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8月30日(日)_02

ほら、やっぱり、この曲にはチェロが必要だ。 ビオラだけでは落としきれない音があるんだ…しかもそれはとても大事な音だ。 曲全体のポイントと言っても過言じゃないよ? 俺のチェロで、きっちり抑えてあげる。 だから、もっと旋律をちょうだい。 俺の為に場所を開けて、俺のチェロが踊れる旋律をちょうだい。 クライマックスを一緒にエアチェロで演奏する。 美しい旋律が俺のエアチェロを加えて高く昇って、天井に跳ね返る。 そのままハーモニーになって頭の上から叩きつけて来るんだ…。 堪らない…!! 彼らの曲をエアチェロで疑似体験して、ゆっくりと弓を外す。 目を開けて正面の理久を見上げる。 理久はじっと俺のエア演奏を見ていたみたいだ。 「北斗…弾いてみたい?」 理久が首を傾げてそう聞いて来る。 「うん…弾いてみたい。」 俺はそう答えて、まもちゃんの左腕に添えた手を下に滑らせて下ろして、彼の手の甲をそっと撫でた。 「バイオリンを出して?一曲、弾かせてあげよう。」 理久はそう言って俺にウインクした。 俺は急いで自分のバイオリンケースを膝に抱える。 「北斗?弾くの?」 まもちゃんがそう言って俺の顔を覗いて来る。 俺は今よだれが出るくらいに嬉しいんだ。 ちょっと待って。 スーツのジャケットを脱いでまもちゃんに預ける。 バイオリンと弓を持って、美しく立つ。 そして、他のクインテットのメンバーを見渡す。 彼らは驚いた顔をして俺を見返す。 「あぁ…堪んない…!」 理久の横に居る俺に、目を丸くして顔を見合わせてる他のメンバーを他所に、俺は理久に聞く。 「次は何を弾くの?」 「いいや、演目に無い曲を弾いてごらん?」 俺の耳元で理久がそう言って、俺は頭の中で選曲する。 彼らの演奏で弾いたら絶対美しくなる曲を探す。 他のクインテットのメンバーに深々とお辞儀をして、戸惑いながらもお辞儀をし返してもらう。 俺の隣にチェロを抱えて理久が座る。 バイオリンを首に挟んで、弓を美しく構えると、俺が何を弾くのか全員が注目する。 ショパンつながりで、俺の大好きなショパンのピアノ曲。ワルツ第7番嬰ハ短調をバイオリンで弾き始める。 理久は俺の主旋律に合わせてピチカートでテンポを取って、曲の雰囲気を他のメンバーに伝えてくれる。 俺はピアノのおじさんを見つめて、彼に目で伝える。 付いてきて…そして、願わくば、この曲をリードしてと。 まるでこの曲はこんな感じで弾きますよ。と伝える様に他の奏者に視線を送る。 そしてフルートのおじさんを見て、バトンタッチする様に主旋律から伴奏の旋律に回る。 美しい…! なんてこった。 打ち合わせも無いのに、俺の欲しい音が次々に来る。 指揮する様に、タイミングを合わせたい楽器の奏者を見て、目で合図する。 時に弓を掴んだ手を上下に動かして、テンポを伝えて、自分の演奏でアクセントを付けて合図をしながら弾いていく。 それは言葉の要らない、音楽でのやり取りだ。 コントラバスのベースでテンポを上げて、ワルツを弾く。 ビオラのお姉さんを見て、一緒に入り組んだ旋律を絡み合う様に演奏していく。 コントラバスのお兄さんを見て、彼にティンパニーの様なアクセントを求める。 最高だ! これが俺の聴きたかったものだ! ピアノが全体を上手に誘導して、曲の流れを崩さずリードする。 「はぁ…理久…素晴らしいクインテットだね…」 俺はそう言って、俺の傍でチェロを弾く理久を見下ろす。 理久は嬉しそうな表情で俺を見上げると、愛してるって言った。 