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第107話 (3月) (2) ※R18
燻る身体を誤魔化しながら身支度を済ませる2人…。
すぐ寝室に向かう予定だったのだが…!
「あ、ごめん。
マツくんから電話きてた。
先2階行く?」
「…邪魔しないからここで待っててもいい?」
「もちろん。
じゃあちょっと待ってて?」
凪の電話はLIT Jのリーダーマツからで、多分レコーディングの話と春ツアーの件だろう…。
少し時間がかかりそうだったので、紅葉はホットミルクを用意して軽く摘まめるものを探した。
夕食後に歩いたから小腹が空いてしまったのだ。
夜食は太るので普段は控えているが、これから…という時にお腹が鳴るよりはマシだろう…と紅葉は考えていた。
凪にはミネラルウォーターとビールの缶を持って行って差し出すと、ビールを受け取ったので微笑み返して、ダイニングの椅子に座って待つことに…。
「了解…。 じゃあそういうことで。
……悪い。 …あれ? 何食ってるの?(苦笑)」
「チョコ。
この前サスケくんにもらったんだよ。
あれ?サスケくんはユージくんからもらったやつって言ってたかな?
甘いジャムが入ってて苦手だって言うから…。」
いらないならもらっていい?と聞いたに違いない。
「ふーん…。
ジャムってか、洋酒じゃね?
匂いが……」
食べ物に関して鋭い凪はそんな指摘をしたが、紅葉は気にしていないようだ。
特にお酒に弱いわけではないので、まぁ大丈夫かなくらいに思い、凪にも勧めてみる。
「え?そう?
凪くんも食べる?」
「いや、俺はいーよ。
紅葉、残りは明日にして……歯磨いてきたら?」
「う、うん…!
待ってて! あ、すぐだから…!」
バタバタと洗面所へ向かう恋人に「むし歯になるからちゃんと磨けよ。」と苦言する凪。
紅葉を待っている間、凪は何気なくチョコレートのパッケージを読んで固まった……。
一方紅葉は…
「なんか…、
あ、つい…?」
歯を磨いて、マウスウォッシュで口を濯いだ紅葉は身体が熱いと感じて思わず鏡で自分の顔色を確認した。
「今更逆上せたのがきたのかな?
とりあえず…お水飲もう…」
少し赤い頬に手をあてながら首を傾げる。
久々に凪と恋人らしい夜を過ごせるのに余計な心配はかけたくないし、身体を繋げられるチャンスを逃したくなかった。
「しっかり、しないと…!」
凪のいるリビングへ戻りたいのに身体がふわふわして上手く歩けない。
もしかして凪の言う通りチョコのに入っていたのは洋酒で酔っ払ってしまったのだろうか?と考えていると、凪が迎えに来てくれた。
「紅葉ー?
大丈夫?」
「あ、凪くん…っ!」
「…お前…っ!」
紅葉の姿を見た途端、凪は驚いたような表情を見せた。
「あ……っ!」
「おっと…!」
ふらついたところを恋人の腕で抱き止めてもらった紅葉だが、やけに自分の心臓の音が大きく聞こえる…。
身体も熱くて、まだ何もしていないのに下肢に熱が集まるような感覚がして焦り、凪に触れられている部分が特に熱をもっているようにも感じていた。
「や…っ、待って…!
あ…、あの…!」
訳が分からず焦る紅葉を凪が宥める。
「さっきのチョコ……!」
「え?」
「催淫剤っていうか…ちょっと興奮するような作用が入ってるやつだったみたいだけど…
まさか知ってて食べた?」
「えぇっ?!
な、何それっ!!
知らない…ッ!
僕…、そんなの知らないよ? 本当に…!
変なチョコだったの?」
驚いた紅葉は叫ぶようにそう答えた。
「だよな…。
分かってる。
サスケとユージのイタズラなのか…あの2人も知らなかったのか…分からないけど……
とりあえず後でシメとくから。」
そう告げた凪の声は本気だった。
「ん…っ、あの…
僕…大丈夫かな?」
「効果消えれば大丈夫だと思うけど……
気持ち悪いとかない?」
「うん…。
ちょっとふらふらして…顔とか火照ってるけど…」
「あー、効いてきてるのかね?
何個か食べてたもんな…。
まぁ、多少泣くことにはなるんじゃね?(苦笑)
…大丈夫、付き合うから。」
「っ!」
久々だし、デートの後だし、本当はゆっくり優しく愛し合うつもりだった。
だけど…状況が変わって、少し性急にコトを薦めることになってしまった。
「ア…ッ!
や…ぁ…っ!!
イクっ、イク…っ!」
寝室には紅葉の甘い声が響く…。
「いいよ。」
「んんーっ!!
あ…はぁ…!
なぎ…ッ! もっと…ッ!
ァ…っ、もっとして…!
お願い…ッ!」
キスとほんの少しの愛撫だけで達してしまう紅葉。歯止めが効かなくなってきたのはつい先程から…。
既に3回、イかせて…まだ熱の籠る身体に紅葉は困惑しつつ、次を求めて凪に縋っている。
「せっかくの機会だから…
胸だけでイッとく?」
「あ…やぁ…ッ!
ぁ、あっ、ぁン…んんーッ!
イッ、く…ッ!」
「…終わらないね?
つーか、俺もヤバい…(苦笑)」
いつもより積極的な恋人の恥態に凪も煽られ続けている。
まだ受け入れる準備が出来ていないので、素股ですることに…。
「ぁん、や…っ、
気持ち、いい…ッ!
あぁ…っ、凪…ッ!
な…ぎの…が…当たって…んん、気持ちイイ…!
ん、ぁー…またイキそう…っ!」
触れている紅葉の身体はいつもより熱くて、息も荒い…。
「ヤベーな…っ!
とりあえず一緒にイッとくか…!」
「あ、は…っ、ァー…ッ!」
凪は紅葉を心配しつつも、求められるままに行為を続けた。
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