」 「気持ちいい? イっていーよ?」 「やぁっ! 凪くんもっ?」 「まだ。 さすがに早すぎる…(苦笑)」 「ァ、んーっ! イクまでしてくれるっ? あっ、も、それダメ…っ!」 「……分かった。 ほら、可愛くイって?」 「ヤ、やっ! あぁーッッ!」 凪のモノをキツく締め付けながら達した紅葉…。 凪は少し心配そうに紅葉の呼吸が整うのを待った。 「可愛いな…。」 久々の行為に想うものがあったらしく、凪はそう呟くと、繋がったまま紅葉の身体をゆっくりと起こして背面座位に変えた。 「あ…っ! 凪くん…!」 「深い?…平気?」 「う、んっ。」 なんとかそう答えた紅葉は彼に身体を預けて、両腕で顔を抱き締めてキスをねだった。 甘くて蕩けるようなキスを堪能して、一瞬離れた唇を舌で追う紅葉…。 「好き…っ! 愛してる…!」 紅葉がそう呟けば、嬉しそうな顔を見せる凪。 「本当に…! 堪んないね…っ!」 「ぁ…あっ!ひっ、ぁーっ!」 腰を回す緩やかな刺激からだんだんと激しくなり、下から最奥を突かれ、高い声をあげながらドライで達する紅葉。 その締め付けで、凪もゴム越しに達したのが分かった。 「ヤベー…結局ガッツいた…(苦笑)」 少し反省しているようだが、紅葉は大丈夫だよと答えた。 まだ中でドクドク…と、脈打つ凪のモノを感じながら目を瞑る紅葉… 「紅葉……?」 「うん?」 「…愛してるよ。」 凪にきつく抱き締められて耳元で甘く囁かれた。 その一言が心に染みて紅葉の瞳から一筋の涙が溢れた。 End

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