テンポを上げて、ワルツを弾いて…一緒にこの曲をもっと豪華に美しくしていく。 「まもちゃん?聴いて…これがハーモニーだ…美しいでしょ?ねぇ…」 俺はそう言ってまもちゃんを見つめる。 彼は俺を見つめて頬を赤らめて、恍惚とした表情を浮かべる。 分かるよ。 俺も多分同じような顔をしてる筈だ… こんな一発本番で俺の意図をくみ取ってくれる優秀な音楽家たち… 堪らない…! そのまま曲を最後まで弾き終えて、俺は弓を下ろしてバイオリンを首から離す。 両手が興奮で震えて、止まらない。 拍手を沢山頂いて、丁寧にお辞儀をする。 「マエストロ…良かったよ。やっぱりお前は、最高だ…!」 そう言って理久が両手を広げて、俺の体を抱きしめる。 「理久…ありがとう…ありがとう。」 俺はそう言って、彼の胸に顔を埋める。 こんな素晴らしい体験…普通はさせてもらえないだろう。 理久が俺の先生だから、体験できた特別な事だ。 感謝してもしきれないほどに、彼のクインテットは俺の心に強く衝撃を与える演奏をしてくれた…最高の演奏だった。 理久から離れて、まもちゃんの方へヨロヨロと歩く。 すかさず、まもちゃんが立ちあがって、俺の体を引き寄せる。 「素敵だった!北斗!!」 俺を強く抱きしめて、まもちゃんがそう言った。 「まもちゃん…素敵だったろ…?あのハーモニーは一度しか出せないんだ。もう二度と聴くことは出来ないんだよ?凄いよね。これはバレエも演劇も同じだ。一発本番の物は二度と同じものを見ることも聴くことも出来ない。だからこそ、そこには価値があるんだ。」 俺はそう言って震える両手を彼に見せる。 「見て…ほら、止まんない。んふふ、凄く…感動した。」 俺はそう言ってまもちゃんに項垂れて、彼に抱きしめてもらう。 「ふふ…素晴らしい指揮だったよ。北斗。」 理久はそう言うと、クインテットの演奏を再開させる。 俺はまもちゃんと見つめ合って椅子に座ると、彼に両手を握ってもらう。 震える手を見ながら口元がニヤけてくる。 「はぁ…凄かった…」 そうため息をついて、息を整えて落ち着かせる。 こんな素晴らしい音楽家達と演奏出来た事が、単純に嬉しかった。 「まもちゃん、聴いて?凄く素敵だ…」 そう言いながらまもちゃんに旋律の中を案内する。 複雑に入り組んだ旋律…その中を泳ぐように案内する。 「あぁ…ほら、素敵なビオラだ…」 そう言って彼の目を見て微笑む。 「コントラバスの音色が変わった。素敵だ…」 まもちゃんは俺の話を、飽きもしないで頷いて聞いてくれる。 なんて素晴らしい演奏なんだ… すっかり夢見心地になる。 「あぁ…まもちゃん、素敵だね…!音がどんどん上から降って来るよ?」 今にも踊り出してしまいそうな位に興奮して、体がウズウズしてくる。 演奏が終わると、大きな拍手を会場中から浴びて、クインテット達は端に捌けていく。 俺はすかさず、理久に近付いて行ってお礼を言った。 「理久!凄い!素晴らしかったよ!!」 「北斗…はぁはぁ…愛してる…!」 また面白い事言ってる…! ビオラのお姉さんにもコントラバスのお兄さんにも、フルートのおじさんにも、ピアノのおじさんにも、敬意を込めて、お辞儀をして、無礼を詫びる。 「突然の演奏に合わせて頂いて感謝いたします。とても素晴らしかった!こんな風に合奏が出来てとても幸せです。どうも、ありがとう!」 「マエストロ…なかなか君の指揮は良かった。あの曲のあのテンポ、あの雰囲気は美しかったよ。今度一緒に演奏したいくらいだ。」 ピアノのおじさんにめっちゃ褒められる。 「君はきっと良い作曲家になる。それか指揮者だ。」 フルートのおじさんにも、素晴らしい賛辞のお言葉を頂いて、恐縮する。 