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第43話 恋は盲目

 八代クンと三人で飲んだ時は、正嗣の交際相手が俺に似ている人ばかりだったんだと聞かされて、嬉しい気持ちになった。  けれどそこからそう日は経っていないのに、今は、正嗣と交際したことのある人がいるんだと思うと、少し胸の辺りがチリチリと痛んだ。 「あっ……ン、正嗣」  それは、好きが増したってことだ。 「あっ、あぁっ、指、気持ち、い、ンっ……ンンっ」  この唇にキスをされたことのある人が他にいるんだと、この指に、してもらったことのある人が、どこかにいるんだと思うと、妬ましく思ってしまう。 「あぁぁっ」 「最上さんの中、熱い」 「あ、あ、あっ」  これを、ヤキモチという。 「あ、だって……ン」  口を開くと、舌を差し込まれた。中がまるで言いたかったことを伝えるように、指に絡み付いて、きゅぅんと締め付けてしまう。 「あぁぁ!」 「はぁ……すご……」 「あ、あ、あ、あっ、そこ、ダメっ」 「前立腺、好き?」 「ん、好き」  甘く啼きながら、背中をホテルの窓ガラスに預けるように座って、足を大胆に開いてる。プールから上がって、部屋に行くと、隣接している遊園地の観覧車がライトアップされていた。チェックインの後、部屋に入った時もそれは気がついていたけれど、すぐにレストランに食事をしに行ってしまったから、ちゃんとは見てなかったんだ。  幾重にも張り巡らされた観覧車の骨組みに沿って灯るカラフルな明かり。それがずっと見ていて欲しいと言わんばかりに色を変え、模様を作り、光がまるで走っているかのように点滅を繰り返す。 「そこ、すごく、気持ち、い」  その観覧車を背に、大胆に足を開いて、指で孔を、中を、してもらっている。正嗣の、指に。 「でもっ……ぁ、ン」 「でも?」 「正嗣の指だから、もっと、そこ、されるの、好き……」  自分の指でするよりもずっとずっと気持ちいいんだ。 「あっ……ン」  ずっとずっと蕩けてしまうんだ。 「最上さん、それ、やばい」 「んっ……」  脚を開いたまま、はしたない格好のまま、充分にとろとろに解された孔をヒクつかせながら、たどたどしく、舌を絡めていく。 「んっ!」  キスをしながら、乳首をキュッと摘まれて、甘く喘いだ。 「ん……ぅ、ン」  抓られて気持ち良くて硬くなった乳首を今度は親指に押し潰されて、鼻にかかった甘えたな吐息が溢れる。 「ぁ、ふ……っ」  中、欲しい。 「あ、あ……ン」  ねだるように、一生懸命に正嗣の舌にしゃぶりついた。 「待ってて」 「ん、んっ」  キスしながら、乳首をいじられながら、ヒクつく孔に悶えながらじゃ、待ってられなくて。 「ん、手伝う」  恐る恐る手を伸ばした。 「あっ……」  太くて硬い、正嗣のペニスにゴムをつけるのを手伝おうと。  けれど、上手にできなくて、クルクルとゴムを下まで届かせられなくて、まごついていたら。 「可愛い」 「んっ」 「ゴムつけるの下手で」  舌が深く差し込まれた。そしてその不器用に正嗣のペニスを触っていた指ごと握り締められ、ゴムを根元付近まで下げてくれた。 「手伝ってくれてありがとうございます」 「あっ」 「最上さんの手つき、やばい」  触られただけでイキそうだったって、笑って、また一つ、今度は触れるだけのキスをする。恥ずかしいことに俺は、また深いキスなんだと思って、口を開けてしまって、でも、触れるだけのキスだったから、なんだか、すごく恥ずかしくて。  俺は多分、居た堪れないって顔をしたんだろう。正嗣が笑って、深く、舌を絡めるキスをくれた。 「今、挿れてあげますね」 「あ、あっ……」  正嗣が挿れてくれるのを。早くって焦がれながら、舌にしゃぶりついて。 「あ、あ、あっ……」  太くて硬いのが孔に触れただけで、震えるほど感じて。 「あ、また、挿れられるだけで、イッちゃう」 「っ」 「あ、あ、あ、あっ、あああああああ!」  ピュクって。太くて硬くて、熱の塊みたいなペニスに孔を抉じ開けられた瞬間、達してた。 「あ、あっ」 「最上さん」 「あっ……ン」  さっき抓られて硬く敏感になった乳首に届くくらい、たくさん白が腹の上に飛んだ。 「あ、正嗣っ」 「……」  気持ちいい。 「最上さん」 「あっ……ん」  背後では観覧車がきっと今もクルクルと色を変え、見ていて欲しいと点灯している。 「あっ……ン」 「動くね」 「やぁっ……ん」  けれど正嗣が見つめてるのは観覧車じゃなくて、俺なのが嬉しくて。 「中、すごい、気持ち、い」 「あ、あ、あ、正嗣の、大きいの」  見て見てとキラキラ輝く、観覧車じゃなくて、俺を見つめてくれるのが嬉しくて。 「もっと、奥、来て」  もっと大胆に脚を広げた。ずっぷりと咥え込んだ孔をキュンキュン締め付けながら、逞しく引き締まった正嗣の腰に手を伸ばして、腹筋をなぞるように指先で触れる。 「っ、最上さんっ」 「あ、あ、ああああっ、あ、あンっ」  また、イっちゃう。 「あ、そこっダメ」 「っ」  気持ち良くて、イっちゃう。 「あ、あ、あっ」  鷲掴みにされた腰をくねらせて、深くまで正嗣のペニスを咥えて。 「あ、正嗣っ」 「俺も」 「ん、ぁ、ンっ」     もっと奥まで来て欲しいと大胆に開いたまま、暴れるように突いてくれる腰に脚を絡ませて。 「あっン、正嗣っ」  腕を絡めて、舌を。 「ンっ……んっ」  全部でしがみついてしゃぶりつきながら。 「ん、ンン、ン、んんんんんんんっんっ」  背後で輝く観覧車の明かりに照らされながら、二人で長く長く抱き合って、夜を過ごした。 

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