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第20話 (9月②) (2) ※微R18
LIVE後の打ち上げに参加させてもらい、サワーをチビチビ飲みながら凪の尋問を受ける紅葉。
どうしても紅葉に絡んできた男のことが気になるらしい…。
「何て聞かれたの?」
もちろん自身でアイサツ済み、確認済みだが紅葉本人から聞き出す凪。
「んとね…、同い年だよねって話かけられて…そうなんだー!って。
知らなかったから挨拶したよ。
学校の女の子と遊んだりする?って聞かれたからスイーツ食べに行ったり、お買い物とか行くよって。…ほら、カレシの誕生日プレゼント選ぶのに付いてきてーって…」
「あぁ…。 よくあるよな。」
もちろん相手は紅葉に年上の恋人(けっこうヤバめのカレシ=凪)がいるのを知っているし、紅葉は女友達に恋愛対象として見られていないのは分かっている。(紅葉も女の子は恋愛対象外だし…)
いつも了承を得てから出掛けているので、そこは心配していない凪。
「そしたら合コン頼まれたんだけど、みんなオケ練習とバイトで忙しいからって言っておいたよ。」
「そっか。
紅葉の友達みんな変な遊びしないで真面目に頑張ってるもんな。」
「うん。
音大生お金かかるからね…。
あ!トモちゃん!
サービスありがとうー!」
噂をすれば、ここは紅葉の友人がバイトする焼き鳥屋さんなのだ。
「こちらこそご来店ありがとうー!
彼氏さんもこんばんは。
LIVEお疲れ様です!
お料理とお酒足りてますか?」
「ありがと。
向こうの奴らに高い酒テキトーに入れていーよ。」
「あははっ!
ありがとうございますー!
あ!紅葉くん、あとでイベントの件でLINEするね!じゃあごゆっくりー。」
ニコニコと友達に手を振る紅葉。
「…イベントって何?
飲み会?」
合コンじゃなくても二十歳を越えると飲み会の機会はある。そこが出会いの場になることも多いので、凪の不安は尽きず探りを入れたが…
「鬼ごっこ大会だよっ!」
紅葉は胸を張って答えた。
「はっ?!」
「あ、違った。 鬼ごっこかドロケーどっちで遊ぼうかなって…」
「…なるほど…? 若いね(苦笑)」
返ってきた答えが予想外過ぎて…小学生かと思う発想力に驚く凪…
紅葉は少し切なそうに続けた。
「もうすぐ就活とか忙しくなるし、留学する子もいるし…、卒業したらバラバラになっちゃうから…
みんなでお金かけずに遊ぼうと思って…。
楽しそうでしょ?」
凪は優しい眼差しで紅葉の頭を撫でた。
「怪我すんなよ?
…で。話戻していい?
あとは?」
「あ、はい!
あとは……彼氏いるから合コンとか行かないよって言ったら、遊んでみたくないのかって聞かれて…。ゲイの人向けのパーティー?なんか集まりがあるんだってー。
…一緒にどうかって誘われたけど、行かないって言ったよ。」
「よろしい。
…ホントは行きたかった?」
「ううん。
若いうちに遊んだ方がいいって言われたし、つまんないヤツって思われたかも知れないけど…。
でも凪くんといる方が幸せだから僕には必要ないって思った…。」
「またそんな可愛いこと言って…!(笑)」
そう言って微笑む紅葉に凪の機嫌は直ったようだ。
帰宅後はまたまたキスの嵐…
「…する?
さすがに連チャンはキツい?」
「あ…。うん…。
でも…したい、な。
あ、でも明日…LIVEかぁ…!」
「そうだ…。明日もLIVEじゃん!
アコースティックファンクラブLIVE…!
ハードル下げたように見えて実は上げてるよな?」
みなの体調が落ち着いたので、予定していたファンクラブLIVEは行うのだが、激しいパフォーマンスは身体に負担になるためアコースティックLIVEに決まったのだが…
元から難易度の高めであるLinksの曲をアコースティックバージョンに編曲し、構成を組むのはなかなか大変だった。
技術力も表現力も最大限に必要となる。
凪はLiT JのLIVEが"2Days×2Month"というなかなかハードなプロジェクト(もちろん光輝の考案)をこなしていて、今週は金、土、日と、3日連続のLIVEとなる。
「そうだね(苦笑)
…だめ…っ?
凪くんカッコ良くて…!
ドラムとどっちが速いのってぐらい心臓がドキドキしてた!」
紅葉の答えにふっと笑った凪は、紅葉の頭を抱きながら激しく口付けた。
「今日は俺が噛んじゃうかも…っと!
危な…!」
グラ…と、一瞬揺らいだ凪に驚き、紅葉は身体を少し離すと…彼の背後には平九郎と梅の姿。
どうやら構って欲しいらしい…
「あ、ごめんね。
放ったらかしにしてたよね。
…遊ぶ?」
紅葉がしゃがんで両脇に愛犬を挟んだ。
「ヤりすぎだって(苦笑)
お前たち眠くないの?
昼寝し過ぎたー?
…しょーがない。
健全に散歩デートに行こっか…。」
凪が散歩と言うと嬉しそうにはしゃぐ2匹。
「よし…!
次の休みはドッグランに行こうなー。」
「ふふ…。
良かったねー!」
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