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第27話
どくどくと俺の手の内で、翔琉のソレは大きく波打つように蠢いている。
「もう、翔琉の……おっきい」
恥ずかしそうに言ったが、俺はその熱の塊がどうしようもないくらい愛おしく感じていた。
「それはそうだろう?」
クスリと笑みを浮かべた翔琉の顔は、既に俺をお仕置きする時の意地悪モードに入っている。
「だって、ずっとお預けを喰らっていた上に、颯斗がとびきり可愛く俺に甘えてくるのだから」
冷静さを保とうと、目の前の翔琉は必死で乱れた呼吸を整えている。酷く潤んだグレーの瞳からも、かなり切羽詰まった状態であることは一目瞭然だ。
全身の血液が沸騰する音が、俺の鼓膜を煩くする。
明らかに俺の下腹部も、それにつられてずんと疼く。
俺だって……。
俺だって、本当は今すぐ翔琉と――シたい。
噛み付くようなキスから始まって、甘いキスや啄むキスをしながら、胸を弄られて。
それから、天を向いて燻っている俺の熱雄に指を絡めて、扱かれて。
散々、快感から俺の目の前にキラキラとした星が散らばってきたところで、最奥へ穿たれる翔琉の熱く、猛々しい剛直の息遣い。
めいっぱいその激情で俺の内を熱く押し拡げ、最後に解き放たれる執着の白い証。
脳裏に、その熱い情事を描くだけでもう、俺は布地の前を酷く濡らしてしまっていた。
「俺だって……」
翔琉には聞こえないような小さな声で、俺は呟く。
同時に、戸惑いながらも俺は、翔琉の熱の膨らみを手で辿る。
手の動きに呼応するように、びくんびくんと翔琉は激しく動いた。
「翔琉の立派なココ――本当にもう、俺にだけしか……反応しなくなっちゃったんですか?」
俺が尋ねると、
「――ああ、そうだ」
と、低く重厚な声が答えた。
「その代わり、颯斗のことを考えるだけで、すぐに痛いほど熱くなる」
熱を伴った俺自身がその言葉で、ぐっしょりとその根元までを濡らす。その下へ並ぶ双つの小さな果実も、きゅうと弾力を持つ。
「本当、ですか?」
とうの昔にそうであろうことを薄々は気が付いていたが、それでも俺は確認する。
言葉だけでなく、行動からも、だ。
窮屈そうな翔琉を閉じ込めている布の合わせを、首まで真っ赤にしながら俺は解放させていく。
隠された翔琉の激情を酷く湿った中から探り始めた俺は、おずおずとその指先を申し訳なそうに動かす。
浮き出た血管の、翔琉の息遣いを指先に感じ、俺の孔はとろりと蜜で濡れる。
初めてのことだった。
これも、妊娠によるΩの体調の変化なのだろうか。
どうしよう……前も後ろも、ぬるぬるだ。
さすがに恥ずかしくて、こんなこと……翔琉に知られたくない。
目をきゅうと瞑った俺に、翔琉は「で、どうだ?」と声をかける。
「本当、ですね」
平然としたふりをして見せたが、間違いなく俺は淫蕩な気持ちでいっぱいだった。
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