「いえ、オケのコンサートマスターを目指します。」 俺がそう言うと、理久が驚いた顔をして言った。 「コンマス?意外だな。」 「あの手ごたえ…堪らないよ。一度体験したら、やめられないよ。」 俺はそう言って理久に笑うともう一度深々とをお辞儀をして言った。 「理久先生、ありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。」 「北斗…愛してるよ。」 彼のほぼ相槌のようになった愛の言葉を受け取って、俺はにっこりと微笑んだ。 そして踵を返すとまもちゃんの所へ戻る。 俺の大好きな彼の元へ戻るんだ。 テーブルに置かれたケーキを食べて、まもちゃんがコーヒーを飲むのを眺める。 「凄い演奏だった…」 俺が惚けてポツリと言うと、まもちゃんが笑って言う。 「北斗の演奏が一番すごかったよ?」 全く!贔屓目なんだから。 「俺も…あんな風になりたいな。」 彼の手を握ってそう言うと、まもちゃんは俺を見つめて言った。 「絶対なれる。それ以上になるよ。」 そう? まもちゃんがそう言うなら…なれそうな気がするよ。 ぼんやりと、自分の手を握る彼の手を眺めながら、うっとりと余韻に浸った。 まもちゃんに椅子を引いて貰って、席を立つ。 彼の腕に手を通して、バイオリンと一緒に、来た道を帰る。 「まもちゃん…本当に、素敵だったね。」 「うん…特に、北斗が…最高に素敵だった。」 車を待つ間、俺の顔を見て、まもちゃんがうっとりとそう言う。 俺は、急に恥ずかしくなって顔を伏せて笑う。 「まもちゃん…飲酒運転だよ?」 俺が小さい声で言うと、まもちゃんは言った。 「ノンアルコールだよ?」 ふふ…本当かな。 「そうか…」 俺はそう言ってクスクス笑う。 目の前に車が運ばれて、彼がドアを開けて俺を座らせる。 シートベルトを締めて、軽いキスをくれる。 やばい…めちゃめちゃ心臓がドキドキする。 あんなに毎日エッチしてる夫婦なのに… こんなにトキメクなんて…黒いシャツとベストのせいだ。 それか…恋だな。 まもちゃんが運転席に座って、ユサッと車体が動く。 「まもちゃん?」 俺は前を向いたまま彼の名前を呼ぶ。 「なぁに?」 いつもの調子で彼が返してくる。 「ありがとう…とても楽しかった。」 俺は心からそう言って、感謝の気持ちを込めて彼を見つめる。 彼は俺の目を見つめて、目を潤ませると、コクリと頷いて車を出した。 なんて素晴らしい夜だろう… 素敵な服に身を包んで、愛する人と素晴らしい演奏を聴いて…心が躍った。 最後の日に…相応しい1日だった。 明日の今頃に…俺は1人で、何をしているのかな… 彼の腕に体をもたれさせて、彼の温かさを感じながら目を瞑る。 「まもちゃん…ありがとう…」 そう言って、彼の腕に顔を埋める。 涙は出さないよ… だって、本当に悲しい時は、涙が出ないって知ってるから。 家に帰ってきて、手を繋いで一緒に二階に上がる。 「絶対、飲酒運転だよ?だって、道間違えたじゃん!」 「違うよ。ちょっと寄り道しただけだよ?」 そう言って笑いながら、まもちゃんが玄関の鍵を開ける。 靴を脱いで、バイオリンケースを床にそっと置く。 手に持ったジャケットをハンガーにかけて、外した蝶ネクタイをポケットに入れる。 俺の体を後ろからそっと抱いて、まもちゃんが静かな声で言う。 「とっても綺麗だ…」 その声がとても低くて…頭の奥に響いて揺れる。 俺は彼の左手を掴んで、自分の左手の上に乗せた。 そのまま右手で包んで…優しく撫でる。 「まもちゃん…」 彼の名前を呼んで、静かに彼の体に抱きしめられる。 「北斗…とっても美しいよ…」 まるで、声で愛撫するみたいに…彼の声が低く、優しく、そう囁く。 