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第177話(12月③)(3) ※R18

ざっと実家の風呂に入り、 お節のレシピとスケジュールに集中する凪…… 背後では温泉上がりでご機嫌な紅葉が鼻歌を歌いながら眠る愛犬を撫でている。 「……あー…聞いていい? その服…何?」 全然集中出来ない原因はまさかの愛しの人だった。 「お義母さんがくれた新しいパジャマ! ベージュの色合いが平ちゃんみたいで可愛いでしょ?へへ、モコモコー!」 早苗からプレゼントされた犬耳のフードがついたパジャマというかルームウェア?がお気に入りのようで愛犬たちと一緒に寝転ぶ紅葉。 母親に対してよくこんなの見つけてきたな…と思いつつ、紅葉に対しては多分レディース物だろうが違和感なく着こなしていることにある意味感心する凪。 「…紅葉、…お手。」 思わず凪がそう言ってみると「わんっ!」とノリノリで寄ってくる紅葉。 凪は苦笑している。 しかし平九郎(ゴールデンレトリーバー)というよりかはポメラニアンとか小型犬の印象なことは黙っておいた。 「ご褒美は? あ!着心地も触り心地もいいんだよ! 撫でてみるー?」 「んー。あー、うん。 でもこれ着て寝たら暑そうだな…(苦笑)」 そう告げると腰の後ろ辺りからパジャマの中に左手を潜り込ませて紅葉の素肌を撫でる凪。 「んっ! ちょっと…!(苦笑) …やっ…、…っ! …え…、えっと……脱がすの?」 数秒の間に口付けられて、そのまま畳に押し倒され上半身を直に撫でられた紅葉は驚いていた。 我慢するんじゃなかったのかな…、ちょっと平九郎、梅と近すぎて困るな…と、覆い被さってきた凪のキスを受け入れながらぼんやりと考える紅葉。 「……別にこの格好に欲情した訳じゃねーからな?」 「そーなの…?」 「…ん。 よし…、寝よ。」 煩悩と闘った凪はなんとか抑えたようで、平九郎と梅にお休みを告げて、寝室へ移動する2人。 布団に入り横になると、紅葉はいつものように凪にくっつく。 「…寝るの…?」 ちょっとだけ残念そうに紅葉が聞くと、少しの間を空けて凪が答えた。 「……寝ますよ。ほら、電気消すよ?」 「はぁい。おやすみー」 「おやすみ。」 凪の腕の中は暖かくて幸せだけど、なんだか寝付けそうにない。 時差ボケのせいか… 否、多分スタジオでのセッションのせいだ。 凪もLIVE後は特にアドレナリンが出てるせいか興奮が治まらないと言うが、今日の練習もLIVEに匹敵するくらいのものがあった。 もぞもぞ…と寝心地の良い場所を探したり、手を繋いでもらうが紅葉は眠気よりドキドキ感が高まってきていた…。 暗闇に目も慣れてきたのでしばらく凪の顔を眺めることにする。 「……何?眠れねーの?」 「…うん。……好き。」 ほんとに小声でそう呟く紅葉。 「…紅葉…、 やっぱその服さ…くっつくと暑いから脱いでくれる?」 「え? あ…うん。分かった。 じゃあ違う服持ってくる…」 「いや、いーよ。 これ着てて。」 そう言うと起き上がって自分のスエットの上を脱ぐ凪。 紅葉も起こしてパジャマの上を脱がせると手早く凪の服を着せてくれた。 洗濯してあるし、まだ少ししか凪の香りはしないけど、体温は残っていてなんだか安心すると感じる紅葉。 一方凪も紅葉には新しい服より自分の服を着てもらっている方が満足度は高いらしい。 「ふふ…! 凪くん、寒くない?」 「へーき…。」 「…? わっ…、…んっ!」 またまたあっという間に組み敷きられていて、驚きつつも凪の首に腕を回して深い口付けを受け入れる紅葉。 何度も角度を変えてキスを交わすと心地好くて、気持ち良くて止まらなくなる2人…。 「…我慢は?」 「…十分したと思うんですが?(笑) あのタイミングで好きって言うのズルくない?(苦笑)」 凪の答えに笑う紅葉。 「ははっ! 聞こえてたー?」 「かわいーやつ。 …大丈夫。 触るだけ…。」 「ん…。」

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