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8月7日(金)_2
星ちゃんが適当に食べ物を作ってくれて、俺はそれを食べた。
その後、湖畔のベンチに座って、あのヘッドホンを付けて音楽を聴く。
星ちゃんは渉と博と買い物に行った。
カップルの買い物に付き合うなんて…星ちゃんはやっぱり違うんだな…
ヘッドホンで何度も繰り返して聞いている。
愛のあいさつ…
一人よがりに心を寄り添わせた自分を笑う様に、何度も聴く…
肩が震えて、タイムラグのある涙が落ちてくる。
ダサいな…俺って…
本当に、恥ずかしいやつだ…
こんなんだから…誰にも相手にされないのかな…
バイオリンが弾きたいよ…
気持ちを静める様に、エアバイオリンをする。
立ち上がって、目を瞑って、弦を握って指を置いて…
ゆっくりと弓を構えて、弦に置く。
涙がこみあげてきて、姿勢が崩れるから…
何度も何度も構え直して…
頭の中で弦に弓をあてて弾く。
「あぁ…綺麗だ…やっぱり俺は上手だ…」
こんなに美しく、音を出すことが出来るのは…全てを犠牲にしてきた結果だ。
そうでも思わないと…やっていられない。
友達とも遊べない小学生時代…
土日もレッスンで潰れて、少しでも意に沿わないと軽蔑した視線を送ってくる両親に耐えて…ここまで生きて来たじゃないか…何を今更、愛してほしいなんて。
バカみたいだ…
こんなに強く生きて来たんだから、もう少し頑張ろう…
「何を弾いたの…北斗。」
後ろから声を掛けられて、弓を弦からゆっくりと離して振り返る。
見た事のある顔…
どうしてここに居るんだろう。
「愛のあいさつを弾いた。」
笑ってそう言うと、彼は俺に言った。
「やっぱりお前は美しい…」
理久(りく)は俺のバイオリンの先生だった人。
小1~小4まで理久にレッスンをしてもらっていた…
俺が小4の時に、突然、海外に行くと言って居なくなった…放蕩のバイオリニスト。
俺はエアバイオリンを顎から外すと彼に微笑んで言った。
「やっぱりお前は神出鬼没だな…」
そのままベンチに一緒に座って、湖を眺めた。
理久はお洒落で、弾く曲調もお洒落なんだ…なんて言うか、センスを感じる独創的な人だ。もちろん俺より年上なんだけど、レッスンの時も、そうでない時も、ため口で話しやすかった…だから、居なくなったと聞いて、それなりに寂しかった…
でも、それがこの人なんだろうな…
話す内容が哲学的で難解で、ほぼ聞き流していた…
だって小学生に哲学なんて…理解できないだろ?
変な人なんだ…
「どうしてこんなところで会うんだろうね…」
俺が笑って聞くと、彼は言った。運命だと…
それだけで、お腹が痛くなるくらいに笑える…
悲しみに暮れた気分が少し和らいでくる。
「どうして突然居なくなったの?」
どうせ、またおかしなことを言うんだ…
「北斗に恋をしたからだ…」
止めてくれよ…どうしたらそんな事が思いつくの?