俺はまもちゃんに体を預けて、頭を仰け反らせて彼を仰ぎ見る。 「んふふ…ま~もちゃん!」 そう言って誤魔化す様に明るくして、両手を彼に伸ばして、頭を撫でる。 彼の目の奥がグラグラ揺れて、眉毛が苦しそうに下がっていく。 「まもちゃん…一緒にお風呂に入ろう。そして、いつもみたいに抱っこして寝て…ね?」 俺はそう言って体を翻すと、彼に抱きついて胸に頬を摺り寄せる。 温かい… 溶けてしまいそうだよ。 まもちゃんを背中に付けたまま、ベストを脱いで、水色のシャツを脱ぐ、素敵なワインレッドのズボンも脱いでいく。 「綺麗な色だった。クラシックで落ち着いてて、気に入っちゃった!」 俺はそう言ってハンガーにスーツを丁寧に掛ける。 背中の彼は、ずっと黙って俺の背中に付いて離れない。 クルッと後ろを向いて、まもちゃんを爆アゲさせてるベストのボタンを外す。 「まもちゃんはバブちゃんだね。お洋服が脱げないんだ…。」 そう、ふざけて言いながら、彼のベストのボタンを外す。 彼は俺の頬を優しく包んで、何回もキスしてくる。 ベストのボタンを外し終えて、彼の黒シャツのボタンを上から外していく。 「北斗…」 彼の低くて撫でるような囁き声が、耳の奥をくすぐって揺らす。 トロけてしまいそうだ… 彼の頬に頬ずりして、吐息を漏らして、彼を見上げる。 彼の慈しむような瞳に見つめられて、ボタンを外す手が止まる。 「護…」 グラグラ揺れる瞳で彼を見つめて、彼の名前を呟く。 俺の唇にまもちゃんの唇が触れて、温かい舌が俺の口の中に滑り込む。 腰を強く抱き寄せられて、体がしなる。 まるで映画のキスシーンみたいに…美しいフォームなのに、俺がパンツ一丁の姿なのが、笑える。 まもちゃんに熱いキスをされながら、彼の開いた胸元に手を滑り込ませて、素肌に触れる。 熱い… 俺の背中に添えられた彼の大きな手が、俺の体をしっかりと包み込んで離さない。 彼の首に両手を絡めて、熱心な彼のキスを受け取って、足で彼に絡みつく。 そのままベッドに運ばれて、ゆっくりと降ろされる。 俺の横に寝転がると、抱きしめるみたいに覆いかぶさってくる。 優しく俺の首すじを舐めて吸われて、体が跳ねる。 彼の柔らかい黒シャツの肌触りを、何度も確かめる様に、手のひらで撫でる。 静かだ… いつもの様に激しかったり、おしゃべりしたり、ふざけたりしない… 静かで強い…愛 まもちゃんの頬を撫でて、彼の瞳を見つめる。 彼は俺を見下ろして、やや乱れた髪を鬱陶しそうにかきあげる。 口元が緩んで、彼に微笑むと、彼も口元を緩ませて俺に微笑んだ。 あぁ…愛されてる… 優しく体を愛撫されて、彼の背中を強く引き寄せて抱きしめる。 いつもよりも、静かで…優しくて…熱いキスを何度も何度もする。 腰がゆるゆると動いて、彼の腰を強く掴む。 そのまま手を下げて、彼のモノをズボンの上から優しく撫でて、興奮させる。 「あぁ…」 吐息を吐きながら、俺の体に胸を落として、気持ち良さそうに俺に頬ずりをする。 俺のモノをパンツ越しに撫でて、俺の腰が快感に震えて上がる。 体が仰け反って、彼の手に愛撫されるモノがグングン熱を帯びてくる。 俺のだらしなく開いた口にキスしながら、髪を撫でて、愛おしそうに俺を見つめる。 トロけてしまいそうだ… 快感に仰け反る体に舌を這わせて、どんどん体を興奮させていく。 彼の柔らかい髪を撫でながら、口から漏れる自分の吐息に頭が痺れていく。 俺のパンツを脱がせて、勃起したモノを優しく撫でて熱心に愛撫する。 彼の腕を撫で下ろして、手のひらに触れる。 指の先で彼の指を開いて、絡ませていく。 