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第167話(12月)(6)※R18

帰り道… 紅葉は凪の顔を覗き込んで謝罪した。 「ごめんね、さっき…」 「ん?何が?」 「要くんにハグしちゃったから…」 「あー(笑) あれはそーいうのじゃないって分かってるから。気にすんな。」 凪は梅のリードを持ち替え、紅葉の頭をポンと撫でてくれた。 「良かった…。 凪くんちょっと離れてたし、嫌な思いしてなければいいんだ。」 「平気。 お前のこと信用してるし。 それに、距離とってたのは敢えてというか。 ゆーじに言われてだから。」 「えっ?そうなの?」 「あー、うん。 なんか、デカイ男が苦手らしくて(苦笑) すげー低姿勢で頼まれた(笑) 全然いいんだけど、気付いたら平九郎がずーっと要の後ろに伏せてるし。」 「あ、そうだよね。 あんちゃんと遊んで疲れたのかな?って思ってたけど…要くんが泣いちゃった時、背中くっつけて…なんか守ってる感じがしたよね。」 「そう…。梅も手舐めたりして…珍しいし。 なんか分かるんだろうな…。」 「うん。 僕も田舎育ちだけど、中学生の時に珊瑚がカミングアウトした時も、僕が凪くんに会いたいから日本に行きたいって話した時も、友達も家族も受け入れてくれて意地悪されたことなかった。 でもそれが当たり前じゃないんだよね…。 日本で何も言われたことがないわけじゃないけど…でも…その時はもう凪くんがいてくれたから…大丈夫だった。僕、すごーく浮かれてて無敵だったんだよ?(笑) だから…要くんの境遇や気持ちを想像したら思わず抱きしめてて…。 また会える時は平ちゃんたちも一緒だといいかもね。」 「…だな。 今度は2人で朝飯食いに来いって言っとく(笑)」 「うん!」 凪の粋な提案に紅葉は笑顔を見せる。 「もう12月か…。やっぱ冷えるな…。」 「そうだね。 あ、お風呂予約してきたからすぐ入れるよ!」 「お。さすが。 気がきくじゃん。 …一緒に入る?」 「…うん…っ! え…? 一緒に…お風呂、入るだけ?」 「さぁ…? どうかなー?(笑)」 「えー?期待しちゃうなー。 だって…今朝の、ちょっとしかしてくれなかったから…!ちゃんとしたいよ。…ダメ?」 「あー…っ、それ言われたら断れない(苦笑) けど…正直…抱き潰しそうで…!(苦笑) 仕事詰まってるからさー…。」 葛藤する凪を見て紅葉は上目遣いで聞いた。 「…僕のこと好き?」 「…好きに決まってる。 …早く帰ろ。」 「うん。」 2人はギュッと手を繋ぎ、家路を急いだのだった。 帰宅後 お風呂で冷えた身体を温める2人。 凪に背を預けた紅葉は入浴剤のお湯を両手で掬い、ハーブの香りを楽しむ。 みんなでわいわい楽しむ鍋パーティーも良いが、凪と2人きりの穏やかな時間も好きだ。 紅葉は後ろを振り返りキスをねだった。 「ん…、 好き…っ!」 「かわいーやつだな。 明日仕事あんのに… …キスだけですまなくなっても知らねーよ?(苦笑)」 紅葉はふふ…と笑いながら凪の首に腕を回し、2人は甘いキスに夢中になった。 寝室にて… 「あ…ん、んー…っ! はぁ…あ…っ、もっと…して…!」 「気持ちいい?」 早くもトロトロな紅葉を前にご機嫌な凪。 お酒の影響もあってか、2人とも火がつくのが早かった。 「ん…っ、うん。 気持ち、いい……! ね、も……、早くっ、凪のでしてよ…!」 「…もう少し待てって…」 中に埋めた指を増やした凪は、その締め付けに苦笑しつつも丁寧に慣らしていく。 