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第92話 (11月) (3) ※R18

「お帰りなさいっ! 凪くん! お疲れ様ー!」 「…ただいま。 LINE見た。 良かったな。」 「ありがとう。 まだここからだけどね。 あ、ご飯作ったよー!」 夕方帰宅出来たので久しぶりに愛犬たちと散歩に行き、夕食も作った紅葉。 どちらもずっと凪が担ってくれていたので、お礼にちょっといいワインも買ってきた。 「おー。 あ、コレ先に冷蔵庫入れて?」 凪は小さな箱を差し出した。 「何ー? お土産?」 「ケーキ。 …頑張ったからご褒美。 って言ってもスタッフの子に買ってきてもらったんだけど…」 LIVE公演があったので店の閉店時間に合わなくてお使いを頼んだのだ。 「わぁー! 本当に? えー!嬉しいっ! ありがとうっ!」 紅葉の作ったビーフシチュー(市販のルー使用)とサラダにパン屋さんで買ったバケットで和やかに食卓を囲んだ。 ほどよく冷えたワインはとても美味しくて飲みやすかった。 デザートには凪が買ってきてくれたケーキを食べて久々に穏やかな時間を過ごす2人…。 「凪くん…疲れてる?」 「……いや?」 お誘いかな?と思って凪はLIVEの疲れを無視して答えた。 しかしニコッと笑った紅葉が希望したのは、凪と2人でのリズム練習だった…。 リハーサル含めて3時間以上全力でドラムを演奏した後だったが、凪は自主練習に付き合った。 ヴァイオリンの猛練習をしていた紅葉。 連動するようにベースの演奏も上達していて凪は驚いた。 「今のラインいいね。」 「本当? ちょっとね、前と変えたんだけど…」 些細ななアレンジにも凪は気付いてくれて、紅葉は喜んだ。 ミーティングと練習を小一時間…2人は有意義な時間を過ごした。 「疲れてるのにごめんね。 ありがとうー!」 「いーえ。 汗かいたな、風呂入ろ?」 「うん…っ! あのね……、」 少しだけ時間差で入りたいと言う紅葉に今度こそ期待する凪。 なるべく顔に出さないようにとは思ったが… 「ヤバ…! LIVE後だし、久々だし…。 ガッツキそう…(苦笑)」 思わず本音が漏れた。 「……いーよ…っ! なんていうか…僕も……、そんな気分……っ!(笑)」 赤面しながらそんなことを呟く恋人に凪は笑って「気が合うな?」と返した。 「アッ! んん…ッ! ひ、ぁ…あ…っ!」 「…自分で慣らしたの?」 慎重に愛撫を重ねて紅葉の後ろに指を差し挿れた凪は、思ったよりも軟らかな中の感触にそう訊ねた。 コクリ…と、頷く紅葉。 久々の行為でも苦痛はないようで、逆に押し寄せる快感に我慢出来ない様子だった。 「もう平気だから… すぐ出来るよ?」 疲れているであろう凪を気遣ってのことだったのだが… 「そんなもったいねーことするかよ…!」 と言い、丁寧に紅葉の身体を拓いていった。 「ぁ、は、あっ、アーッ! ダメ、っ! ぁ、んんー、ッ! ぁ…、凪…! イ、イク…ッ!」 指と口でイかされて荒い呼吸を繰り返す紅葉…。 自分も口ですると申し出たのだが、「今日はご褒美だから」と、ひたすら甘やかされた。 「や、ぁ…! もう…欲しいよ…っ! あ、な、ぎ…ぃ!」 「了解…っ! 手こっち…。 …力抜いててね?」 指輪の輝く紅葉の左手を繋いだ凪はゆっくりと自身を挿入した。 「あ、あぁー…っ!! や…ぁっ!」 「…いきなりこれは…!(苦笑) ハ…ッ! …キツ…!」 挿入した途端にトコロテンで達する紅葉。 その締め付けに苦笑しながら、凪は小刻みに痙攣する中のあまりの気持ち良さになんとか耐えていた。 「…やっぱさ相当…相性いいよ、俺たち。」 「…? どっちの?」 「音楽もSEXも…何もかも。 …奥、してもいいの? 怖くない?」 「ん…、大丈夫。 あ、あっ、んッ、は、やぁッ! あーっ、ダ、メ…っ!」 最近は最奥よりも前立腺を狙った優しめの行為が多かったので、久しぶりの激しい肌のぶつかり合いに悲鳴に似た嬌声をあげる紅葉…。 凪は慎重に様子を伺いながら進めたが、だんだんと余裕がなくなり深いキスを重ねるとガンガンと腰を打ちつけてラストスパートに入った。 「や…、い、く! な、ぎ…っ! あぁ、っ! い…ちゃ…うよ…!」 「紅葉…! いーよ。 ……イケ…っ!」 「ッ!!」 声もなく達する紅葉は凪にしがみつきながら震える身体がおちつくのを待った。 自分の中でドクドクとゴム越しに達する凪を熱く感じて胸がいっぱいになる…。

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