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第13話 王子、犬に手を噛まれる(1)(*)

 繁華街のペットショップに寄ると、犬用の赤い首輪とリードを購入した。  動物たちの鳴き声をバックに、伊緒が「こいつに合うやつ」と希望を伝えると、店員は慣れているのか、特に驚きもせずに大型犬用の真っ赤な首輪とリードを選んでくれた。  手をつなぐ代わりに、首輪をつけて散歩すると、真夜中近いというのに屈辱にか羞恥にか、顔を火照らせた斑目に、伊緒は異常に興奮した。  伊緒の家まで行き、シャワーを浴びながら、勃起している斑目のそれに視線を這わせた。先端が大きく張り出しており、長さも太さも申し分ないどころか、どのパーツと比べても見劣りしない。思わず指で弾くと、息を止めてやり過ごされたが、もう限界に近いことは見てわかった。 「さすが、元気だな」 「あの、ちょっと一度……」 「咥えてやろうか?」 「いえ、その……」  斑目の狼狽を見て、童貞というのは言葉だけ、という可能性が消えたな、と伊緒は思った。もしかすると、伊緒とヤりたくて口から出任せを言っているのかもしれないと思ったが、斑目の緊張は本物だった。 「今日は特別に」 「っ……」  伊緒がしゃがみ込むと、その後頭部を斑目の大きな手が支えた。猫っ毛をクシャクシャにされ、言い淀んででもいる仕草に、胸の奥に火が点く。 「してやろうって言ってるんだ。ありがたく受け入れろよ。イきたいだろ?」 「伊緒先輩……っ」  ふうっと息を吹きかけると、それだけで斑目はひと回り大きくした。 「先輩、俺、ほんとに、ほん……っ」  先端にちゅ、と唇を接着させただけで、熱い先走りがトロトロと流れ出る。長くは保つまいと思った伊緒は、舌を使って先を愛撫しながら、口内へと極太のそれをおさめていった。 「ふいへいいろ(突いていいぞ)」 「は……っ、ぁ……!」  そのまま口内まで迎え入れると、ドクンと脈打った剛直が喉奥で熱液を破裂させた。 「んっ……ぐ、んん……っ、ん」  喉深くに放たれた熱い白濁を飲み込み終わった伊緒が顔を上げると、自己嫌悪でぐちゃぐちゃになり、獣の表情を滲ませた斑目と目が合った。 「すみ、すみま、せ……」 「ん?」 「お、おさ、まら、なくて……っ」  目尻を赤く染めて視線を逸らした斑目の中心は、一度出したにもかかわらず、またすぐに復活した。斑目が目を逸らしたことで、伊緒は初めて自分も勃起していることに気づいた。 「別にいい。でも、次はいいと言うまで我慢しろよ?」 「わか……っり、まし、た……」 「洗ってやるから後ろを向け」 「はい」  そうして伊緒と斑目は、互いに身体を洗い終えると、二人でバスタオルを腰に巻いて出た。

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