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第218話(3月)(12)※R18

2人で早苗の作ってくれたお弁当を食べながら話す。話題は友人カップルのことだ。 「えー? ゆーじくんと要くん喧嘩しちゃったの?」 「そう。 …で、要がいない!連絡つかない!ってゆーじがパニックで…!しょうがねーから一緒に探し回ってさー。」 「それは心配だよね。 見つかった?見つかったよね?」 「…どこにいたと思う? …家から5分の公園だよ?(苦笑) 絶対、今度ゆーじにメシ奢らせる!(笑)」 「えー?(苦笑) あー、でも無事見つかって良かったねぇ! なんで喧嘩したのかな?」 「あー…結局痴話喧嘩。 買い物行こー、出掛けようって言ったのに…なんつーか…、まぁベッドにばっかりいるじゃんって。要が…あいつ不安定なとこあるし、急に出てっちゃったみたいで。 …付き合いたてだししょうがないんだろうけど、調子のってるゆーじが悪いってことで。」 「……。それは…! みんなそういうものなのかな? 要くん不安になっちゃったんだね。 大丈夫かな…」 凪の他に交際経験のない紅葉。 でももし自分なら…と思いを寄せる。 自分に自信がなくて凪と付き合っていけるのかという不安はあったけど、凪が自分のことを大事にしてくれてるとしっかり実感出来ていたので身体だけなのかとかそういう不安はなかった。(オモチャ事件で一時期SEX出来なかった時はあったけど…) 改めて凪のことが好きだなと想う紅葉。 「大丈夫だろ。 要は控えめだから言いたいこと言えなくて溜め込んだんだろうな…。ゆーじは浮かれ過ぎでフォロー出来てないっていうね。 まぁ 一回くらい大きな喧嘩しといた方がいいってマツくんも言ってたし、内容的に話題にしにくくても身体の負担とかもあから、一方が我慢するのは違うじゃん?次ヤるならちゃんと話し合って仲直りしてからにしろって…… …あ、ヤバ。こんな時間じゃん。紅葉もう寝た方がいいよなり風呂入る?」 愚痴混じりのネタのつもりだったが、つい勢いで話しているうちに紅葉の熱がこもった視線に気付いた凪は話題を変えた。 「入る…。凪も一緒に…」 凪の指先に触れ、手を繋いでくる紅葉は可愛いし、久しぶりの2人きりだ。イチャつきたいのは山々だが…明日は大事なオーディションがある。 「……いや、ユニットバスだし… ってか、明日オーディション…。 …朝早いでしょ?」 「…うー……でもね…。 この話の流れで"したい"って言ったら嫌?」 紅葉にしてははっきりとしたお誘いに動揺する凪。 「……微妙な空気にしたの俺なんだけど、えっと…マジで何も持ってきてないんだよな…。」 どうせ明日実家に行けば着替えはあるからと凪は仕事用のPCと財布、スマホくらいしか持たず飛んできたのだ。 「僕も…ない…。 なくてもいいから…!ね?」 「…それはダメ。 お前に負担かけるなら俺はしたくない。」 「っ! ふ…、うぇっ…!」 凪からのNoに紅葉は思わず泣き出してしまった。こうなるとパニックになるのは凪の方だ。 「…?! え……、泣い…てる? …待て!落ち着け、紅葉! お前の身体を思って…!言っただけで…! SEXしたいかしたくないかで答えるならしたいよ? けど! 明日大事な日なのに、紅葉の身体がキツかったら大変だから……!」 「でも…っ! 凪がいなくて寂しかったけど、 練習頑張ったよ? 凪は…寂しくなかった? 僕は…ずっと逢いたくて…だから凪が逢いに来てくれて嬉しい…! ギュってするだけじゃ足りないんだ…っ! 凪は…違うの?」 ストレートに想いを伝える紅葉に凪は完敗である。 「…あー…、うん…。 違わないかな。 …すぐ角のとこに24時間営業のドラストあったよな…?」 「…!買いに行こ?」 「…俺行ってくるから…。 先に風呂入って、準備…自分で出来る? …あんま遅くなると寝不足になるから…協力しよ。」 「うん。出来る…っ。頑張る…!」 「ん。」 キスで落ち着いた紅葉は凪を見送るとバスルームへ向かった。 20分後… 「俺も入ってくるから、アイス食って待ってて?」 「ありがと…!」 紅葉と入れ替わるようにして買い物から戻った凪はバスルームへ向かう。 ドラッグストアでゴムとローション、タオル、自分の下着と水、紅葉の好きなアイスも買ってきてくれたようだ。 自分から誘っておいて変かもしれないが、少し緊張していた紅葉はアイスを口にしてリラックスすることが出来た。

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