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第4話

昼休憩後は剣の訓練をすると言う主人に連れられて、訓練場に来た。 はぁ〜騎士の皆様カッコいいよね。 まず制服が良い。 そして体格が良い。 惚れ惚れする。 うーん、俺が騎士になるには身長が足りなさ過ぎる気がする。 成長期に栄養が偏っていた所為だよね。 主人は指導をして少ししたら打ち合いを始めた。 やばい。 カッコいい。 目が、脳が、おれが、全身で喜んでる。 剣が当たる音も、空を切る音も、訓練でも真剣にやっている人達から聞こえる息遣いも、全てが俺を刺激する。 俺もやらせてくれないかなぁ、なんて思うのも仕方がないよね。 男の子だもん。 まぁね、させてくれなかったよね。 常に体を鍛えている人間との差は当然有る。 それよりも歯を潰した模擬用の剣ですら扱えなかった。 あれ絶対重り入ってるって。 木の剣ですら前に振ったのに、後ろに飛んでった。 誰か紐付けて飛ばしたか? 仕方がないから、ダーツみたいな的当てで遊んでた。 上、下、右、左、真ん中。 真ん中のは少し左に数ミリずれた。 次は下、右、上、左、真ん中。 右のが少し下にずれた。 久しぶりに的当てしたけど、やっぱり面白い。 自分が思う通りの位置に刺さる快感は良いよ ひとしきり遊んで振り向けば、全員がこっち見てた。 変な声出たくらいびっくりした。 180,190の逞しい、厳ついガチムチの男達、30人位の視線を浴びてみれば良い。 俺の恐怖をわかってもらえるはずだ。 主人に抱き締められて視線を遮られたら落ち着けた。 俺が落ち着いた頃、主人から的当てについて聞かれた。 最初は下手だな、くらいに見ていた人が俺の遊びに気付いたらしい。 で、なんで正確に投げれるのか?と不思議みたい。 仕掛けも何も無いんだけど、体幹ずらさずに、投げ矢を投げてるだけ。 口では説明難しい。 腰が、足の位置が、肘の力の入れ方、色々と実地で教えていった。 さすが主人。 10投くらいで感覚を掴んだらしい。 くぅぅぅぅ! 器用に吸収して自分の物に出来るとか、何ですかねぇ、尊敬しか無いよね。 他の騎士達にも教えようと騎士の肘を触ろうとした手は、主人にニギニギされた。 次回機会ができればお願いしますと苦笑いで去った騎士。

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