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ハメ!撮り!編 4 気持ちいい「からだ」

 ソウが大胆にすると画面の向こうですごく喜ばれたっけ。  喜ばれるとすごく気持ち良くて、どんどん、もっと大胆にって。  そしたらまた喜ばれて。 「あっ……ぁっ、や、挿ってく、とこ、撮られるの、恥ずかし、ぃっ」 「荘司」  行為は似てるのに。同じようなことをしているのに。 「あ、あ、あ」  いやらしいことをして、興奮して、後でそれを見てさ。また興奮の材料にする。そのために撮ってた。 「あっ」 「荘司、っ」 「あ、あああああああ!」  もっと大胆なことをたくさんしてたのに。カメラに向かって身体を開いて、いやらしい喘ぎ声を部屋に響かせて。  なのに、これはすごく恥ずかしくて仕方がない。もっともっと画面に向けて誘惑するような仕草をして、あからさまな甘ったるい声をあげて啼いてたのに。 「っ、荘司」 「あ、あ、ン」 「顔、真っ赤」 「あっ」 「恥ずかしそうにしてるの、可愛いです」 「可愛くなんて、やぁぁン」  あるわけないだろ。可愛いわけが。  あの時は高校生だぞ? 今はただの市役所職員。ただのサラリーマンだ。可愛いのは断然「ソウ」に決まってるのに。 「可愛いです。めちゃくちゃ」 「あっ、ン」  腰をクンって突き上げられて、甘い悲鳴が溢れた。  だって、恥ずかしくてたまらないんだ。 「荘司……」 「あ、待っ、挿ってるとこ、撮ったら、や、だっ」  繋がってる場所にカメラを向けられて、咄嗟に手を翳してそのカメラの視線を遮ろうとしたら、手を掴まれて、指先を絡ませるようにしながらベッドに押し付けられた。 「あっ」 「いや? でも、中がキュンキュンしてる」 「あ、これ、はっ」 「嬉しそう。これだけで俺、イケそうなくらい」  繋がったまま背中を丸めた正嗣が胸にキスをくれただけで、中がぎゅっと正嗣のペニスにしがみつくのを感じた。  気持ち良くて、恥ずかしくて、ゾクゾクするのが止まらない。だって、全然違うんだ。 「ね、荘司、俺、すっごいたくさんソウさんの動画見てたんです」 「あ、ン」  ほら、中がまたぎゅぅって。 「貴方の配信で何度もヌいた」 「やぁっン」 「可愛くて、でもすっごいいやらしくて」 「あ、そこっだめっ、そこは、ぁっ」 「ホント、めちゃくちゃたくさん見てたから、わかっちゃうんだ」  見下ろすようにベッドに片手をついた正嗣がじっとカメラを俺に向けた。 「今の荘司はあの時のソウさんと全然違う」 「ン……だって」  そっと、そーっとそのカメラを見つめる。照れ臭くて、恥ずかしくて、くすぐったくて、蒸発しちゃいそうなくらい頬が熱いけれど、じっとカメラを見つめた。  ――やらしいソウ君、最高! 「これは」  ――もう何発でもヌけちゃう!  全然あの時の動画とは違うんだ。 「荘司……」 「あっ」 「めちゃくちゃ可愛い」 「あぁ、あ、正嗣っ」  ここに映ってるのは愛されてる俺だから。 「あ、あ、あ、ン」 「っ」  奥を突かれて、蕩けた声をあげる。浅いところまで抜かれて、待ってって吸い付いて。また奥を突かれて、気持ち良さそうに前からトロリと雫が溢れる。  ソウのほうが絶対に今よりは可愛いに決まってる。男臭さなんてないし、若くて、あどけない身体で。なのに、今の方がもしも正嗣に可愛く見えてるのだとしたら。 「あ、あ、そこ、イッちゃう」  ――ここ、突くとイッちゃうよぅ。 「あ、ダメっ、あぁぁ」  ――あ、イクイク、らめぇ。 「あぁっ……あ、あああああああ!」  ――やぁン、あン、あ、イクイク、やああああああん! 「あっああっ!」 「っ荘司」 「ぁ……あっ」  ――はぁ……ン。気持ちよかったぁ。 「あ、正嗣、まだ」  ――もっと欲しくなっちゃう。 「もっと、欲し」 「荘司」 「ン」  今の方が、もしも、君から見て可愛いのならそれは。 「正嗣」  愛されてるからだ。 「ン……」  君に愛されてるから、可愛く見えるんだと……思うんだ。 「世界中のソウファンに恨まれそう。こんなハメ撮り……ヤバい。あ、ここすっごい可愛い」 「まだ見てるのか? 明日も仕事なんだからな。それに、いるわけないだろ、そんなファンなんてもの」  またさっき撮った動画を見てるらしい。もう眠る時間だって言ってるのに。ベッドの中で何度目かの再生をしている正嗣の腕の中で目を閉じたまま話してた。 「寝る前にスマホの画面見るのはよくないんだぞ? 知ってるか? 画面から出てる光線が脳には刺激的すぎるから、眠りにくくなるんだ」 「まぁ……確かに刺激的ですけど」 「ほら、もう寝るぞ」 「それにめちゃくちゃいますから、ソウファン」 「そんな物好きはいない」 「いーまーす」 「いーなーい」  大事そうにスマホを握り締めて、せっかく買った大きめのベッドの中、シングルのベッドでも充分事足りそうなくらいぎゅっと俺を抱き締めてる。 「いても、一人でいい」  これならどうだ。苦しいだろうって、俺もお返しとばかりにぎゅううっと抱き締めてその懐に潜り込むように胸に額を擦り付けた。 「正嗣一人でいい」 「……」  これならあったかくて眠くなるだろ? ほら、な……。 「俺も、そう思います」  もう寝る時間だ。寝て、起きたら仕事だ。そして、来週からは三日間、君はセミナーがあって、俺は市役所で一人で。  少し寂しいけれど。 「貴方のファンは俺一人でいい」  その動画で我慢しよう。あ…………でも、寝る前にスマホの画面はよくないんだった。  困ったな。 「荘司……」  すごく困った。  寝る前、いつも一緒に眠っている正嗣がいないことに寂しくなって、絶対にその動画を見るだろうに、見たら眠れなくなってしまう。  三日間もそれでは、仕事が。 「貴方の一番のファンです」  滞ってしまう。でも、大好きな君と離れ離れはとても寂しいから……すごく。 「おやすみなさい、荘司」  君のおやすみなさいが聞けないのも、とても気持ちいい腕の中も、三日間もそれがないのは、すごく、すごく、寂しくて、きっと……俺は……。 「おや……す……み」  俺は。

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