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西野清貴サイド 地球が消滅する6日前

次の日  篠崎のアパートから少し離れた場所のゲート式のコインパーキングに愛車を停めた。  俺の突然の告白に篠崎も驚いていたけど、1日経って少しは落ち着いて俺のこと考えてくれただろうか?  篠崎への恋愛感情は大事にしていたのにまさか、あんなふうに伝えるなんて俺も冷静じゃなかった。  凄く後悔したけど、もう言ってしまったことは取り返しがつかない。  篠崎は恋愛慣れしてないし、友達思いの優しい男だから押して押して押しまくれば情に絆されてセックスしてくれるんじゃないかと踏んでいる。  でもまだ怒っていたらどうしよう。  俺が訪ねたらドアを開けてくれるかな。    車の中で思考を巡らせていると、コンコンと窓ガラスをノックする音が聞こえた。  車の傍に、女性が立っているのに気が付かなかった。  こんな事している場合じゃない。アパートに行かなくちゃ。  急いで降りて篠崎のところに向かおうとすると女性が声をかけてきた。 「あの、お急ぎですか?お時間ありましたら私と…」  ナンパか…車をみて金持ちだと近づいてきたのか、うっとおしい。  俺はこの手のナンパにはうんざりしている。 「これから友人のところに行くんです。」 「ご友人のところですか?私も行っていいですか?」  女の目がキラキラと一層輝きを増した。  きっと『金持ちの友人は金持ち♡よりどりみどり』とか勘違いしているな。なんて厚かましい女なん………待てよ。  もし昨日のことで篠崎が怒っていたら俺の顔だったらドアを開けてくれないかもしれない。でもこの人だったらどうだろう…絶対に開けてくれるんじゃないか? 「…良いですよ。一緒に行きましょうか。」  庶民的というよりグレードが低い篠崎のアパートに連れて行くと女の顔はアゴが外れるほど驚いていた。 「こっ、こっ、ここですか?」 「そうですよ。インターフォン押してもらえますか?」  言われるがまま女がインターフォンを押すと篠崎がドアを開けた。 「はい、どちら様ですか?」  すかさず俺はその場で土下座をする。  よく見ろ、お前のナンパした男は土下座する情けない男なんだぞ。幻滅しただろう。  すると彼女はびっくりして一緒にその場にしゃがみこんだ。  おいっ!! 何してるんだ。  もういい、女になんか、かまってられない。 「篠崎、頼むっ!一生のお願いだっ!!」 「お前はまだそんなこと言ってんのか、絶対に嫌だっ!!」 「本気なんだ。頼む。」  女が俺の肩に手をかけて篠崎に聞こえるように可愛そうってつぶやく。  大きなお世話だ!!  「いい加減にしろっ!!」  篠崎は怒鳴ると俺がドアに挟まれないように家から押し出してから、力いっぱいドアを締めた。  怒っているけど怪我させないようにと気を使う優しい篠崎がますます好きになる。  「あ、あのっ、私…」  車に乗り込もうとすると駐車場まで付いてきた女に呼び止められた。  バイバイと手を振ってそこに置いてきた。  篠崎、お前が情に絆されるまで諦めないよ。        地球が消滅するまで、あと5日     

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