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第15話 (8月) (3) ※R18

「紅葉のもしよっか? こっち向ける?」 しばらくしてシックスナインを提案する凪に首を振る紅葉。 相変わらず自分がされるのは恥ずかしいし苦手らしい。 凪はじゃあ…とまた上に来るように紅葉に言った。 「んん、 もっとしたかったのに…!」 「はいはい、また今度な? あ、気持ち良かったよ? ありがと。 次は2人で良くなろ?」 「うん…っ。」 凪は紅葉の鼻先にキスを落とすと手を引いて向かい合わせに座った。 微かに震える紅葉の膝辺りまで下がった右足のニーハイがやけに卑猥に見える…。 「や、あっ…! ん、なんかやだ…これ…っ!」 「え? 良くない? 力強かった?」 「ん…!違…っ! そんな…比べるみたいにしないで…っ!」 「そーいうつもりはなかったんだけど…(苦笑) ご不満? まぁ、そーだな。 これだと後ろ慣らせねーし…」 「えっ?! やだ! 今度はどこっ?!」 再び横になる凪に驚く紅葉はとっさに腕を伸ばす。 凪は大丈夫だと優しく告げながらローションを手に取り、紅葉を誘導した。 「ココ…いい?」 「ん…。…? この格好で?」 「そう。 寄っ掛かっていーから…こっち一緒に握って…、紅葉が気持ちいいように腰振ってみて。」 「っ!!恥ずかしいよ…っ!」 凪のモノと自身のモノを合わせるようにして動けと言われた紅葉は驚きの余り固まる。 「じゃあ手伝うよ。」 凪はどうしてもやらせてみたいらしく、紅葉の細い腰を掴むと無遠慮に前後に揺すった。 「ひゃっ、アッ!」 「…今ちょっとイった? ね、気持ちいいでしょ?」 ゆっくりでいいから…と腰に手を添えて言うと紅葉は少しずつ動き始めた。 クチュ…っと響く水音に耳朶が赤く染まる紅葉…。 「んんっ! ぁ、は、ぁっ!あっ!」 「ほら、ちゃんと俺のもして?」 「う、ん…っ! ぁ、そこっ! やぁッ! ダメ…っ、ん、ぁッ! い、…っ! ぁ、イくッ」 「いーよ…っ。」 後ろを慣らす凪の指が3本にまで増え、紅葉の良いところを何度か往復する頃…お互い限界が来て絶頂を迎えた。 「は…っ、あっ、あ、暑…い…っ!」 「確かに…(苦笑)」 2人分の精液と汗で身体はベタベタ… エアコンの設定温度を下げた凪はゆっくりと紅葉の中からゴムをつけた指を抜いた。 「っ! ん…っ! 凪くん…?」 「何ー? タオル忘れたから持ってくるだけだよ。」 簡単にティッシュで拭き取ってくれたが、確かにタオルが必要だ。 ベッドを離れる凪に不安そうな紅葉。 「後で…ちゃんとしてくれる? それとも今日はもうおしまい?」 「…足りなかった?」 「…えっと…!…うん…。」 「…いーよ。ちょっと休憩してからね。 飲み物も持ってくるから。」 「ありがと。 …あの…、今度はイジワルしない…?」 「イジワル?(苦笑) えっ、ごめん。そんな感じした? そういうつもりはなかったんだけどな…(苦笑)…分かったよ。」 紅葉の目元にキスをした凪は"優しくする"と約束してくれた。 その後、仕切り直して…ニーハイも脱いで、ごくごくフツーに抱き合えば静かに泣き出す紅葉に狼狽える凪。 「大丈夫…、イヤじゃないよ。 痛くもないから…。 …なんだろ? 安心したの…。」 「…本当に? あー、やっぱりさっきのがイヤだった? ごめん…。」 少々刺激が欲しくて、(ニーハイの煽りもあったし)新しいことを試してみたのだが、色々詰め込み過ぎて紅葉には少々ハードルが高かったらしい。 本気で嫌がってはなかった…と凪は思っていたが、紅葉は心と身体が混乱しているようで、凪は落ち着かせるようにギュッと抱き締めた。 思えば今日は情事に夢中で"好き"も"愛してる"も伝えていない…。 「…違う…。 んと…、うまく説明出来ないんだけど…。 凪くんは悪くないの。 …いきなり泣いたりしてごめんね。 大好き…。」 「……。 悪い…。調子にのって無理させたな…。 俺も好きだよ、紅葉。 …ちゃんと優しくするから…。」 「うん…。ありがと。 でも…、凪くんはいつも優しいよ。」 赤くなった目で笑顔を見せながらそう呟く紅葉に凪は自身の行いを反省をしつつ、これからはちゃんと紅葉のペースに合わせようと心に誓ったのだった。 End

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