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第32話(12月②) (3) ※R18
凪は冗談半分で"ベッドで待っといて…"と言ったのだが、紅葉は本当に照明を落とした寝室のローベッドで待っていた。
「お帰りっ!
はやく、はやくっ!」
両手を伸ばした恋人に熱烈歓迎されて思わず笑う凪…。
驚いたのは掛け布団をめくると紅葉は下着一枚の姿だった。
「これで合ってる??
どう待つのが正解だったのかな?」
頑張って誘ってみたつもりらしい。
恥ずかしそうに俯き、そう告げる紅葉の手を取った凪は恋人の顔を下から覗き込むように唇を奪った。
「んん…っ!!」
「…したい?」
「うん…。」
「じゃあその気にさせて?」
唇を舌先で舐められてピク…っと肩を震わせる紅葉。懸命にキスで応える。
それから…口淫も…。
いつも以上に愛情を込めて丁寧に…。
時折視線を上げて凪の反応を見ながら舌を絡めたり、奥まで咥える…。
凪はその光景に満足そうだ。
一応、控え目に流した音楽で誤魔化されてはいるが、淫らな水音が部屋に響く…。
「壁薄いからねー…。
今日は声なるべく抑えてね?」
そう告げると紅葉を抱き起こしてそのまま押し倒す凪…。
きめ細かく滑らかな素肌に大きな手を這わせ、胸の飾りを摘まめばビクリと反応する素直な恋人の身体…。
そのまま揉むように、時々摘まみつつ、舌で転がしたり…愛撫を続けるとあっという間に限界を訴える紅葉…。
手早く下着を脱がせれば既に先走りで濡れていた。
「かわい…。
俺も上脱ぐから…その間さ、自分で慣らしてるとこ見せて?」
「や…っ、恥ずかしいよ…!」
「ほら…、こーして…!」
一人でやるのはハードルが高いだろうと紅葉の手を取り、細くて長い指にローションを纏わせて、秘所へ導いた。
「んぁあっ!」
「シーっ!!
まだイくのは我慢してよ?(苦笑)」
耳許で甘い嬌声を注意しながらも、手を掴んでそのまま指を埋めさせて、その間に凪は自分の服を脱いでいく…。
「や、ん…っ!
凪くん…っ!」
「足りない?
紅葉の方が指細いからな…。」
凪は自身の指にもローションをつけて紅葉の中へ挿入した。
「は…っ!ぁ、ーっ!んッ!」
声を抑える意味も兼ねてキスで唇を塞ぎながら、紅葉の指と自身の指で狭い中を慣らしていく…。
そこは溶けそうなくらい暖かく、紅葉の表情も良さそうだ。
イきたいと囁く紅葉に待ったをかけて、凪は2人の指を抜いた。
手早く自身のマナーアップを済ませて、恋人の細い脚と腰を抱える。
「声、ヤバかったら噛んでいーから…」
ギュッと凪の首に抱き付く紅葉はコクコクと頷いた。
「ん、…んんっ!! …っ!!」
「あれ…? …イッたの?」
荒い呼吸を繰り返す紅葉の顔を覗くと、真っ赤な顔を右手の甲で覆いながら横を向くとコク…と頷いた。
恥ずかしがりながらも、左手は凪の腕を掴んでいるところが堪らなく愛しくて凪は満足そうに微笑んだ。
2人の腹部にかかった体液を指で掬い、悪戯に口に含む凪…。そのまま紅葉に口付けた。
「ん。自分のは…や…だ…!(苦笑)」
「(苦笑)
…なぁ、さっきのトコロテンっつーの、知ってる?」
「ん? んん…っ! あ…っ!
いやっ、それダメッ!
またイッちゃう…っ!」
「紅葉…!声…(苦笑)
ってか、なんかもったいないな…。
やっぱ次はホテル行こう?」
恋人の可愛い声が聞こえないのはもったいないと凪は少し残念そうだ。
「んっ!
ハ…ッ!」
多分、今の紅葉には聞こえてないし分かってないけど、まぁいいやと凪は行為に集中する。
凪が耳許で囁くように「好きだよ」と繰り返せば、「ダメ…、耳が…っ! このままだと溶けそう…っ!」と返されて笑った。
情事後…
甲斐甲斐しくホットタオルを用意して紅葉の身体を丁寧に清めたり、風邪をひかないように着替えをさせ、水分も摂らせる凪。
「大丈夫?
何か欲しいものある?」
「うん。あとはおやすみのキスだけ。
…ありがと…っ!」
紅葉の世話を焼いて、ようやく自分の身なりを整えると紅葉の隣へ行き、同じ布団に入る凪。
紅葉の顔にかかった髪を優しく指で払い、おやすみのキスを一つしてくれる。
紅葉はその瞬間がとても好きだった。
「凪くん…!」
「んー?」
「…いつも大事にしてくれてありがとう。」
「何、急に(苦笑)
当たり前のことじゃん?」
「それが、嬉しいから…!」
ふふ…と幸せそうな笑顔を見せる恋人に口付けておやすみを告げたのだった。
End
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