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第193話(12月②)(2)
夜…
広めの個室がある焼き肉屋さんで夕食。
わいわい飲みながら、肉を焼き、食べながら気心知れた仲間と笑い合う。
「イベントどうだったー?」
紅葉の質問にサスケが答える。
「盛り上がってたよー!
バレンタイン話題とか話して…学生時代いかにモテたかって話…あ、これダメ?(苦笑)
んと、この新曲はLIVEで感全体に創り上げられたよね!って。」
途中で凪のストップがかかったようで、葵が笑う。
「真面目か!(笑)
あー、久々握手会したわー。」
「お前、その指輪(左手薬指ユキとお揃い)突っ込まれてたのに全部スルーしてたな(笑)」
「俺スルースキル最強だから(笑)」
凪と紅葉は仕事中は外していて、今はプライベートなので身に付けている。
紅葉は凪にこっそり聞いた。
「ファンの子に…チョコもらったの?」
「んー、事務所にある。
けど、持ち帰らないから。」
「……。
チョコとお花どっち欲しい?」
ちょっとした嫉妬心からそんなことを聞く紅葉に凪は目の前の肉を指差した。
「…肉。
それ、食べさせて。」
「…うん。はい…。
…んっ!」
「だからそこ!イチャイチャし過ぎですよ!写真撮ってツイッターにあげるよ?」
サスケの叫びもシャットアウトな2人。
凪に食べさせてからキスして、「まだ食ってんのに…」とモグモグしながら苦笑する凪に紅葉もあーんと肉を食べさせてもらって…。
少し気持ちは落ち着いたらしい。
ここでゆーじが話に入ってくる。
「そっかー。
海外だと男が花あげるんだっけ?」
「そうだよー。あげるの?
要くんお花好きだもんね。」
紅葉がそう返すとゆーじは悩み始めた。
「んー、どうしよ。花って言われてもね…。自分で買ったことねーし(苦笑)
どれがいーのか分かんねーなぁ(苦笑)
マツは奥さんに花とかあげたことあんのー?」
「あるよー。
ミニブーケをプレゼントにプラスしたり。
最近だと出産して家に帰る時にあげたかな。疲れてる時にお花見るといいんだってね。」
「へぇ。お前…そういうのちゃんとしてんだな(笑)そっかー!えー、どうしよ。」
「好きな色とかで選んだら?
青系入れてとか花屋に言ったらなんかそれなりに花束作ってくれるし。」
ゆーじに凪がアドバイスする。
紅葉の卒業公演で花束をプレゼントしたのが懐かしい。
「薔薇100本にしろよ!」
サスケは冗談を言う。
「それプロポーズ用じゃん!
まだそれは早い…。」
紅葉はスマホを検索して画像を見せた。
「あ、ほら。
猫さんやくまさんの鉢植えもあるよ!
これは日持ちするよね!」
「おー。そんなんもあるのかー。
え、じゃあちょっと考えよ…。」
「いいね。みんなラブラブで。」
「そーいえば、お前どーなった?
デートは?」
凪が思い出したかのように訊ねる。
ちゃんと紅葉に野菜を食べさせながら。
「んー?
一応、バレンタインデートの予定!
TDS!
もう何年…?十何年か振りにチケット取りましたよ(笑)
でも現地集合って言われたんだけど…」
思わぬポイントにメンバーは驚く。
「何それ?(笑)」
「来なさそうー。
しかも真冬のシーとかめっちゃ寒そうー。」
「めっちゃ不安。。
風邪ひいてもいいからデートしたい!」
「あやなちゃんはちゃんと来るよ!
風邪ひかないで、デート楽しんでね!」
「…紅葉も行きたい?」
「えっ?!
んと…。でも…」
人混みが得意ではない凪に遠慮する紅葉。
でも凪は光輝とみなが愛樹を連れてUSJに行ったり、カナとあやながTDSに行ったことも聞いた紅葉が何も言ってこないことを少し気にしていた。
「とりあえずもう少し暖かくなってから考えるかー。」
「え…、
…いいの?」
凪が「あぁ。」と短く答え微笑むと途端に嬉しそうな表情を見せる紅葉。
「もう少しわがまま言ってくれていーんだよ?」
凪が紅葉の頭をポンっと撫でながらそう告げる。
「…っ!
じゃあ、えっとね…!
デザートにバニラアイスとチョコアイス両方食べたいっ!」
「そっちかー(笑)」
みんなが笑った。
メニューを指差す紅葉は真剣に悩んでいたらしい。
「ねー、助けて。
隣の新婚さんが甘いよー。」
「あれはもう仕方ないから。
よしっ!飲むかー!」
「飲も!
すみませーん!ビール追加で!」
「肉も!高いやつ頼もうー!」
久々にギターコンビがタッグを組んだようだ。
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