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第118話 (6月) (1) ※R18

「ちょ…っと、…緩めてくれる? 出来れば、どっちも…!」 ベッドの上で最愛の人と抱き合い、満たされながら、凪はそう告げた。 それほど首元に回る腕も、2人が繋がっているところも締め付けがキツくて動くことが出来ないのだ…。 「ん…無理…っ!」 キツイのは紅葉も同じのようで、なんとか落ち着こうと深呼吸を繰り返している。 「……動けねー…(苦笑) じゃあ、体勢変える?」 紅葉の細い腰に手を添えながら提案してみるが、首を横に振られてしまう…。 「やだ。…ギューってしてたいよ…!」 抱き締められて、耳元でそんな可愛いこと言われたら無理にとは言えない。 紅葉の細くて長い脚を撫でながらキスも出来て抱き締めることも出来る対面座位は繋がりも深くて割りと好きな体位だ。 「分かった。 じゃあ腕だけでも…ほら、そんな力入れてたら紅葉もツラいだろ?」 顔を見合せたあとキスで宥められて、少しだけ身体の余分な力が抜けていく紅葉… 凪の首にしがみついていた腕を下げ、肩に手を置いた。 色っぽく染まった紅葉の頬を撫でる凪… 「…ん。 動いていい?」 「待っ!…声出ちゃうからダメっ!」 「いや…! さっきから生殺しなんだけど?(苦笑)」 紅葉が声を気にするのはここが支度ではなく、ホテルだからだ。 それもラブホテルではなく、LIT JのLIVEで滞在中の普通のホテル。 もちろん繋がっているだけでも気持ちいいのだが… LIVEのアドレナリンで気持ちも身体も興奮している状態の凪はこれ以上待てない…と、慎重に紅葉の中を進み始めた。 「ぁ…っ、は…っ、ぁ…アッ! だめ…! な、ぎ…っ! ダメ…っ!」 「だめじゃない。 加減出来なくなるから止めとこうって言ったのに、したいって誘ったの紅葉じゃん? あー…、中やば…っ!」 「だって…っ! 今日のLIVEもすごいカッコ良かったし…! 何、あのドラムソロ?! あの展開すごい好きっ! LIVE中はみんなの凪くんだけど…やっぱり…僕が一人占めしたくなったんだもん…!」 行為中だが、LIVEの感想を述べ続ける紅葉。 熱烈な愛情はずっと変わらないようだ。 「…へぇ……! あんま煽んない方がいーよ?(苦笑)」 「んんー…っ!」 下から最奥を突かれ、必死で声を抑える紅葉… 「ちょい、膝立ちしてて?」 「あ…、…っ! ん、…だめ…、力入らない…!」 強い快感で膝が震えてしまい、紅葉は荒い呼吸を繰り返していた。 「支えとくからなるべく頑張って。 ほら…、紅葉の気持ちいいとこ…いっぱいしよっか?」 「アッ! んんッ! や、ぁっ、あぁ…ッ!」 気にしていた声も抑えられなくなり、与えられる快感に身を任せる紅葉と満足そうな凪。 「気持ちいい?」 「ぁー…っ、いい…ッ! 凪…っ、ぁ、んー、気持ちい…! はぁ、ぁ…っ! イク……!」 「これ好き?」 「ぁ、好きっ! 凪…っ、好き…っ!」 「紅葉…! 俺も好きだよ。 んー、一回イッとこうか…。」 程なくして二人で果てて、ぷるぷると震える膝に構う余裕もない紅葉と… 「紅葉ー?次後ろからしてもいい?」 LIVE後とは思えない体力で紅葉を組み敷く凪…。 「ん…、せめて休憩…!」 「ダメ。ごめん、すぐしたい。」 水だけ口移しでもらって、凪の腕の中に収まった紅葉は背中や腰の後ろに降り注ぐキスに溺れる…。 「ん…くすぐったい…!」 「気持ちいいってことでいい?」 ご機嫌な凪は優しい愛撫の手を止めることはない。 ローションを足して、新しいゴムを付けた自身を紅葉の中へ埋める…! 「や、ぁ…っ!深…ぃ!」 「大丈夫…。」 凪はそう言うと、安心させるように紅葉の右手の上に自身の右手を重ね指を絡め繋いだ。 しばらく甘い行為に夢中になっていると、紅葉が凪を呼んだ。 「ん…っ! なぎ…!」 「何? どーした、紅葉…?」 「…ヤバい…かも!」 「イク?」 切羽詰まった様子の紅葉が頷くのを見て凪もラストスパートに入る。 「ぁ…っ、ッ、きちゃう…! あ、凪っ! イ、く…っ! あ…ッ」 「ッ!」 「ん…、あ……寝てた?」 濃厚な行為のあと気絶するように眠りに落ちていた紅葉がふと目を覚ます。 凪は優しく身を寄せてパートナーの顔色を確認する。 「あ、起きた? 15分くらいね。 平気? このまま寝る?」 「うん、眠い…! こっちきて…凪くんも一緒に寝よ…?」 半分瞼が閉じている紅葉は凪を呼んだ。 「ん。 水だけ飲んで。」 素直に受け取り、水分をとると欠伸をしながらベッドに入る紅葉… 凪も隣に横になると自然と抱き合う…。 おやすみのキスを何度か繋ぐ 「もう…、ダメだよ?(苦笑)」 思ったより深いキスに紅葉はそう苦言した。 「あと一回、二回くらいは出来そうだけど?(笑)」 冗談まじりに答える凪に一瞬目を開けて絶句する紅葉だったが、眠気が勝っているようだ。すぐに目蓋が閉じていく… 「……。だめ…。 明日イベントでしょ? 寝よ?」 「はいはい…!(苦笑) おやすみ、紅葉。」 「おやすみなさい…!」 ~おまけ~ 翌朝… 「サスケ?どーしたの?寝坊ー?」 「おー…。 昨夜いい感じになった子いたのに何故かお持ち帰り失敗してさ。 …仕方ない、寝るかって思って部屋戻ったら隣はすげーラブラブしてるし! しかも両方な!!両隣だよ? 最悪だよ! やけ酒で寝坊だよ!悪いか!」 「あー、なんか…ごめんね?」 「…いや…謝罪軽…っ!(笑)」 END

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