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第45話

「ァっ……アっ……ァあああっ!」 後孔をめいっぱい押し拡げられ、俺は懐かしい翔琉の熱をそこで感じていた。 とは言っても、深い処への抽挿は身重には負担がかかるというので、先ほどからご無体なモノは俺の浅い処ばかりを突いている。 もどかしい。 もっと、奥まで欲しい。 もっと、奥で翔琉を感じたい。 もっと、俺の全部で翔琉をギュッとしたい。 「どうだ、久しぶりの俺は?」 「ふぅン……ンんんんっ……ンあ」 軽く揺すられただけだというのに、ご無沙汰だった俺は嬌声しかでない。 それだけでは、物足りないと思っていたはずだというのに。 「……おっきぃ、の……もっ、と……お、くァあ!」 「もっと奥に欲しいのか?」 ずんと下から俺を突く翔琉に、こくこくと俺は何度も頷く。 「すっかり厭らしい身体になったなあ」 意地悪そうに言った翔琉は、俺のお腹の上でたくしあげたままのカットソーをようやく脱がした。 一糸まとわぬ姿となった俺は、以前より少しだけ膨らんだ胸が恥ずかしくて、両手を交差させ隠す。 「どうして隠した?」 「……ンっ、だって、は……ずかしい、ンんふ、です、も、のっ」 上がる息で俺は答えた。 「今、していること以上に、か?」 わざと繋がった部分が翔琉の眼前に露わとなるよう、俺は両足を大きく拡げられる。 「ヤっ……」 眉根を寄せ、俺は酷く困惑した。 「どうしても、嫌か?」 ずんずん、と続けて尋問するように翔琉の熱雄が俺を攻める。 「あっ……あっ……ァっ」 腰の動きに合わせ、俺は声を震わせていく。その内、自然と手が胸から離れ下へおりる。 たちまち翔琉の視線がそこへ注がれ、感嘆するのが分かった。 「綺麗だな」 「綺麗じゃないですよっ、こんな……男なのにっ」 到底、女性の胸の膨らみには及ばないが、こちらもうっすらだが、丸みを帯びてきている。 チュッと、愛おしそうに翔琉はその左右へキスをした。 「そんなことない。着実に、俺と颯斗の子どもを迎え入れる準備がされているのだから、何よりも美しくて、そして愛おしい」 柔らかい表情を見せたグレーの瞳に肯定され、俺は少しだけこの身体が恥ずかしくなくなっていく。 「俺は、どんな颯斗でも愛おしいと思っているが、今の颯斗は格段に愛おしい」 俺の額にかかる前髪を優しく掻き上げると、何度目かの抽挿の後、一際膨張し、吐精した。 直接触られないまま、俺自身もまた、翔琉の両肩に手をかけ、共に達する。 「一緒にイったな」 微笑んだ翔琉は、肩で息する俺の唇へそっと不意打ちのキスをした。 油断していた無防備な俺は、きゅうと後孔にまだ待機する翔琉をきつく締め付けてしまう。 「……颯斗」 苦笑混じりで、窘めるように翔琉は俺の名前を呼んだ。 だが、翔琉自身もそれが刺激となり、既にぐんと俺の内で力を漲らせる。 「翔琉っ!」 今度は俺の方がその名前を呼ぶ。 「やっぱり久しぶりだから、一回だけじゃ収まらないみたいだ」 苦笑したまま、翔琉は二ラウンド目へ突入することを静かに告げた。 結局その後、腹帯を巻いてもらうことはなく、休み休みであったが、久しぶりの濃厚な情事を二人楽しんだのであった。

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