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第46話 (4月) (1) ※微R18

「凪くん! リス!リスがいたよっ!」 「どこ?」 「向こうの木の上ー! 可愛かった! ドイツのリスとちょっと違うー!」 楽しそうな恋人の様子に凪も嬉しそうだ。 「お前リスに似てるよな。」 約束通り、休日に東北地方まで足を伸ばし、のんびりと桜を見にきた2人。 紅葉は満開の桜に感動し、昼食代わりに屋台を楽しんだ。 人目はあるけど、せっかくのデートだからと手を繋いで歩き、屋台で買った食べ物も“あーん”と食べさせ合った。 桜をバッグにツーショットも撮って幸せな一時を過ごした。 それから…少し移動して、キャンプ場へやってきたところだ。 今日はロッジを借りて愛犬たちと共に過ごす予定。 平九郎と梅は蝶々を追い掛けたり、草の匂いを嗅いで走り回って遊んでいる。 「紅葉、冷えてきたからちゃんと暖かくして。」 「はぁい。」 都内よりだいぶ涼しいので、紅葉の喘息が出ないか心配する凪。 紅葉も明日またLIVEのある凪に心配をかけないようにすぐに厚手のパーカーを取り出して着込んだ。 「お肉、お肉っ! 平ちゃんと梅ちゃんにも少しあげるからね!」 「紅葉、野菜切ってー!」 「うんっ!任せて!」 楽しくバーベキューをしてわいわい言いながら写真を撮ったり、ビールを飲みながら星空を眺めた。 星空を眺めていると、渡米したメンバーを思い浮かべる紅葉。 「…誠一くん元気かな?」 「時差ってどーだっけ? 電話してみる?」 「かけてみよっ!」 彼の近況も聞きながら楽しくお喋りもした。 「またみんなでバーベキューしたいね。」 「そうだな。 大人数だと盛り上がるし…。」 「もちろん2人でも楽しいけどね。」 ロッジのバスルームは狭かったので別々に済ませて、平九郎たちは一階のリビングにクッションベッドを持ち込んで寝床にし、凪と紅葉は2階へ。 「…狭い…。 ってか、足出るんだけど…(苦笑)」 ロッジのシングルベッドは小さめらしく、男2人…特に凪には窮屈に感じた。 「凪くん落ちない? もっと僕に掴まって! ギュッてしていーよ?」 「…なんか可愛いんだけど…!(苦笑)」 腕を伸ばす紅葉を抱き締めて覆い被さる凪。 キスを重ねて、舌を絡ませ、濃厚な口付けが続いた。 紅葉が帰国してから逢えなかった時の分を取り戻すように愛を深めている。 「今日バックでしてもいい?」 「うん、いいよ。 あ…っ、激しい感じ…?」 最初、紅葉は苦手だった背後位も、行為に慣れて凪を信頼して身を任せたら気持ちが良くて今では克服。 3年半の交際期間でこれだけラブラブでいられるのは心身共に相性の良い証拠だ。 「バカ…! こんな可愛らしいベッド…壊したらどう言い訳するんだよ!(笑)」 「あはは…っ!」 「激しいのがいいなら明日ね。 明日はホテルだから。」 「明日もするの…?」 「期待を込めて…ちょっといい部屋にしといた(笑)」 「そうなの? ふふ…っ!」 もちろん、経費で落ちるのはシングル部屋分だけで差額は個人負担だが、凪は時々せっかくだからとグレードアップした部屋で紅葉と過ごす。

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