腰が震えて仰け反って、彼の舌が俺の脇腹を掠めて吸っていく。 熱い… 俺のモノに柔らかい彼の唇が触れて、快感を予測したみたいに腰がわなないていく。 息遣いが荒くなって…口から喘ぎ声が零れていく。 彼の柔らかい髪の毛が…俺の腹にあたってくすぐったい。 俺のモノを丁寧に愛おしむ様に舐めて、熱い口の中に入れていく。 「んんっ…」 走る快感に、腰が上がって体が弓の様に仰け反る。 俺の太ももを撫でて、体全てを愛するみたいに、大きな腕で包みこんで行く。 俺の手のひらに手を滑らせて、指を絡ませて、強く握る。 トロけてしまいそうなくらいに熱くて、甘い。 快感に首を振って、口からよだれを垂らして喜ぶ。 足が震えて、筋肉が硬直したみたいに遠くへ伸びていく。 俺の背中に両手を入れて抱え込む様に、俺のモノを咥えて扱く。 「はぁっ…!らめ…イッちゃう…護、イッちゃうよ…」 そう言って彼の腕を手で退かそうとする。 彼は俺を見上げて、快感に歪む表情を見て、俺の快感を一緒に感じてる。 逃げる腰を追いかける様に食んで、逃がさない様に両手で抑える。 「あぁっ…!!らめぇ!ん、はぁあぁっああ!!」 俺は腰を震わせて彼の口の中に吐き出してイッた。 腰が震えて、頭がフワフワして、体中がトロけて脱力する。 彼は俺を見下ろして、愛おしそうに俺の髪を撫でてキスをする。 吐息が熱くて、彼の熱が俺の中に満たされていくみたいに感じて震える。 彼の指が俺の中にゆっくり入って来る。 キスしてる口端から、途切れ途切れに喘ぎ声が漏れて、彼の目がグラグラ揺れる。 見つめられた瞳に頭の思考が停止して、与えられる愛を体中で受け止める。 彼の瞳が…熱くて、怖い。 背中に両手を伸ばして、撫でながら自分に引き寄せる。 彼の指が俺の中を優しくねっとりと動いて、俺の腰が震えていちいち反応する。 唇が離れて、惚けた表情のまま、彼の頬を舐めて頬ずりする。 俺の太ももに勃起した自分のモノを擦り付けながら、俺の首筋に噛みつくようにキスをする。 顎が上がって、首が伸びる。 仰け反って開いた口から喘ぎ声がとめどなく流れていく。 俺の髪を撫でながら、快感に身もだえる俺の表情を覗き込んで、一緒に感じてる。 俺が喘ぐと、彼の口が喘ぐみたいに歪んでいく。 その口から覗く舌がいやらしくて、頭が痺れる。 俺を見つめる彼の瞳が、熱くて、甘くて、怖い… 指が増えていって、快感が増して、彼の胸に顔を埋めて喘ぐ。 彼は俺の髪を撫でて、キスしながら一緒に喘ぐ。 いつもよりもっと長く、そうして愛撫されて、体中がトロける。 俺の足の間に体を入れて、彼が俺を見下ろす。 自分のモノを扱きながら、俺を見下ろす。 その瞳が、熱くて、甘くて、怖い。 俺の中にグッと力を込めて入って来ると、彼は体を俺の方へと落としてくる。 彼のモノが入って来る快感に体中が喜んで、背中が仰け反っていく。 彼の背中に両手を這わせて、彼の肉を感じる。 快感に歪む彼の顔を見て、自分の物の様に体が感じて震える。 ゆっくりと動く彼の腰に、俺の体を撫でる彼の手のひらに、いちいち俺への愛を感じて、頭がフワフワして快感が強くなる。 体を落として密着する。 仰け反る俺の体を抱きしめて、彼の腰だけゆるゆると動いている。 彼の背中を抱きしめて、彼の首に顔を寄せて、彼の頬に頬ずりする。 次々と訪れる快感に首が仰け反る。 俺の髪を優しく撫でて、おでこを付けたまま、俺の表情をじっと見つめる。 その瞳が熱すぎて…甘すぎて…怖くなる。 俺の唇に舌を這わせて、食むようにキスをする。 息が出来ないくらい…密着して、俺の中がどんどん彼のモノで満たされていく。 「あぁ…北斗…北斗…」 彼の低い声が頭の奥まで響いて、俺の目から涙が落ちる。 