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第7話
「触るなら、こっち触ってくれないか」
そう言って友人はいそいそと、スウェットとパンツを一緒くたに下ろして見せた。
ぶるん!
と効果音をつけたくなるような勢いで、彼のそそり立ったイチモツが元気よくとびだす。
「……でっか」
筋肉むきむきの巨漢に恥じない立派な代物だ。
危うく我に帰りそうになった。
危うく?
帰っちゃダメなのか?
ぼくは我を忘れているのか?
まるで生物兵器のようなグロテスクななりをしたちんこを握ると、熱くて、心臓か? ってくらいドクドクと脈打っていて、こっちの心臓までドキドキと高鳴る。こんなのに貫かれるやつはきっとひとたまりもないだろう、そんな妄想をしてみるとき、ぼくの頭の中で友人にくみ敷かれてひんひん泣いているのは、完全にぼく自身だった。こんなのを挿れられたら。このまま、最後まで、最後まで行ったら……泣いてるのか? と問うて、彼はぼくの目尻に優しく唇を落としてくる。さっきびっくりしすぎて涙が出ただけだ。というか、そんな優しい振る舞いをされると、自分たちの関係がはなから友人同士だったのかどうか、いよいよ怪しくなってくる。友人同士だったよな? 友人同士は、乳を揉み合ったり、舌を絡ませてキスをしたり、ましてちんこのこすりあいっこなんてしないよな? ――いや、するのか? するのかもしれない。ぼくが世界標準を知らないだけで、もしかしたらこの世の友人同士は普通に裸になって抱き合ってセックスをしているのかもしれない。
友人がどこからともなく取り出してきたローション(どうしてこう都合よくローションなんかが出てくるんだ?)を手のひらに取り、両手でこすりあわせて温めて、友人のデカブツを包み込む。親指と人差し指で輪っかを作り、輪っかに収まりきらなくて若干引いたが、握り込んで上下に動かしはじめる。自分のを処理するのでよく知っている、気持ちいいところ、裏筋、カリ首、重点的に責めると、友人はぴりっと眉根にしわを寄せ、
「んっ……く、はぁ……上手、だな」
と甘い息を漏らし、頭を撫でて褒めてくれる。
「……気持ちいいか?」
「うん、気持ちいい……っ」
腕っ節では絶対に敵わない友人が、自分の手で感じて、顔をしかめ、とぷっ、と、透明な先走りまで溢れさせている。
どっ、どっ、と、心臓が口から飛び出そうなくらい、いまやぼくは興奮していた。
「……紅蓮」
「ん、ああ、お前も」
とろとろ、と大きなてのひらにローションを垂らし、ぼくの手持ち無沙汰に揺れている陰茎へ手を伸ばそうとした友人へ、ぼくはこんなことを言っていた。
「……もっと気持ちいいこと、してみる?」
友人は目を見開き。
ごくり――と唾を飲む喉の動きが、見えた。それさえ扇情的に映って、ぼくの体はどんどん熱くなる。
「……する」
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