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第5話
「僕の可愛い可愛い息子同然の湊になんて話をしてるんですか!」
いい匂い!と秋陽の脚に抱き着く湊に対抗するように秋陽を抱きしめる。
冷たい体が外の寒さを物語っていたが、それ以上に赤い頬と鼻先がエロすぎて可愛すぎて、湊がすぐそこにいるのもお構いなしに柔らかい唇を奪った。
「あー!ぼくもちゅー、するー!」
「だーめ ここは俺だけのもんだ」
ずるいと駄々をこねる湊は最近の手強いライバルだ。
秋陽は湊に甘い。もちろん父親代わりとして、姉の代わりとして厳しくすることもあるが、基本は甥っ子が可愛くて仕方がないのだ。
「誠人さん!何するんですか!」
もぅ…!と怒りながらも寒さとは別の赤さに頬を染める秋陽の額にもう一つだけキスを落とす。
「おかえり」
「…ただいまっ」
照れを隠すように荷物を少し乱暴に置いた秋陽はしゃがみこみ、湊に向き合う。その顔はすっかり保護者の顔になっていて、なんだか慨深くなってしまう。
交際にこぎつけたその前から、俺も湊の保護者としてまるで親子のように過ごしてきた。と言っても秋陽のサポートくらいしかできなかったが、子育てが親も育てられてるということが垢ぬけていく秋陽を傍で見ていてわかった気がする。
「湊、今日は何の日だっけ?」
「くりくますいぶ!」
「そうだね いつもお手伝い頑張ってくれてる湊にすこーしだけ早いクリスマスプレゼントがあります」
プレゼントの言葉に目を輝かせる湊は秋陽を見つめながらもそのありかを探してそわそわしている。
ダメだ… 言い間違いも可愛いが密かにツボってる秋陽が可愛すぎる
その時、含み笑いとともにリビングの扉が開いた。
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