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第13話

悪いと思いながらもすべて服を脱がし、怪我の確認をする。 普段は上半身しか見ないから気づかなかったが下半身もアザやら傷痕が多い。 あとなぜが尻も赤く腫れている。 そっと薬を塗っていく。 尻を触れば大げさなまでに体がはねて逃げようと暴れだす。 「悠介、大丈夫だって。 傷悪化するから暴れんなって。」 押さえつけて手早く薬を塗っていく。 手当てが終わる頃には完全にぐったりと全身の力が抜けている。 「よしよし、悠介終わったからな。 えーっと、服は……」 悠介が来ていた服はボロボロで汚れていたので俺の服を着せ、そのまま布団に寝かせる。 すぅすぅと寝息を立てながら眠る悠介の頭を撫でる。 ……何があったなんて聞けるような関係じゃない。 それを聞いてしまえば今の関係は壊れて悠介はもう二度とこないだろ。 知りたいが知れば悠介はいなくなるだろう。 「……どうすればいいのかねぇ。」 はーっと息を吐きながら天井を見つめる。 ……いや、そもそもなんで悠介がいなくなることを寂しいみたいな感じで考え…… ……ま、悩んでも仕方ない。 悠介の怪我を治すのが先だ。 「うっし。」 頬を叩きとりあえず悠介の服を洗濯するかと動き出す。 「……ん?」 悠介のズボンのポケットに何か入っている。 ……?薄っぺらい、財布か? こっそりと中を見てみる。 ポイントカードや少しのお金あとは…… 「学生証? ……悠介の顔載ってるし悠介のやつだよな えーっと……高校二年生………… 高校生!?二年ってことは、えー…………」 十六か十七歳 「……おいおい、マジかよ…… 俺、未成年相手に……」 うめきながらただただ頭を抱えんこんだ。

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