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第43話 (3月) (7) ※R18
そして…
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成田空港
「…なんで母さんまで来るの…?」
「だってもう心配で心配で…。
いいじゃない、夜はお友達のところへ泊めてもらうんだから。」
「いや…その気遣いが逆に気まずいって(苦笑)」
なんで母親連れて恋人の出迎えに…と思いつつ、凪は到着ロビーでその時を待っていた。
「お義母さんー!」
「っ!! お帰りなさい!」
案の定、母親の早苗が先に紅葉を抱き締めた。
それを横で眺めて、ようやく紅葉の顔を間近で見ることが出来た凪。
「お帰り…!」
「凪くん! ただいま…っ!」
思ったより紅葉の表情が明るくて凪は安心した。
一瞬だけハグを交わすといつものように頭をポンと撫でて、スーツケースを受け取り、その手を取った。
反対側の手を早苗が繋ぎ、何故か3人で仲良く並んで空港を歩いた。
途中でお茶だけして、早苗を友人宅へ送り、2人は自宅へ帰った。
2週間以上振りの再会に平九郎も梅も大喜びで紅葉を舐め回したり、しばらく興奮気味に部屋を駆け回っていた。
隣に住む池波氏にも帰宅を知らせ、凪が昨日から仕込みをして作ってくれた紅葉の好物ばかりの夕食を一緒に食べた。
食後はゆっくり時間をかけて愛犬たちの散歩をしながら、電話では話せなかった些細なことをお互いに話した。
「はぁー…!
お風呂…最高…っ!」
久しぶりの湯船に気持ち良さそうな紅葉。
凪も穏やかな気持ちで恋人を見つめた。
「いろいろあって疲れただろ?
時差もあるし…、今日はもう休もうな。」
もちろん触れ合いたいのだが、凪は紅葉の身体を考えてそう告げた。
「でも……っ!」
「…スゲー眠そうな顔してる。」
「なんか…ホッとして…!
安心したのかな…。
本当はずっと…すっごく寂しかったんだよ。
でも僕の都合でドイツに行ったんだから…我慢しなきゃって…」
紅葉は背を預けていた凪と向き合って"逢いたかった"と伝えると、堪らず彼の頬に手を伸ばした。
「…俺だって…ずっと逢いたかったよ。」
凪も紅葉の頭を掻き抱いて、唇を合わせた。
抱き締め合いながら舌を絡ませ、何度も角度を変える。
逢えなかった時間を埋めるようにお互いを求めていた。
「ん…っ! んん…ッ!!」
熱くなった互いのモノを合わせて、キスと同じくらい激しく刺激すればあっという間に達する紅葉。
凪は構わずそのまま続けて、紅葉と共に絶頂を迎えた。
少し性急な行為に2人して逆上せ気味になり、思わず笑い合った。
リビングのソファーで休憩しながら愛犬たちと穏やかな時間を過ごしていると、日付が変わり紅葉はお祝いの言葉とキスをくれた。
「凪くん、お誕生日おめでとう。
プレゼント…用意出来てなくてごめんなさい。」
「ありがと。
いいよ。 紅葉がいてくれれば。」
凪は本心でそう答えて、紅葉の額に口付けた。
「あのね…、曲を作ったんだ。」
「向こうで?」
「うん。
珊瑚にバイオリン借りて…。
聴いてくれる?」
「あぁ…。」
紅葉に導かれて防音部屋へ入り、椅子に座るように言われる凪。
響き始めた旋律は優しいメロディーで、
細かく移動する音の運びがとても美しく、でも胸が切なくなり、その世界観に引き込まれる。
弾き終わり、弦を下ろす紅葉に凪はゆっくりと近付き、優しく抱き締めた。
「…伝わった?」
「あぁ…。
やっぱりお前は最高だ。」
凪に逢いたい気持ちを曲にしたのだろう。
すごいプレゼントだと凪は感無量の様子だった。
紅葉もうっすら涙を浮かべながら、凪の温もりに愛しさを感じていた。
「あ…ッ!! ん…っ!」
「…キツイな。
紅葉…、やっぱり今日は無理しない方が…!」
「やだぁ…!
痛くてもいいから…!」
「それはダメ。
……分かった。
もう少し足開いて?
ジェルも足して…ゆっくりするから…」
久しぶりの行為で緊張もあるのか、想像以上に紅葉の中がキツくて凪は戸惑った。
早く繋がりたい気持ちもあるが、なんとか抑えてなるべく紅葉に負担をかけないように丁寧に慣らしていく。
「恥ずかし…っ!」
「あ、こら…。
やっと顔見れたのに何で隠すかなー?」
「だって…!
そんな…、近くで…恥ずかしいよぉ。」
「そんなん言ってられなくなるから…(苦笑)」
長い指を奥へ進ませて紅葉の良いトコロを探っていく凪。
「んぁっ! や…っ!」
「…あった。
ここ気持ちいーい?」
「ん、ん…っ!
あ…だめ…っ!! は、…あッ!」
「…今イッた…?
っ! 締め付けヤバいな…!」
「んー…っ!あっ!
や、ダメ…。
も…凪くんのでして?」
「ん…。
でもすぐイッたらごめんね?(苦笑)」
凪も余裕がなくて、一応そう断ると、紅葉の足を抱えてゆっくりと自身を挿入していく…。
「…は…っ、ぁ…!! ん……!」
「くっ…!」
互いに少し落ち着くのを待って、凪は紅葉の前髪を払った。
「…大丈夫?
痛くない?」
「う、ん…。
凪く…」
「"凪"だろ?」
「…ん。
凪…!」
「何? 紅葉…」
「大好き…。 逢いたかった…!」
「…俺は愛してるよ。」
"ずるい…"という紅葉の呟きを掻き消すように唇を重ねる凪。
ゆっくりと慎重に中を進み、優しく愛し合う…。
心も身体も繋がり確かな幸せを感じる…。
そしてどんな理由でももう離れたくないと心から願った。
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