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第14話

「では、こちらの果実を頂くとしよう」 誰もが感嘆する美しい唇が、涙で濡れる俺をぱくりと咥えた。 「や、ダメですって! あまり強い刺激を与えたらもう……! ァ!」 じゅうじゅうと淫猥な音を立て、翔琉はその全てを余すことなく賞味していく。 必死で俺はそれから逃れようと腰を浮かす。余計、そのせいで俺自身は翔琉の喉奥を突いてしまう。 結果、より刺激的な快感が与えられ、強い歓喜に全身が震える。 ダ、ダメ……もう。 目の前が甘霞みする。 上目遣いにこちらを見遣るグレーの瞳に気が付いたが、気にしている余裕などもうなかった。 それから二、三度、熱雄にはっきりと浮かび上がる血道からその先端を、翔琉の唇と舌が行き来する。 「……ぅうン!」 あ、もう……もうっ! 最後、翔琉は執拗に蕩ける俺のその鈴口を舌で容赦無く攻め行く。 「ううう……っ、ふ、あああっ!」 灼熱の炎を点けられた俺の導火線は、あっという間にその場へ白濁の火花を噴き出す。 びゅくびゅくと俺の熱雄の痙攣は、いつもより長く続いている。 独りはもちろん、体調不良が長らく続き、翔琉共そういったことを一切していなかったからだろうか。 とにかく次から次へと、とめどなく特濃の果汁が勢い良く溢れ出る。 「……ふっ、ァ、ああ」 ゴクッゴクッと、それを音を立てながら翔琉は全てを取りこぼさないようにと飲み干していく。 ようやく収まった痙攣に、俺の熱雄は翔琉の口腔内からもずるりと開放される。 銀糸を引くその光景は、とても扇情的で卑猥だった。 ニッと笑った翔琉はべえと舌を出し、そこへ遺っていた俺の劣情の痕をわざと見せつける。 セクシーだ。 そう思ったが、それが自身が吐き出した欲望だと思うと、つい羞恥から顔を覆いたくなってしまう。 「――今日はとても量が多くて、濃かったな」 上機嫌に告げる翔琉に、俺はとうとう耐えられず、両手で顔を覆った。 「ご、ごめんない……」 今にも消え入りそうな声で、俺は謝罪する。 ああ、もう! 俺のバカ!! 超人気俳優の神聖なる口の中を、俺の白濁がたっぷりと奥まで穢し、飲ませてしまうなんて……。 何度経験しても、この男からの口淫は馴れない。 「否、とても甘くて美味しかった。たくさん、ココへ果汁が溜まっていたようだな」 クスクスと笑いながら、すっかり勢いを失った双珠を人差し指で軽く突いた。 「もしかして、独りでも――全然、シてなかったのか?」 包み隠さず尋ねる翔琉に、顔を赤くすることで俺はそれに答える。 「そうか。颯斗は、俺、一筋なんだな。嬉しい」 うっかりするとすぐ見蕩れてしまう美しい顔で、超人気俳優は笑む。 あ、ヤバ……。 めっちゃ翔琉がカッコイイんです、けど。 って、いつもカッコイイけど、もっと惚れてしまうというか……。 危うく破顔しそうになる顔を、俺は必死で引き締める。

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