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第105話 (2月) (5) R18

早く、早くと急かすように凪の腕を引く紅葉。 「分かったから…(苦笑)」 凪は紅葉を宥めながら口に咥えたゴムのパッケージを開けた。 その様子を見て少し不服そうな紅葉…。 「ん…、着けるの…?」 「熱っぽいから…ね? …いい?」 キスを贈ると、ゴムとローションを着けた自身を挿入させていく。 「ハッ、ぁあ…っ! あっ、アッ! んー…っ! ぅ、ぁあんッ!」 「やっぱ熱いな…。」 凪は紅葉の身体を心配して、様子を見るように敢えて浅い場所でゆっくりとストロークを繰り返した。 焦らすようなその動きに紅葉は翻弄されていた。 「あぁッ、ァ…ッ、ふ、ぅッ、 凪…っ! ぁ、すごい…、ん、それ気持ちいい…! ん、んんー、ぁ、気持ちイイよぉ…ッ」 「かっわい。 ここ好き? あ、スゲーね。 中…痙攣してきてる。 紅葉…、イきたい?」 「なぎ…ぁ、イきたい…っ! けど…奥も欲しい…っ! ぁ、もっと…!ね、奥…、きて?」 「…あとでね? ほら、紅葉…、イッて?」 「っ! あ、アッ、…ぅっぁあーッ」 決して激しいとは言えない優しい腰使いだが、手淫を加えて的確に紅葉のポイントを攻めて前と後ろ両方で紅葉をイかせる凪…。 荒い呼吸を繰り返す恋人に口付けて、脱力した脚を抱え上げると更に奥へと自身を進めた。 「なっ?! あっ! ヤぁーッ! ダメっ、今だめだから…っ!」 「大丈夫。 もっと善くなれるから…! 力抜いて…俺に身体任せて?」 「いや…! 死んじゃう…っ!」 これ以上の快感が続いたら死んでしまうと訴える紅葉に苦笑する凪。 凪は手を繋いで、キスで落ち着かせた。 「紅葉…! 掴まってていいから… そう、そのまま…脚の力だけ抜いてごらん? 大丈夫…、ん、上手…。 痛くしないから… 紅葉の、一番奥まで入らせて?」 凪の低音ボイスで耳まで溶かされた紅葉は頷く代わりにキスをねだった。 「ぁー…ッ!」 最奥まで彼を迎えると確かに苦しいのだが、繋がっている2人の距離がゼロになり、幸福感に包まれた。 質量のある凪のモノで優しく突かれて…もうずっとイっているような感覚に陥る紅葉。 「はぁ、んっ! あぁ…っ、あー、ぅ、んあっ…」 甘い声を確認した凪は少し角度を変えて真上から紅葉を攻めた。 今度はガツガツと腰をぶつけるような激しさだ。 「あっ…?! やぁ、んっ! あぁ、待って、あっ、や、激し…よ…!」 「掴まって? ん、…ついて来い。」 「はぁっ、んんーっ!」 身体を揺さぶられながら凪から与えられる強い快感に涙を流す紅葉。 凪は何度も「綺麗だ」と告げる。 「あっ! 好き…!凪…!」 「俺も紅葉が好きだよ。 …ラスト、一緒にイケる?」 前に伸びる凪の手を止めようとするが、上手く動かない…。 「も、出な…っ」 「出なくてもいーよ?」 「はっ、ぅ、ん、 あっ、だ、めっ ん、あぁーっ!」 「ハ…ッ! …ふぅ……。 …おっと…!」 最後は凪の手の中で潮を吹いた紅葉…。 そしてそのまま気絶するように寝落ちした。 翌朝… 「38℃…。やっぱりな。 さっきより上がってる…。 頭痛いとかある?」 明け方、紅葉の身体が熱いと気付いた凪は熱を測って水分を摂らせてくれた。 紅葉が目覚めてから改めて測ればやはり発熱していて心配そうに見つめている。 「ないよー。 ダルい…。」 「疲れか出たんじゃねー? とにかく今日はゆっくり休みな?」 「………。 焼き肉は? 唐揚げ……」 コンクールと昨夜の…どちらの疲れだろうと考える紅葉。 両方かな…と、やがて納得し、次に気になったのが空腹感だったようだ。 「お粥とスープ作ってやるから…(苦笑) 食欲があるなら大丈夫だな。 出来たら呼びにくるからそれまで寝てな?」 「うぅー…。」 「大人しくしてればすぐ治るよ。 おやすみ」 髪にキスをしてもらい、紅葉は再びベッドに潜った。 その後… 「紅葉ー? 起きれる? お粥出来たけど…」 「うーん… おはよー…。食べる。」 「下行ける? 持って来ようか?」 「ううん、下に行くよ。 平ちゃんと梅ちゃんにも会いたいから…」 「…そこまで迎えに来てるよ。」 「わぁ…っ!」 愛犬たちに元気をもらって、凪の作ってくれたお粥とスープを食べると随分身体がラクになった。 「バッテリー切れてたから充電しといたよ?」 「ありがとう。」 手渡されたスマホを見るとメッセージや着信が山ほど届いていた。 思わず苦笑する紅葉。 「少しずつ返信すればいーよ。」 凪にそう言われて頷く紅葉。 食後に好物の苺を出してくれる優しい恋人にお礼を伝える。 メッセージを流し読みしていた紅葉は1つのメールに叫ぶ。 「うわぁーっ! 大変ーっ!!」 「ビックリした…! 何? 何かあった?」 「…卒コン…!練習っ! 行かなきゃーっ!」 「? いや、今日は休みな?(苦笑)」 パニック状態の紅葉を宥める凪。 聞けば昨日の活躍より、卒業コンサートで紅葉はオーケストラのコンマスとソロも任されることになったらしく慌てふためいているようだ。今日から練習という辺りがさすがというか…落ち着く暇はなさそうだ。 「…忙しくなりそうだな?(苦笑)」 「はは…っ」 「とりあえず… バックアップは任せとけ。」 「ありがとう。 大好き…っ!」 頼もしい恋人に感謝する紅葉。 そっと凪の頬にキスを贈った。 END

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