「や、ぁっ、あっ! …もう大丈夫だから…!」 「紅葉…っ! あんまり煽んな…っ! また歯止めきかなくなる…!」 「んん…っ! でも…! 好き…っ。 凪が欲しいよ。」 「…っ! ホントに…もう…!(苦笑)」 凪は紅葉の脚を抱えるとローションを足した自身を埋めた。 「ーっ! あっ! ハァ…っ、ハァ…っ」 「…2回目だけど、大丈夫そう?(苦笑)」 紅葉の腹部に飛び散った白濁を指に絡めながら凪が問えば、腕で顔を隠した紅葉は小さな声で答える。 「んっ、ちょっと…待ってもらえれば…!」 「りょーかい…。」 キスを繋ぎながらゆっくり、浅い動きで紅葉の負担にならないよう気遣う凪。 焦れったいくらいの快感が、その次の更に激しい快感を期待させるのか無意識に凪を締め付ける紅葉。 「あ、あ…っ! やだ…!ん、またイっちゃう…っ!」 「…何もしてないんだけど…(苦笑)」 胸に舌を這わせ、トン…っと凪が中を軽く突けば紅葉の背中が仰け反った。 「…っ! ごめ…っ!」 また一人で先に達してしまい、紅葉は思わず謝罪した。 「いいけど…。 あ、上来る?」 「ひゃっ…!」 反転する視界と、中を埋める角度や深さも変わり、紅葉は縋るように身を倒して凪にしがみつく。 「そろそろ動いていい? それとも紅葉が動く?」 「あー…っ、奥…来るっ! ハ…ッ…、ん、気持ちイイ…! んー、ぁ、凪がして…っ! あ、でも…またイッちゃうかも…! アッ、あっんッ!あ…っ!」 紅葉の身体を支えながら凪が真下から奥を攻めれば一層甘い声が溢れた。 「ほら…倒れないで頑張れ(苦笑)」 紅葉にも動くように促す凪。 「頑張ったら…、僕にもプリン作って?」 「はは…っ! もちろん、いーよ。」 随分可愛いお願いに思わず笑う凪。 拙い動きを支え、しばらく絶景を見上げて視覚でも楽しむと上半身を起こした凪は紅葉としっかり抱き合う。 キスを交わしながらの行為は優しい愛情と極上の快感が2人を包んだ。 「少しは落ち着くのかと思ってたけど、全然…(苦笑) 無理させたいわけじゃねーんだけど、やっぱ紅葉に負担かけるし。あー…そっち行くのに多少は自粛しねーとなぁ…って。」 「えー…っと? 相変わらずラブラブだってノロケ?(笑) こっちでもお好きにどーぞ。 ちょっとお年頃な子たちが多いから一応気をつけては欲しいけど、うち使っていーし。 必要なもんは揃ってるよー?(笑)」 真夜中の電話の相手はドイツ在住の翔だ。 凪の先輩であり、紅葉の双子の兄である珊瑚の夫。 間もなく凪と紅葉がドイツへ行くので、最近はよく通話している。 「あ、引っ越すんだっけ?」 「そう。近くだけどね。 アッシュのサッカーコートに近いとこ。 うちの親が夏にフィンがこっち戻るついでに遊びに来て、別荘代わりに買おうかとか言い出して、管理とか面倒だからやっぱあげるって言うから(笑) 今の家は貸しに出すつもりー。」 「そっか(笑) じゃあそっち寄る時一泊しようかな。」 「了解。 あ!引っ越し手伝ってね!」 「……だよね。 うん、分かってた。 ハネムーンは結婚式とお墓参りと引っ越しの手伝いね!(苦笑)」 「いいね! 宜しく! ビール用意して待ってるからー! あ、例のお土産も宜しくー!」 翔に頼まれたお土産リストには夜のグッズも含まれていて、今から荷物チェックが不安になる凪。 いつでも明るく前向きな翔にはペースを乱されがちだが、やはり憎めない相手だ。 END

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