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第25話

「うおぉぉりゃぁぁぁ!」 ゴンっと鈍い音と共に父親の体が崩れる。 「すんません! 悠介大丈夫か!?逃げるぞ!」 あの人が駆け寄ってきてくれる。 おれの腕を掴んで走り出す。 「までぇぇぇ、な、なにしてんだぁぁぁ!」 「悠介!振り返んなよ! とりあえず走れ!」 足がもつれて上手く走れないけど引っ張られるままに必死に走る。 家から離れた所であの人が止まり、しゃがみこむ。 「こえぇぇよ!お前の親父ゾンビかよ! はー、三十近いおっさんにはキツい! 大丈夫だったか?怪我とかしてねぇか?」 ぜぇぜぇ息をしながらおれのことを心配してくる。 「だ、大丈夫。 もっと先まで逃げた方がいいんじゃ……」 「いや、それは大丈夫だろ。 警察呼んでるし多分もう来るはずだ。」 「!?いつの間に!?」 おれが驚いた声を出せばあの人がふはっと笑う。 「俺が電話するって言った時に警察に連絡してたんだよ。 最近、この家の人が最近暴れてて怖くて確認して欲しいってな。 確認に来ると思うしそのままお前も父親も保護なり何なりしてもらえんだろ。」 用意周到過ぎないか……!? 「で、書き置きと大切なもん取ってこれたか?」 「え?あ、うん。 ……ありがとう、ございます。」 「そっか、そりゃ良かった。」 あの人が立ち上がり、 「よし、そろそろ警察来てるだろうし戻るか。 ……ああ、そうだ悠介。 警察には俺のことさっき初めて会った人って言ってくれ。 間違っても知り合いなんて言うなよ。 ……ここから先、俺たちは他人だ。」 …………は?

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