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第41話 犬、王子を暴く(6)(*)

「く……、手、止めないで……っ」  斑目はそれだけ言うと、白濁を吐き出した先端を握った伊緒の手に、手を重ね、扱き続けるよう強いた。そのまま、抽挿が激しさを増してゆく。 「ぁ、ぁっ! んぅ、はぁっ!」  灼けた棒を身体に入れられたかのような、独特の圧迫感。にもかかわらず、伊緒の身体は悦んでいた。白濁を吐き出してすぐの敏感になった先端を擦らされ、中から感じるポイントを突かれると、どうしようもない愉悦が腹の底からとめどなく溢れてくる。 「先輩、締まって、くるっ……。ここ、好き……? 俺は、ここが、好き、です……っ」 「んぁ、あぁっ、好き、すき、ぃっ! 好き──……っ!」  その瞬間、脳裏が真っ白に弾けて、高い波がきた。 「ほら、リード、しっかり握って……っ! 嫌、じゃない、ですか……っ?」 「んっ、んぁ、ぃあぁっ、じゃな……っ、好き!」  好き、と言うたびに、悦楽が与えられ、快感が弾けて、身体の中がクシャクシャになっていく。まるで炭酸水入りのボトルになったみたいに、小さな衝撃が泡となり、どんどん大きな快楽へと変わっていくのがわかった。 「夏、日、好き……っ」 「俺も、希が好きです……っ」 「から、身体、すごい……っ」  凄い体験をしているみたいで、言葉が感覚に追いつかない。  でも、斑目にはわかったようで、泣きそうな嬉しげな顔をしながら、言われた。 「はは、俺も、です……っ。俺のこと、すごい締め付けてくる。吸い付いてきて、すごく、気持ちいい、です。希も、俺ぐらい、イイと、いいんですけど……っ」 「ん……っ」  独りきり、膝を抱えて泣き疲れた夜を過ごしてきた。セックスをするたびに孤独が深まり、誰にも理解されないのが、怖かった。でも、今は斑目が一緒にいる。伊緒の中で、一緒に気持ちよくなってくれている。快楽に溺れても、伊緒を嗤わない、唯一の人。斑目にされると、身体だけでなく、心も愉楽に満たされる気がした。 「先輩……っ」  斑目に腰を抱かれ、上半身を持ち上げられると、対面座位になる。胡座をかいた斑目の膝に乗る姿勢で向き合うと、ずずっとさらに深く結合させられた。そのまま、今度はゆっくりとした抽挿がはじまる。 「深──……っぁ……」  まだ未開だった奥をじんわりと開くように腰を使われ、新たな快楽が伊緒をさらなる高みへと押しやる。 「希、先輩……、ねっ、ここ、俺の、好きなところ、です。ここが、好き。覚えて。ね、先輩……っ」  斑目がしつこいほどに繰り返し中のイイ場所を擦るたび、愉楽が溢れ出し、内部からドロドロに蕩け出しそうになる。心地良い、と言うには少し刺激が強すぎたが、伊緒はやがて斑目の抽挿に合わせ、腰を振るようになっていった。 「夏、日……っ、イイ、っもっと、奥……っ」  次第にねだるような声が漏れはじめると、深くくちづけられ、要求がかなえられる。 「ん、んっ、ふぁ、熱、っ……」 「好きです、希先輩、好き、大好き……っ」  結合部は、もうグチャグチャだった。それでも、斑目は求めてくる。  まるで唯一無二の宝物を手に入れたみたいに。

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