彼の柔らかい髪を撫でて、抱き寄せる。 強く、抱きしめて、泣いた自分を見られない様に顔を彼に擦り付ける。 抱きしめた腕の中で彼の吐息と、小さいうめき声が聞こえる。 俺の中で彼のモノがグンと大きく暴れて、ドクドクと熱いものが溢れる。 腰を震わせて、彼が脱力して俺の胸に落ちて来る。 俺は彼の髪を指ですくって撫でながら、足で彼の体にしがみ付く。 いつの間にか脱ぎ捨てられた黒シャツを手繰り寄せて、顔の上に置いて、涙を拭く。 「ふふ…なぁにしてる?」 そう聞いて来る彼の声は、いつものまもちゃんだった。 「…匿名希望さんなの。」 彼の体の下で俺がそう言うと、彼は吹き出して笑う。 彼が笑うと俺の中で彼のモノが揺れて、腰が震える。 俺は黒シャツを顔から退かして、彼の首に両手を回す。 「まもちゃん…もっとして?」 そう言って、彼の腰に自分の腰を揺らして擦る。 「ふふ…良いよ。」 そう言った彼の声が低くて甘くて…大好きだ。 俺の首にキスして、彼はまた俺を愛してくれる。 何度も、何度も、俺が欲しがるだけ…愛をくれる。 彼の愛にトロけてしまう。 「じゃあ、次はなんて書いたでしょうか?」 シャワーを浴びながらいつもの様に文字当てクイズをする。 「ん~、ら?ら、かな~?」 「凄い!当たりだ。まもちゃんはこの大会があったら上位に入れるよ?」 俺はそう言ってまもちゃんに体を洗ってもらう。 まもちゃんは俺を見て笑いながら言う。 「そんな大会無いよ。」 あるかもしれないのに、無いなんて断言できるの? 「んふふ、じゃあ次ね?」 俺はそう言って、次の文字を彼の胸に書く。 顎を上げられて、キスを貰う。 彼のキスを貰いながら、俺は彼の体に文字を書いた。 キスをしながら、彼の口が緩んで口端から笑い声が漏れる。 「す。だ…し、ら、すって書いたの?」 唇を外して、微笑みながら俺に聞いて来るから、俺は小さくキスして言った。 「んふふ~あたり。」 いつもの様にそうしてイチャついて、シャワーを浴びて、風呂上りは、まもちゃんに体を拭いてもらう。 下着を履いて、歯を磨く。 後ろに立つまもちゃんの顔を鏡越しに見ながら、歯を磨く。 彼の大きい猫柄の長袖のTシャツを被って、ベッドに入って布団に潜る。 のそのそとまもちゃんが歩いてきて、俺の隣に寝転がる。 俺は彼の体に半分乗って、彼の顔を見つめる。 顎にキスして、彼の首に顔を埋めて甘える。 指先で彼の鎖骨を行ったり来たりする。 彼の首に鼻を付けてスンスン鳴らす。 そのままキスして、彼の首に顔を埋める。 「…まもる」 俺が小さく名前を呼ぶと、彼は俺の髪を撫でながら小さく答える。 「…ん」 呼んだだけなんだ。 だから何も言わない。 そのまま彼の体に自分の体を乗せて、ウトウトする。 明日なんて来なければいいのに… そんな気持ちが、まだ捨てられないのは…俺がガキだからだ。 彼の体を抱きしめて、彼の頬にキスして、頬ずりする。 「ふふ…北斗が甘えん坊だ。」 そう言ってまもちゃんが俺の顔を覗こうとする。 でも、俺はまもちゃんにべったりくっついているから、彼からは見えないんだ。 だから、思う存分涙を落とす。 彼の体にべったりくっついて…涙を落とすんだ。 「…まもちゃん…」 いつもならすぐ寝入る彼が、まだ起きてる。 「なぁに…」 何でもないよ…呼んだだけだから… 「…まもちゃ…」 瞼がとうとう落ちて、俺は彼に覆いかぶさったまま眠りに落ちる。 俺の髪を撫でて、体を抱きしめる、彼の両腕を感じながら、眠りに落ちた。

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