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第17話

「くあぁぁぁ……」 朝六時。 いつもどおりの時間に目覚める。 悠介はまだ寝ているようなのでこっそりとベッドから這い出る。 休みの日ぐらいゆっくり寝りゃーいいのにねぇと毎回思ってしまう。 習慣ってのは怖いねぇ。 顔を洗って目を覚めしてからいつもどおりのルーティンで動いていく。 悠介も多分朝飯食べるだろうしパンもあるしサンドウイッチを作るか…… 若いヤツは洋食の方がいいのか? でも俺、今日は味噌汁の気分だな…… うーんと頭を悩ませていると、 「おはよう、ございます……」 と寝ぼけなまこの悠介がやってくる。 「おお、おはよう。 悪い、起こしたか?」 「……いや、大丈夫。 いつもこのぐらいの時間に起きてるから……」 ほぼ目があいてない状態で言っている。 ……目が覚めてない状態でどっかぶつけたりしたら怪我悪化するじゃねーか。 「悠介、危ねえからそこらへん座ってろ。 朝飯、食べるだろ?洋食と和食どっちがいい?」 「…………和食。」 カクンカクンと揺れてはいるが眠っているわけではない、らしい。 気を取り直して朝飯を作っていく。 目玉焼きにウィンナー焼いて…… 味噌汁は豆腐と薄揚げとわかめ入れて…… ……よし。 「悠介ー朝飯出来たぞー、起きろー!」 今だに眠そうながら必死に目を覚まそうとしている顔が面白い。 「あっはっは!顔すげぇことなってる。 変顔しすぎだろ!」 「……大丈夫、起きてる。」 何とか目を覚ました悠介と朝飯を食べる。 「……!うまっ。」 「お、そうか良かった。 味噌汁ちょっと濃いかなって思ったけど。」 「おれ、これぐらいが好き、かも。 ……温かい食事うまいな。」 「そうか。 ……味噌汁おかわりあるから欲しかったらいってく、」 「いただきます」 「はえぇな!?」 本当にうまそうに食べてくれる。 作り手冥利に尽きるってもんだ。 ……少し気になるのは箸の持ち方、か。 正しいように見えるが間違っているようにも見える。 子供のような持ち方。 ……昔よく見た持ち方だ。 こういうやつは大抵…… 「……どうかした?」 「ん?ああ、いや、 いい食べっぷりだなって思って。 作ったかいがあるってもんだ。」 不思議そうな顔をしながら食事を再開する悠介を見る。 「…………」

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