頬っぺたが痛くなって、笑いすぎて息が上がる。
「軽井沢でソロキャンプでもして、自分探しとかしてるの?」
ふざけて俺が聞くと、俺の顔をじっと見つめて言った。
「お嬢様にバイオリンのレッスンをしている。」
こんな時代にお嬢様ね…
さぞかし麗しいのだろう…
「理久が言うと全てファンタジーに聞こえるのはどうしてだろう…」
夕焼けに染まり始めた空を見て、呟くと、彼は言った。
「人は欲しい言葉しか受け取らない…俺の言葉がファンタジーに聞こえるのは、お前がそう思いたいからなんだ。」
そうか…受け取り手の問題なんだな…
「理久、また会えるかな…お前に会えてうれしいよ。」
俺はベンチを立って、彼に聞いた。
彼は俺にバイオリンを渡した。
「それをお前に預ける、だからまた会える。」
どういう理屈だよ…
「このバイオリンはお前のだろ?そんな物を人に預けてはいけない。それに、俺はここに一か月しかいない。会えなかったら、このバイオリンはどうするんだよ。」
俺は彼の命の様なバイオリンを預かることを躊躇した。
これは高価なバイオリンだ…もし万が一があったら…俺は弁償できない。
「もし、会えなかったら…会えるその時までお前に預けよう…」
荷が重いわ…
ケースを抱いて、重さを感じて、中を見たくなる。
「見ても良い?」
俺が聞くと、彼は笑って言った。
「弾いて…聴かせてくれ。」
俺はバイオリンのケースを開けて中からあめ色に輝くバイオリンを取り出した。
「うわぁ…綺麗だ…」
久しぶりのバイオリンが、嬉しくて笑顔がこぼれる。
夕陽にあめ色が光って、輝いて見える。
弓を絞めると、手に取って美しく構える。
「何を弾こうか…」
俺が尋ねると、理久が言った。
「美しきロスマリン…」
悪くない。
俺は姿勢を正して、澄ました顔で美しきロスマリンを弾く。
あぁ…美しい音色だ…
弓の引っ掛かりに癖を感じて、気を付けながら美しく弾く。
弾き終わって、ゆっくりと弓を離す。
「北斗…一段と美しくなったね…」
理久はうっとりとした表情で、俺に拍手をくれる。
褒めてもらってる…んだよな…?
「ありがとう。でも、この高価なバイオリンは預かれない。」
そう言って、ケースにしまって、理久を見ると、彼はもう遠くの方に歩いて行ってしまっていた…
なんて奴だ…
子供の頃と変わらない放蕩ぶりにおかしくて、笑える。
「北斗~?今バイオリン弾いてた?」
遠くで星ちゃんが俺を呼んでいる。
俺はバイオリンケースを抱えると、思い出し笑いしながら星ちゃんの元に行った。
「で…それ、幾らするの?」
「多分…400万とか」
俺がバイオリンの値段を言うと、博が怖がって逃げる。
星ちゃんは理久に会った事があるから、すぐに理解してくれたが…本当に良く分からない人なんだ…
「大事に保管しないとね…」
星ちゃんまで怖がって離れていく。
俺はケースからバイオリンを取り出すとみんなに見せびらかした。
「どうだ~400万だぞ?」
そう言って弓を取り出すと、俺は玄関に向かった。
「北斗、何処に行くの?」
星ちゃんが俺に声を掛けるから、俺は言った。
「ネッシーに聴かせてみる~」
そう言って靴を履いて外に出る。
真っ暗とは言わないけど、それなりに暗い夜の湖…
曇っているせいか、今日は星が望めない…
そんな悲しい気持ちを込めて、チャイコフスキーの弦楽セレナードを弾く。
気持ちいい…何て美しい音色だろう…
夢中になって弦を擦って音を出す。
この音は最高に良い…
堪らない…
もっと弾きたい…あの曲はどうだろう…
何回も、何回も、心行くまま湖のネッシーが怒る位、弾いて楽しむ。
「北斗…本当に…お前はそうしてる時が一番楽しそうだ…」
星ちゃんが俺の真後ろに来てそう言う。
「綺麗な音だね…」
そうなんだ…堪らなくて…止められない。
「でも、ご飯が出来たよ?」
笑いながらそう言うと、弓を持つ手をそっと握られて、俺はやっとバイオリンから弓を離した。
「聴いた?この音…信じられないくらい透明感があって…堪らない。」
