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第28話

「颯斗の、もうこんなにもびちょびちょだ」 先端からとめどなく流れ出る俺のそれを、手が汚れるのも構わず翔琉は上下に扱いた。 あっという間に、俺は翔琉の手の内で果てる。 どろりとその手を濡らした俺の白濁を、翔琉はわざと音を立て、ゆっくりと大袈裟に舐めていく。 ちらり、ちらりと、そうして時々、色の遺る視線を俺へと飛ばす。 匂い立つα特有の色気と、元来、翔琉が持ち合わせている雄の色気とが混じり合い、そのフェロモンは危険極まりない。 果てたはずの俺の熱可塑性は、それだけだもう、再び力を取り戻していく。 「あっ、もう……そんな、()で見ないでくださっ……」 俺たち二人を乗せたエレベーターは最上階へ到着するや否や、防犯カメラから逃れるようにして、前を寛げたままの触り合いが玄関で始まった。 「そんな瞳って、どんな瞳だ?」 白々しく翔琉は言いながら、それでも尚、艶かしい流し目をくれる。 「悪いがこの(グレー)は生まれ持ったものなんだが……」 続けて、ククと笑った翔琉は、再び熱を取り戻した俺自身に指を絡めていく。 「もしかして、俺の視線だけで……また、大きくしちゃった?」 先に吐き出したものと、翔琉の指が摩擦を起こした淫猥な音がする。 視線だけではない。 俺の鼓膜までをも、甘く濡らしていく。 こんなにも上等な翔琉を独り占めできている俺は、本当に幸せ者だ。 「翔琉がいけないんですよ……俺を煽るから」 俺はそう言うと、自身の昂りに絡められていた手をやんわりと離し、お返しとばかりに床へ跪いた。 「颯斗?」 驚く翔琉に、既に外気へ飛び出していた屈強なソレへと俺は恐る恐る顔を近付けた。 「――だから、俺からもお返しです」 じっと上目遣いで翔琉のことを見つめると、目の前のものを俺は口いっぱいに頬張る。 「おい、颯斗……?」 動揺する翔琉は、ほぼその屹立を俺の上の口には咥えさせない。 自分は必ずと言って良いほど、口淫をする癖にだ。 「今は……その、アレが……できないから、だから……」 懸命に口で奉仕しながら俺は言う。 稚拙な技量だったが、いつも翔琉が俺にしてくれるように、敏感な処を少しずつ舌と唇と手で攻め入る。 時折、頭上で「うっ……」とか、「クっ……」と言った低く唸る声が聞こえ、俺は反応のあった処を、特に念入りに舌で舐っていく。 翔琉の快い処は、血管が浮き出た裏の処からこの上……。 さわさわと、優しく俺の後頭部を大きな手が撫でたと思った瞬間、凶悪な熱が俺の喉奥を突く。 「ああっ……!」 突然のことに、油断していた俺は呼吸することを忘れてしまう。 「悪い、つい気持ち良かったから奥まで挿入れてしまった……」 反省の色を見せる翔琉は、それからゆっくりと腰を動かし、俺の口腔内を犯す。 すっかり主導権を握られてしまった俺は、触れられてもいないのに、口に翔琉を感じているだけで達してしまう。

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