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第53話 (6月) (3) ※R18

ボディーソープを使ったのか、良い香りとぬるぬるする感触が脚の間にあり、背後から凪のモノが押し当てられた。 自身のモノと凪のモノが擦り合わさる快感とその卑猥な光景が鏡にバッチリ映っていて絶句する紅葉。 「紅葉これでイケる? ちょっと足んないかなー? …ねぇ、スゲーエロいからちゃんと見てて?」 視覚も大事だと凪は全て計算済みだ。 「ん、あっ!! やぁ…ッ!」 抗議の声を上げる間もなく、喘ぐ紅葉… 凪は苦笑しつつも、紅葉の敏感な部分や脚の付け根を意識しながら腰を回した。 「な、ぎ…っ! ん…ッ、いっ、」 「ん。 いいよ。」 2人でほぼ同時に絶頂を迎えた。 挿入してないだけで、普通にSEXだし、すっごい恥ずかしかったと流石にちょっと怒った様子の紅葉に自販機のアイスと牛乳を買い与える凪。 「あ、義くんお疲れー。夜勤? 風呂長くなってごめんねー。 ありがとー。」 貸し切り風呂の鍵を渡しながら凪はお礼を言った。 「大丈夫だよ。 温泉入って疲れ取れた?」 むしろ余計に疲れました!とさえ言いたげな紅葉の視線を背中に感じながら凪は笑顔で流す。 そんな紅葉は売店(今日は営業終了)で売ってる新発売のお菓子を義からもらってご機嫌そうだ。 部屋に戻って早速お菓子もアイスもパクパク食べる紅葉。 いつもならもう深夜だから…、ダイエットは?と止めるのだが、凪は何も言わなかった。 「紅葉くーん? 怒ってる? イヤだった?」 「……怒ってないよ。 恥ずかしかったって…さっきも言ったけど… ビックリして…! あんなの…見られて凪くんに引かれないかって…思って…。 …ごめんね、態度が悪かったよね。 お菓子半分あげるから仲直りしよ?」 「あー、うん。 一口でいいかな…。 別に引いてないよ? でも調子のったかな。ごめん。」 触れるだけのキスをして、差し出されたお菓子を齧る凪。 「うわ、甘い……(苦笑) 歯磨いて寝よ?」 「ふふ…っ。うん。」 おやすみのキスをすると抱き合って眠ったのだった。 翌朝 紅葉が目覚めると既に凪の姿はなかった。 早朝から厨房を手伝っているようだ。 もちろん義両親も既に仕事を始めている。 紅葉も急いで身支度をして、こっそり凪の顔を覗いてから犬の散歩へ出掛けた。 「わ…っ! 小麦ちゃんこっちきて? あ、違う! 梅ちゃんはそこでいいんだってばー!」 大型犬3頭を連れての散歩はなかなか大変だ。 平九郎と梅の2頭なら右手と左手、1頭ずつリードを持てばいいし、引っ張ったりしないので1人で連れて行く時もラクだ。 これが小麦を加えた3頭になると一気に難易度が上がる。ヤンチャでお転婆な小麦はリードを引っ張るクセもまだあるし、楽しそうなのはいいのだが、平九郎や梅にちょっかいを出しながら歩くのだ。 右手2、左手1で歩いていても犬たちの場所が入れ替わり、右手1、左手2になったり…リードを持ち変えたりしているうちに仕舞いには絡まってしまう。 「困った…。 平ちゃんごめんね、これ自分で持っててくれる?」 一番穏やかで賢い平九郎は自分のリードを口に咥えて紅葉の横を歩いてくれる。 「ありがとう。とっても助かるよ。 夕方の散歩は2回に分けようかな…。」 平九郎だけ我慢させるのも可哀想だし…と考えながらなんとか帰宅。 朝御飯を与えると、館内に入り鯉の餌やり。 なるべく目立たないように玄関や駐車場の掃き掃除とごみ捨てをして母屋へ戻った。 あとは朝食後の片付けやお客さんたちが帰ってから布団を畳んだり部屋の掃除の手伝いをするつもりだ。 凪のように専門的な資格を持たない自分に出来ることは誰にでも出来るような簡単な仕事だが、少しでも役に立てればと早苗にやり方を教わってやらせてもらっている。 幼い頃から家族のために手伝いをするのが当たり前の家庭だったので、役割を与えてもらうことは家族の一員として認めてもらった気がして嬉しかった。 「紅葉くんおはようー! 朝からお手伝いありがとうね。 一段落ついたから今のうちに朝ごはん食べちゃいましょう!」 早苗と朝食を食べながら雑談する。 「その後、ドイツのご家族は大丈夫? 困ってることはない? 紅葉くんのことでもいいのよ?」 近況を話しながらたくさんの心配をしてくれる早苗の愛情も嬉しかった。 「1個だけあるよ。」 「どんなこと?」 「靴下に穴が空いちゃった…。 後でお裁縫セット借りてもいい?」 「やだー!(笑) 新しいの買ってあるからそれ履いて!」 その後は仮眠を取る凪を邪魔しないよう、紅葉は館内の手伝いへ。 昼過ぎに凪を見送り、忙しくもスタッフや家族と楽しく過ごして、夜は約束通り凪の元へ向かった。

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