星ちゃんを見てそう言うと、俺は目から涙を流した。
「星ちゃん…あんなに嫌がったバイオリンが弾けて…嬉しくて泣くなんて…おかしいかな…洗脳されちゃったのかな?」
俺がそう言うと、星ちゃんは何も言わず、俺の肩を抱いて抱きしめてくれた。
室内に戻って、バイオリンをケースに戻す。
そして、俺と星ちゃんの寝室に置きに行く。
信用していない訳じゃないけど…隠すように置いて、キッチンに向かう。
「北斗がバイオリンを手に入れた。みんな耳栓を買う事をお勧めする。」
渉がそう言って警戒注意報を出す。
そんなに弾かないよ…
「人のだから…そんなに弾きませんよ…」
俺はそう言って席に着く。
そう、いつもの星ちゃんの隣に座る。
「いただきます~」
星ちゃんとカップルは美味しそうなハンバーグを作った。
俺が昼に食べ損ねたやつと比べると、形はおかしかったが、とても美味しかった。
「さすが、博さんです。とても美味しいです。今夜は控えめにお願いしたいです。」
そう言って、博と渉を見る。
彼らは俺の嫌味に、意を決した様に席を立つとみんなに言った。
「ちょっと良いかな?もう、みんな知ってると思うけど…実は俺たちはそういう関係になってしまった…きっかけはどうあれ、そう言う事で…その、迷惑をかけるかもしれないけど、控えるから、どうか温かい目で見てくれないか?」
俺はばつが悪くなって星ちゃんの腕にしがみ付いた。
俺ってば、意地悪ばあさんみたいだ。
「それって、良かった事だよね?何となく、とかじゃなくて…だったら、おめでとうだよ!」
そう言って、拍手をする歩を嘘くさいと思うのは、俺だけかな…
春ちゃんがおめでと~と言って拍手をするから、俺も星ちゃんと拍手を送る。
良かったね…好きな人と結ばれて…
本当に羨ましいよ…
俺には出来ない事だから、嫉妬しそうだけど…それじゃ歩と同じになるから、俺は心から喜べるように、努力するよ。
ご飯を食べながら今日一日の出来事をお互いに報告し合う。
俺は特に報告することも無いので、バイオリンを預かった事だけ伝える。
「星ちゃん、お肉もっと食べたいよ。」
俺がそう言うと、星ちゃんは残ったハンバーグをくれた。
こんなに沢山貰っても、疑問を抱かないで食べるよ。
皆さん、この優しさは友情からくるものなんです…
泣けるね。
俺はいじけてなんかいない…
「北斗、俺の分も食べるか?」
春ちゃんがそう言って、俺にハンバーグを差し出すから、俺は遠慮なく口を開けて食べる。
「美味しい?」
そう聞いて来るから、言ってあげる。
「春ちゃんのハンバーグ、美味しいよ~」
そう言って笑って、春ちゃんの視線を頂く。
ごめんね、歩。
俺、お前のことが嫌いみたいだ…
あの女とよく似てるお前が嫌いなんだ…
まもちゃん…
彼を思い出して、記憶から消す。
「なぁんか…北斗、僕に怒ってるよね…」
そう言って苦笑いするから、俺は歩に言った。
「怒ってないよ。俺は何でも自分の思い通りにするだけだよ…」
そう、何でも、自分の、思い通りにね…
「星ちゃん、アイス食べよう?」
そう言って星ちゃんの隣に座ると、持ってきたアイスの袋を開ける。
食後はやっぱり、アイスだよね。
いつも読んでるこの本は、何の本なのかな…
星ちゃんと一緒に本の中身を見てみる…
頭が痛くなるような難しい言い回しが沢山書いてあって、少し見ただけでげんなりしてくる。
「それ、楽しいの?」
俺がアイスをかじりながら聞くと、星ちゃんは口を開けて言った。
「あんまり楽しくない。」
やっぱりね。
星ちゃんの膝に跨って座って、正面からアイスを星ちゃんの口に運んで食べさせてあげる。
口端にアイスが付いたから、屈んでペロリと舐めてあげる。
でも、これは友情だから。
星ちゃんの肩にしなだれて、楽しくない本を一緒に見ても、友情だから。
彼の首の匂いを嗅いで、耳たぶにキスするのも友情だから。
「北斗は恥ずかしくないの?」
歩が俺達の正面に座って俺に聞いて来る。
恥ずかしい?大人の男にマジ惚れした事が?
