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第12話

急いで悠介を部屋の中にへと入れる。 「悠介、悠介、聞こえるか?」 話しかけてみればうっすらと目が開くぐらい 体から力が抜けきってる。 「これは……救急車呼ばねぇと……」 救急車を呼ぼうと携帯を手に取れば 「……やめろ、きゅ、きゅう、しゃ よぶな……」 息も絶え絶えに悠介が話す。 「さすがにこんな状態で呼ぶな、なんて無理に決まってんだろ。 大丈夫だって金とかなら俺が出すから。」 「ふ、ぅぅ…おねが、おねがいぃ…… よば、よばないれ……お、おねが、じまず……」 俺の足を掴み幼子のように泣きながら頼み込んでくる。 「…………あーくそっ! 分かった分かったから!手離せ、手当てするから。」 普通なら嫌がられても救急車を呼ぶべきだっただろう。 それでも ……幼い子供のように泣きじゃくる悠介を見て胸が締めつけられてしまった。 「悠介、体起こすぞ。 頭触るからなー、暴れんなよー。」 声をかけながら悠介の怪我を確認する。 ……血は出てるけどそこまで深い傷ってわけではなさそうだな。 携帯でやり方を調べて頭に包帯を巻いていく。 「……よし、まあこんなもんだろ。 悠介、次、体の方やるからなー。」 一応声をかけてみるが完全に俺に体を預けきって反応がない。 服をまくってみれば 「……!なんだ、こりゃ……」 今までに見た中で一番ひどいことになっている。 ほとんどアザで素肌が見えるところを探すほうが難しいくらいだ。 やけどの痕もある。 ……前、手当てしたときはここまでひどくはなかった。 この一週間で何があったんだ。

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