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第11話

あれからというもの悠介は金曜日だけ会いに来るようになった。 一緒にご飯を食べて怪我の手当てをして帰っていく。 それだけの関係。 冗談でイかせてやろうか? と聞けば顔を真っ赤にして怒られた。 悠介と出会ってから三ヶ月が経とうとしているが未だになぜあんな傷跡があるのかは分かっていない。 聞いても答えてはくれない。 「まー、知っちまったら今の関係壊れちまいそうだしなぁ。 ……悠介と食べる飯楽しいし。」 誰に言うわけでもなく一人つぶやく。 「よっし、今日は悠介の好きなハンバーグでも作るか。 チーズも入れてやろうか。」 気持ちを入れかえ下手くそな鼻歌を歌いながらアパートの階段をのぼり部屋へと向かう。 ​─────── 「……今日、悠介こねぇのかな。 ハンバーグ冷めちまう。」 いつもなら玄関の前で待っているのに今日は居なかったし晩飯作り終わってもまだ来ない。 「気分じゃなかったのかねぇ。」 悠介の分は冷蔵庫入れとくか、 と思い立ち上がったとき ゴン、と玄関のドアがなる。 「……?」 そろそろと音を立てないようにドアへと近づく。 ドアから外をのぞいても何も見えない。 チェーンをかけたままゆっくりドアを開ける。 「……!おい、悠介!大丈夫か!?」 ドアの前に頭から血を流しぐったりしている悠介がいた。

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