恥ずかしいよ…馬鹿みたいだ。
「別に…星ちゃんは恥ずかしいの?」
目の前の星ちゃんに視線を向けて、少し笑いながら聞いて見る。
「別に…」
彼もそう言った。
これは友情だから。
「歩もしてみたら?少しは嫌味が減るんじゃない?んふふ。」
俺はそう言って、体を捩って歩を見た。
彼はあの女みたいに憮然とした顔になって、俺に言う。
「北斗さ、僕に攻撃的だよね。どうして?」
俺は体を戻して、星ちゃんの顔を指先で撫でながら、彼に言った。
「自分の胸に聞いてみろよ~おたんこなすぅ~」
そこに春ちゃんがやってきて、俺の髪を撫でる。
「春ちゃん、俺に触らないで。歩が嫉妬してきて辛いんだ。つらく当たられて、もう、うんざりしてる…やめて…触らないで。」
馬鹿な男にそうハッキリと言ってやった。
俺がそう言うと、春ちゃんは驚いた顔をした後、俺を後ろから抱きしめる。
え?なんで?
星ちゃんの頬っぺたを撫でる俺の顔の横に顔を付けて、頬にキスすると、まるで歩に見せつけるみたいに、俺の顔を上げて唇を舐めてキスしてくる。
「ん…んぁ…春ちゃん…星ちゃんが怖くないの?」
本人の目の前でそう春ちゃんに聞く。
彼は固まりながら言った。
「めっちゃ怖い。」
ウケる。
怖いのに、性欲に勝てないんだ…
顔を戻して星ちゃんの頬っぺたをまた撫でる。
星ちゃんは俺の後ろに居る春ちゃんを見てる。
じっと春ちゃんを見つめる目の奥が燃えていて、怒ってるみたいに見える…
でも、これも友情なんだ…
そのまま彼の肩に顔を沈めてアイスを食べる。
ちょっとアイスを星ちゃんに落としても、知らん顔して食べ続ける。
「北斗ってやな女みたいに感じ悪いね。」
そう言って歩が春ちゃんとリビングから立ち去るから、俺は星ちゃんに言った。
「ブーメランだ…」
その言葉、お前にそのまま返すよ。だって、お前の方が感じが悪いもん…
星ちゃんにベタベタして、一切を忘れて目を瞑る。
「理久はお嬢様のレッスンに来たんだって…そう言ってた。」
俺は目を瞑りながら、独り言みたいに呟いた。
「軽井沢のお嬢様…なんて、きっと綺麗な人なのかな…星ちゃんはお嬢様と、ギャル系だったらどっちがタイプ?」
糞つまんない事を聞いて、星ちゃんの返事を待つ。
「お嬢様かな~」
そうなんだ…
「じゃあ、ショートヘアとロングヘア、どっちがタイプ?」
続けてつまらない質問を彼に投げかける。
「…ショートヘアの似合う子。」
俺はクスクス笑って星ちゃんの顔を覗くと言ってやった。
「それって、俺じゃん。」
俺が女だったら、星ちゃんはメロメロかな…
「北斗はお嬢様じゃないじゃん…」
そう言って笑うから、俺は言った。
「俺はお嬢様よりも気品のある顔をしているよ?」
そうして澄ました顔をすると、星ちゃんは笑って言った。
「確かに…北斗は綺麗だね。」
無駄に整った顔をしている。
「好き?」
そう言って彼の顔を覗き込む。
「うん、好きだよ。」
そう言って俺を見て微笑む。
それでも…友情なんだって。
堪んないよ…
俺は星ちゃんの顔を両手で包むと、本から自分に視線を向けさせた。
体を少し屈めて、彼の顔の近くまで近づける。
星ちゃんの息がかかって、目の虹彩が見える。
まつ毛を見て、虹彩を眺める。
そのまま彼の唇に舌を這わせてこじ開ける。
目を見つめたまま、彼の口の中に舌を入れて、彼の舌を舐める。
腰を緩く動かして、息が荒くなる。
堪らなくなって目を瞑ってキスを熱心にする。
このまま擦って、イカせてよ…
気持ち良くなった俺のモノはガン勃ちして、存在感を出している。
「北斗、抜いてあげる。」
惚けて星ちゃんを見ながら腰を動かしていると、彼が言った。
俺は頷いて、彼に勃起した自分のモノを見せる。
星ちゃんは俺のモノを手で包んで、ゆっくり扱き始める。
俺は自分の服をまくって口に咥えて、喘ぎ声を抑えながら気持ちよくなる。
体が仰け反って、腰が震える。
目の前の星ちゃんは、それなりに興奮してるけど、それは俺が綺麗で可愛いからだ…
好きとか…愛とか…そんなんじゃなく、これは友情なんだ。
「んん…!はぁっ!イッちゃう…星ちゃん、イッちゃう…」
小さく呻いて、彼に限界を伝える。
気持ちいい…空しいけど、体はそんなの関係ないんだ。
触られれば勃起するし、扱かれればイクんだ…
誰にやられても、そうなんだ…
そう…誰にやられても…同じなんだ!
