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地球が消滅する日 ※※
長いようで短かったなこの一週間………それもあと少しで終わる。
俺の住んでいるアパート周辺には住んでいる人は、どうせ死ぬなら景色の綺麗な場所とか、生まれ育った実家で穏やかに過ごしたいと考える人が多かったみたいで、みんなこの場所から消えていった。
たとえそこに住んでいる人がいなくても、電気が点いている家があるだけで嬉しい。
昼間賑やかだった雀たちも寝静まり、物音一つ聞こえない静かな夜だ。
地球を滅ぼす原因となる巨大隕石は、今どのくらいの位置まで来ているんだろう?
俺のボロアパートの窓から星空を眺めても隕石の影も形もない。
日本から見えない位置に隕石は当たるのかな?
テレビのカウントダウンが1時間を切った時、一際大きい警戒アラームを鳴らして知らせてきた。
死の恐怖を煽るような音だったから、身体の震えが止まらない。
「怖い。たった一人でこのボロアパートで死ぬのか?…俺の人生寂しすぎるだろ。」
再び無音の空間に戻ると窓の外からコツコツとハイヒールの足音が聞こえて来た。
驚いて窓に飛びつき、首を伸ばして覗くとAラインの白いコートに青いスカートを履いた女性が一人で歩いている。
こんな夜遅くにたった一人でいるなんて…
あと一時間で死んでしまうというのに、寂しすぎるじゃないか。
孤独な自分の姿とダブり、女性が可愛そうに見えた。
「おーい、良かったら家に来ませんかー? 一人じゃ寂しいでしょう?」
声をかけると女性はキョロキョロと周りを見回す。
「上、二階です。こっちこっち」
身を乗り出して手を振ると見上げた彼女が気付いてこっちに向かって歩いて来る。
ドアを開けて待っていると女性は遠慮しがちに部屋にあがり、ハイヒールを揃えてた。
遠目ではわからなかったが、近くで見ると彼女はとても美しかった。
モデルのようにスレンダーな体型で、明るいブラウンの髪はウェーブのかかったロングヘアーで、儚げな印象を受ける。
ブルーを基調としたヒザ下20センチのロングのワンピースに白と黒のアクセントが映えている。
彼女はまるで雑誌のグラビアから抜け出てきたようだ。
「ごめんね。汚くて、こんな美人が来るなら綺麗にしておけば良かった。」
彼女はふるふると首を振ると俺が出したクッションに腰を降ろした。
「お腹すいてない?カップラーメンならあるんだ。食べる?」
彼女はまた首を振る。
「あー、そうだよね。いらないよね。」
こんな美女は安物のカップラーメンなんか食わないよな。
あー、おしゃれなお菓子とか買っておけば良かったと今更ながらに後悔する。
間が持たない俺は他愛も無い話を一人で喋り続けて、大人しい彼女が笑顔で相槌を打つ。
それだけでも嬉しい。
人と一緒に過ごすなんて何日ぶりだろう。
「正直に言うと俺さ、一人で死んじゃうの少し寂しかったんだ。だから、貴女の足音が聞こえて来た時、思わず呼び止めちゃった。人生の最後がこんな不細工な男と一緒でごめんね。」
彼女は思い切り否定の首を振ってくれた。
その優しさが嬉しい。
テレビのカウントダウンはあと30分となり、大きい警戒アラームが鳴る。
「っ!!」
警戒アラームに驚いた彼女が抱きついて俺は後ろに倒されてしまった。
重なる身体から、ふわっと香る彼女の香水にドキドキする。
勘違いするな、俺!
彼女は警戒アラームに驚いて思わず抱きついちゃっただけなんだから、俺のことが好きとかそういうんじゃないから。
一人きりで心細くて怖がってる彼女に、変なことしないように一生懸命、勃ち上がった自分の息子に言い聞かせる。
震えている彼女をあやすように優しく髪を撫でてあげた。
「大丈夫だよ。俺が一緒にいてあげるよ。」
俺の胸に顔を埋めていた彼女は身体を起こすと、潤む瞳でじっと俺を見つめる。
「……」
どちらともなく顔が近づいて自然にキスをしていた。
彼女の触れるような可愛いキスから、だんだんと深くしびれるようなキスに変化していく。
「んっ、ちゅ♡、はふっ」
青いスカートの中からピンク色のシュシュを彼女が取り出して置いたと思ったら、次の瞬間、俺のベルトに手をかけられた。
彼女にジーパンを脱がされる頃には俺の息子はすっかり勃ち上がっていて下着から勢いよく飛び出した。
彼女はスカートを履いたまま俺の上にまたがって、ためらうことなく息子に手を添えると、にゅるりと彼女の濡れた場所に連れて行く。
えっ?メチャクチャ濡れているっ!!
この人下着つけてない主義なのか?!
…あ!さっきのシュシュじゃなくて彼女の下着?!
「うっ、くっ、うんっ」
彼女は声を漏らしながら一生懸命身体の中に、ペニスを飲み込ませようとしているが上手く入っていかない。
痛いのかポロポロと涙が溢れる。
押し倒してきたからてっきり馴れているのかと思ったけど違う。
俺と一緒で一人になるのが寂しいんだ。
「く、そんな事しなくてもっ、一緒にいますからっ」
彼女を止めようとするけど泣きながら首を振って言うことを聞いてくれない。
そのうちなんとか先端が入った。
うわぁ、彼女の中は暖かくて、なんて気持ちがいいんだ♡
と思ったら全部入りきる前に暴発してしまった。
「んあっ」
「ご、ごめんっ」
俺は自分の失態に赤面するが、彼女は微笑んでそのまま一気にペニスを飲み込んだ。
「んんんんぅっ」
「気持ちいいっ、すごい、あ♡」
スカートの中の布がごちゃごちゃして大変だったけど、彼女のリードで俺達は服を着たまま愛しあった。
俺は人生の最後の最後に童貞を捨てることが出来た。
童貞を捨てたことで冷静になって思い出すのは、親友の西野清貴ことだ。
あんなふうに喧嘩別れしたことを後悔してた。
あれが西野に会える最後だったなんて………
あんなに俺のことが好きだったなら最期に一度くらい………
「んっ♡ちゅ♡」
西野の事を考えていたら彼女がキスをしてきてもう一度セックスをしようと誘ってくる。
きっと不安なんだろう。
二人で夢中になって身体をつなげていれば、死の恐怖も忘れていられるからな。
そうなると俺も男だ。
彼女をリードし抱きたくなった。
「今度は俺がキミを愛したい。」
俺の上にいた彼女を仰向けに倒して体勢をいれかえると彼女は慌てて喋った。
「! ……駄目っ!…」
俺を止めようと腕を伸ばしたけど、それは間に合わなかった。
舞い踊ったスカートは蛇腹状 になってウェストに着地すると、今まで隠れていた精液に濡れた臍まで全てのものが顕 になり、足の間には俺と同じものが…
彼女の顔を見ると髪だけが不自然に床の上に落ちている。
俺は、彼女だった人物に見覚えがあった。
清潔感のある短い黒髪を揺らして、絶望の色に染めた瞳は大粒の涙が溢れている。
手で顔を覆って、絞り出した謝罪の声は掠れていた。
「ご……めんっ…」
地球滅亡まで残り5分………テレビのカウントダウンの大きい警戒アラームがまた鳴った。
「バカヤロー…」
俺は一番会いたかった西野清貴と地球消滅までの5分間、愛し合って最期を迎える事にした。
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