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第47話 (4月) (2) ※微R18

翌日… 「ごめん、LIVE前に一件取材入ったから一緒にいられないけど…」 「大丈夫だよ。 お天気もいいし、平ちゃんたちと公園とかカフェ巡りしてるね。夕方ペットホテルに連れてって、後はホテルにいるよ。」 紅葉は気にしないでと凪に告げた。 例のストーカーが心配なのでなるべく紅葉を一人にしたくない凪はある人物にアポを取っていた。 「あ、それなんだけどさ…」 「ん?」 サプライズで再会したのは、紅葉の友人の高橋くんだった。 家の事情で音大を辞めた彼を紅葉はとても心配していた。 たまたまLIVEの行われる市と彼の実家が近かったので、連絡してみると迎えにきてくれるというので紅葉には内緒でお願いしていたのだ。 久しぶりの友人との再会に大喜びの紅葉。 凪は夜までに送ってくれるように頼み、紅葉とハグをすると仕事へ向かった。 「紅葉くん! 来てくれてありがとう! 早速だけど、よろしくお願いします!」 「うん…、よろしく?」 遊びに来たつもりが、高橋くんの実家の牧場を手伝うことになった紅葉。 子やぎや子牛が産まれて大忙しらしい。 平九郎と梅も牧羊犬の真似事をして遊ばせてもらっている。 親戚の家で家畜の世話をしていた紅葉は即戦力で高橋家の家族にも感謝された。 病気で倒れたという高橋くんの父親も、幸い一命は取り留めて今はリハビリ中らしい。 お昼とおやつまでご馳走になり、友人と語り合い、楽しい一時を過ごすことが出来た。 「お帰りなさいっ! お疲れ様!」 「ただいま…。 楽しかった?」 「うん!とっても。 サプライズありがとうー。 LIVE見に行けなくてごめんね? お風呂入ったら寝ちゃってた。」 牧場の手伝いで疲れたのだろう、平九郎たちもたくさん駆け回ってペットホテルに着くと晩ごはんを平らげてぐーぐー寝ているらしい。 「いいよ。 またあいつ(ストーカー)と会うと危ないし… 飯は?」 「軽く食べたよ。 凪くんは?まだだよね?」 時間的にLIVEが終わって直帰してくれたようだ。 「まだ。 …外行く?」 「でも疲れたでしょ? せっかく素敵なお部屋だからなんか頼んでここで食べない? 高橋くんのお母さんがくれたおかずもあるよ。」 そうしよう、と凪は答えてルームサービスやデリバリーを調べ始めた。 「あ、電話だ。 はい…?」 出るとLiT Jのメンバーサスケから飲みの誘いだった。 「あー、ごめん。今日はパスで。 え? 違うって(苦笑) …紅葉と一緒にいるよ。 そう…だから忙しい、これからね。 うん、お疲れー!」 「行かなくて大丈夫?」 「平気。 俺これとこれ…。 あと紅葉が食べたいやつ一緒に頼んでおいて? 風呂入ってくる。」 「うん。」 広々とした部家で夕食をとり、一杯だけお酒も飲んだ。 「おいで…。」 ベッドへ導かれた紅葉。 恋人たちの時間だ。 「凪くん、電話鳴ってるよ?」 手を繋いでベッドへ上がると、今度はユージからだった。 凪は紅葉に断ってから通話に出た。 「何ー?」 「お楽しみ中ホントごめんね? 明日また取材したいって…」 仕事の内容だった。もちろんと、了承する凪。 大人しく凪にくっついて待っていた紅葉。 「聞こえた? 明日仕事入ったから帰るの少し遅くなる。 スケジュール大丈夫?」 「僕は大丈夫だよ。 待ってるから一緒に帰ろ。」 「ん。 あとでこことペットホテル延長出来るか聞いとく。 …お待たせ。で…、激しいのでいいの?(笑)」 「凪くん疲れてる? そしたらえっと…僕…頑張るよ?」 「紅葉も疲れたでしょ? リードするから無理しなくていーよ。」 優しくそう微笑まれてホッとする紅葉。 ゆっくりでも激しくても行為中はいつも余裕なんて全然ないのだ。 凪からのキスに応えながら、彼が服を脱ぐのを手伝うとか、その辺りまではなんとか落ち着いていられるが、あとはもう気が付いたら裸にされてて、夢中になっている。

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