「あっああ…!!」
俺は星ちゃんに扱いて貰って、イッた…
そのまま惚けて彼の体に沈みこんで行く。
息が荒い俺とは別に、静かに呼吸する星ちゃんの体に身を任せて、
もうどうでもいいや、と、この状況を受け入れた…
受け入れるしか、無かった。
風呂に入って、星ちゃんの眠るベッドに横になる。
昨日の今日だからか…隣の部屋は静かだった。
何となく、星ちゃんの足を手のひらで撫でる。
そのまま手を滑らせて彼のモノを撫でる。
寝てるんだろ?
彼のモノを握って緩く扱いてみる。
寝ているのに勃起し始める星ちゃんのモノを、いやらしく手を動かして刺激する。
挿れたい…
そう思いながら、大きくて硬くなる星ちゃんのモノを扱く。
ズボンの中に手を入れて、直に触って扱くと、星ちゃんが言った。
「北斗…なんでそんなにしたがるの?」
「友達だろ?俺が抜いて貰ったんだから、星ちゃんも抜いてあげたかったの。友達だから…」
そう言って彼の顔を覗き込んで、キスをしながら手で扱いた。
気持ちいい…この後、挿れてくれたら…どんなに気持ちいいのか…
星ちゃんのモノを扱きながら、自分の股間を彼の太ももにあてて動かす。
目を瞑って、抱かれているのを想像して、酷く興奮する。
だらしなく開けた口からよだれが垂れて、気持ち良くなって喘ぎ始める。
「んん…はぁはぁ…きもちい…あぁあ、ん…はぁはぁ…きもちいね…」
星ちゃんが俺のズボンに手を入れてモノを直接触って扱くから、すぐに絶頂を迎えてしまいそうになって焦る。
「んあっ!星ちゃん…気持ちい…はぁはぁ…優しいね…俺が、またぁ、勃ったから…してくれるの?んん…はぁはぁ…やさしい…あっああ…せいちゃん…」
これは愛情とか、恋とかじゃないんだ…
一種の男の本能だ。
女の子と出来ないから…男同士で…抜き合っているだけなんだ…
「あっ…北斗、イキそう…」
そう言う星ちゃんにキスして、舌を絡めて吸ってあげる。
もっと気持ち良くなって…そのまま俺を抱いてしまえば良いのに…
彼のモノを自分の中に挿れていると思いながら扱いてあげる。
息が荒くなっていく星ちゃんの顔を見つめながら、自分も極まる。
「イッちゃう…星ちゃん、俺もイッちゃう…」
腰を震わせて、もう限界だ…
俺達は仲が良すぎて…友情が熱いんだ…
二人で一緒にイッて…俺だけ邪な気持ちを抱えたまま、彼の胸板にキスをした。
「お休み…」
そう言って目を瞑る。
星ちゃんは寝るときは仰向けなのに…起きる時、必ずうつ伏せなんだ…
面白い…
俺は彼の何でも知っている…誰よりも、知っていて…
誰よりも大事にされている…でも、これらは全て…熱すぎる友情なんだ。
意味が分からないけど…分かる努力と…受け入れる覚悟をする。
友達なんだから…もうこれ以上求めてはいけない…
そう、友達なんだから…
俺はそんな事をぼんやりと考えながら、ゆっくり瞼を落として眠った。
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