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第228話(6月)(8)※R18

「ん…っ、ふ…ッ、ぅ…ぁ… は、ァ……! 凪……!」 口元を手で押さえ、控えめな喘ぎを上げる紅葉。 「ア…ッ! それだめ! …んッ!ンンっ! っ!ぁ、 待…!」 待ってと訴え、凪の手と口を必死に止めようとする…紅葉。 身体は素直に反応してくれているのに首を横に振る紅葉を前に凪は笑った。 「何で止めんの?(苦笑)」 「だって…! それ…!両方…、したら…っ またすぐイッちゃう…ッ! こ、声も…!」 万が一光輝に聞かれたら恥ずかしいと目で告げる。 「…ふ…。 いーよ。 いいから…気持ち良くなって。」 シーツを蹴る紅葉の脚を撫で、笑いながら身を屈めて追い上げにかかる凪はご機嫌だ。 「ん、は…ぁ、あっ、んんーー…ッ!」 ビク…ビク…と、絶頂を迎える紅葉… 中に埋めた凪の指を強く締め付けながら後ろでも達したようで、紅葉はぐったりと脱力しながら荒い呼吸を繰り返している。 「続けていい? …休憩する?」 「み、ず…っ!」 「ん。」 凪の膝の上に抱き起こされ、ペットボトルの水をゴクゴク飲む紅葉。続けて凪も飲むと、再びキスを繋ぐ2人…。 「ふ…、ふぁ…ッ、あ…っ!」 凪はローションを足した指で再び中を探る。 イッたばかりで敏感になっている紅葉の身体の内側は熱く、時折キュン…と吸い付くように凪の指に圧力がかかる。 しばらくキスに集中していた紅葉も、快感に耐えられなくなると彼の首に腕を回してギュっと掴まりながら声をあげる。 「んっ! ぁ…ッ、なぎ…! …もう……して?」 「んー?あと少し……。」 紅葉の首筋に口付け、胸にも手や唇を這わせる器用な凪。 「や…っ! ねぇ…、ぁ…! 凪…っ!」 紅葉は身体の内側からせり上がる熱の行き場がなく限界を感じて凪の下肢に手を伸ばした。 「っ!紅葉…!(苦笑)」 ふいの攻撃(?)に驚く凪と、綺麗な指で凪の中心を撫でる紅葉…。 「あ…、ん…わっ、…おっ…きい……! ん…っ、あ……、凪……! すき…! 早く…っ! …ね、しよ?」 「…ゴム付けるから10秒だけ待って。」 煽られた凪は手早くゴムを付けると、紅葉の腰を抱き寄せて聞いた。 「このまま腰落として挿れられる?」 「あっ…! ん…っ!出来る…っ!」 小さく答えた紅葉の身体を支えて手伝うが、少し間の空いた行為と慣れない体位に緊張して上手く出来ないらしく、焦る紅葉とは対照的に凪は結果的に焦らされている状況になっていた。 「…ぁ、ちょっと待ってね…、っん…!」 肩に置かれた手は指先まで力が入っていて、額には汗も見える。紅葉が積極的なのは嬉しいのだが、いつも以上に必死になる姿に凪は少し違和感を感じた。 「…紅葉…? …あー、やっぱこっちにしていい?」 「ん…! …アッ!んーッ!」 紅葉の脚と腰を支えて押し倒した凪は正常位に変えて、そのままゆっくり挿入していく。 「やッ、ぁー…ッ! なぎ…、待って…! お願い…っ、ゆっくり…!」 「…ん。分かってる…。」 まだ少し身体を強張せる紅葉…。 充分に慣らしたはずの中が予想以上に狭いのは心の準備が追い付いていないせいだ…。 凪は肩にしがみつかれた手をゆっくり離させ、自身の指を絡めてシーツの上で繋いだ。 「紅葉…、大丈夫…?」 「……うん……っ! 凪…、好き…!」 目を合わせて問えば、ようやく安心した表情で答えてくれた。 「凪……! あ…ッ、んー…! は…ぁ…っ、は… …ぁん…、もっと…!」 「もっと…何? 奥?」 「アッ!んッ! ぁ、ダメ…っ!」 凪が少し奥を突けば強すぎる快感に跳ねる紅葉。 「…奥はダメ? じゃあ…もっと速く?」 「や…ッ! ぁ…ッ! んー、あーッ! やぁー…っ、…ん…! なぎ……!」 浅めのポイントを狙うと声を上げてポタポタ…っと達する紅葉の姿に満足そうな凪。 「ん?あれ?違った?(苦笑)」 紅葉は呼吸を整えながら凪に何かを訴える視線を向けた。 「……ん。えっと…… …もっと…… ……いっぱい……?」 「…!ふ…っ(苦笑) 了解。」 事後… 暑い…とぐったりな紅葉。凪はいつも通り甲斐甲斐しく世話を焼き、こっそり買っておいた高級アイスを差し出した。 パクパク…とアイスを口に運ぶ紅葉はご機嫌そうだが、少し気掛かりで凪は聞いた。 「…何かあった?今日…」 「んー、ん……? あの……今日さ、スイくん…会ったでしょ?」 「あ…?あー…、さっきの…スタジオで? …何? 何か言われた?」 凪の声のトーンが低くなり、紅葉は慌てて否定する。確かにちょっと嫌なことは言われたけど、それより気になるのは凪への好意だった。 「ううん…っ! …あの…さ、綺麗な…人だよね? 僕と同い年だけど…なんかさ、すごい…大人の色気?があって…!」 「……そう? あー、そういえばなんか昔スカウトされてアイドル的なことしてたって聞いたな。スタッフの子もテレビで見たことあるとか言ってたか…」 「えっ?!そうなの…?すごいね! …え、…凪も昔のスイくん知ってる? 可愛いって思った?」 「……これさ…、もし"うん"って言ったらどーなの?(苦笑)」 「…っ!な、泣く…っ!かも!」 動揺する紅葉は本当に泣きそうで焦る凪。 「…いや!待て! あいつが好きなのはあのタレ目…! あ、名前…なんだ…? あ!コタってやつだろ?」 「……え? ……えぇっ?!そーなのっ?! …じゃあ、バンド内恋愛ってこと…?」 思わず興奮して叫ぶ紅葉を前にシーっと凪が合図をする。 「…いや、そこは知らねーけど。 気引きたくてわざとやってるのかと…。 …何?妬いてた?」 「…違う…!」 「へぇー…、かわいー。」 ヤキモチと不安からの行動と言動だったのかと謎も解けて、誤解も解けて安心する凪。 紅葉も勘違いだと分かりホッとしたようだ。 「凪…!恥ずかしいからからかわないで!」 「可愛いから無理。 …紅葉ー?」 「……。今アイス食べてるっ!」 「食べ終わったらでいーんだけど、可愛くて俺の好きな子にキスしたいからこっち向いてくれる?」 「……食べた……!ん…。」 「すげー好き。 けど、やっぱキャラメルは甘いな(苦笑) 歯磨いて寝よ?」 「ふふ…っ!うん…!」

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