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第39話 犬、王子を暴く(4)(*)

「ここ、可愛くなってきましたね」 「ふ、ぁ」  斑目に弄られて、すっかり性器の先端のように敏感になった乳首を指で突つかれる。そのたびに抑えようと我慢する唇の間から、声が漏れた。 「乳首、だいぶ好きになってきた?」 「ん、なこ、と……っ、ぁ、ぁあっ」  口に先端を含まれたまま喋られると、言葉を発するたびに舌先が敏感な部分を嬲る。斑目は「俺が好きなんで」という自分勝手な理由から、そこばかりを責めた。下へと降りてきた指が、奥のすぼまりを指の腹で数度、撫でるようにしてから、耳元で言われた言葉に、伊緒は頬が赤く火照るのを感じた。 「前、自分で弄れます?」 「ぇ……?」 「自慰するときみたいに」  言いながら、斑目の片手が伊緒の手を握って促す。 「俺がしてもいいけど、先輩が気持ちよくなってる姿が見てみたいです」 「お、前、っ、悪趣味……っ」 「駄目ですか……?」 「……っ」  犬顔でお願いされると、伊緒が断れないのを知っているのか、斑目は首を傾げて可愛げな仕草をする。 「俺、希先輩がひとりでしてるとこ見て、興奮しました」  言いながら、斑目は、コンビニから出てすぐに伊緒に渡されていたハンドクリームを手に取った。 「こんな色っぽい顔して、恥ずかしがりながら俺に跨って、凄いことしてるって思ったら、たまらなかった。今日は俺が、しますから、先輩も手伝ってください。共同作業ってことで」  何が共同作業だと思ったが、斑目が掌で温めたクリームを後蕾に塗布し、余った分を伊緒の竿に塗りたくると、カッと性器が熱く反応した。 「……動かしてみて、先輩」  言われておずおずと伊緒は自分の茎を掴んだ手を、上下に動かす。 「は……っ」  いつも自慰する時とそれほど変わらないはずなのに、クリームが潤滑剤になっているせいか、酷く気持ちがいい。斑目は伊緒が躊躇いながらも、自慰に耽る姿をしばらく見たあとで、後蕾を緩くマッサージしはじめた。  斑目に見られていると思うと、認めたくないが、悦楽が加速した。やがて羞恥より快楽が勝り、ぬち、くちゅ、と音を立てるのを憚りながらも、伊緒は自らの愉楽に溺れていった。 「ぁ、あ、あっ、あぁ……っ」  最初は一本だった指が、伊緒が快楽を追い出すと、二本になり、三本に増えた。最初は探るように、何かを探す動きをしていた斑目の指が、ある場所を掻くと、急に愉楽が弾けて伊緒の身体が強張ったのを、斑目は逃さなかった。 「はぁっ、ん、あっ、ゃあ、っ!」  いつしか伊緒は腰を振り、奥の快楽を得られる場所へと斑目の指を擦り付けながら、前を扱いて身体をくねらせていた。

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