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第31話

 男は最近そうするように俺の尻の穴に何度も性器の先を押し付け、こすりつけてきた。  俺は自分から四つん這いになって、尻をふりながらそれに感じる。  ゴリゴリして、熱い。    気持ちいい。  もう受け入れることを知ってるそこが自分から口を開けそうだ。  でも挿れて、と言わないし、言っても男は多分、今は挿れない。  気持ちよすぎておかしくなった俺の言葉なら意味がないからだ。    男は自分て扱いて俺の尻の穴にかける。    「熱いぃ・・」  俺はそのかけられた液体の熱さと、これからされることへの期待で身体を震わす。  男は俺の中にだしたい。  いつかこの中で出して俺を孕ますという意志表示だ。  子供はいらないけど、俺は孕ましたいらしい。   孕むわけないだろうが、このバカと、思うが、この男ならやりかねないから怖い。    「広げるために挿れような・・・オレのを挿れるために・・・」  耳元で囁かれる声は、甘く深い。  そうして欲しくて自分から尻を振る。  ディルドで擦って欲しい。  指じゃ届かないとこまで。  指でたっぷりほぐされたそこは、ひくつきながら挿れられるのを、まってる。  男の精液にまみれて。  男が手にしたものを、飢えるように見てしまう、  男が用意した中で、一番デカいディルドだ。  でも、男のものに比べたら、小さい。  これを挿れれるようになっても、男のは難しいと思う。  それを口元に差し出され、俺は夢中で舐めた。  男のを舐めるみたいに。  「クソっこんなこんな玩具なんかに・・・」   嫉妬深い男はディルドにさえ嫉妬する。  自分がさせといて。  口の中の気持ち良いところをディルドで擦りながら夢中でなめてたら、取り上げられた。  物足りなくて泣く。    男がディルドに嫉妬して、イライラしながら、それでも優しいキスをしてくる。  優しくって、すごく気持ちいい。  深くて。  強くて。  俺を欲しがりあやすキス。     このキスが好き。  「俺のがいい」  男は拗ねたように言うから俺は笑った。  「お前がいい」  俺が言ったら、何故か男は言葉を詰まらせ、その中で燃えてる炎みたいな目を見開いた。  その顔が子供っぽくて、また俺は笑った。  男は真顔でしばらく俺をみつめ、何か耐えるように息をつき、四つん這いになったままの俺の尻に、そのディルドを当てた。  「ゆっくり息を吐け」  男は言う。  ここからは、甘い時間とは言えない。  慣れたヤツを挿れるのと違って、デカいのは最初はキツイ。  むしろ、トレーナーとのやりとりみたいになる。  俺は身体の力を抜き息をゆっくり吐く。  ディルドが押し込まれた。  穴が押し広げられる。  あ、デカい。  これは大きい。  「力抜け、怖がるな」  男はあやすように言う。  男としても必死なのだ。  これが入らないと男のなんか無理だから。  呼吸を合わせてくれる。  ゆっくり吐く。  ディルドが押し込まれる。  ゆっくり吐く。  ゆっくり沈んでくる。  ミチミチに俺の身体が押し広げられてる。  圧迫感がヤバい。  男が萎えた俺の性器をしごいてくれた。  その気持ち良さにしがみつく。  「もう少しだ」  男が心配そうに言った。    無理って言ったら止めてくれる。  それが分かった。  でも、言わなかった。  何でだろ。  まだ覚悟は決まってないのに・・・コイツのが挿れられる身体になりたかった。  まだ挿れたいわけじゃないのに。  息を吐いて耐えた。  男が性器を扱く快楽に集中して。  俺は後ろに突っ込まれながら射精した。  男はそれ以上進めてこなかった。  「・・・あっ・あっ・・入った、か?」  そう聞いた。  「入った」    男はそう答えて無理に動かそうとはしなかった。  そのかわり、ディルドを突っ込まれ、開ききったその穴を舐め始めた。  自分の精液にまみれたソコを、だ。  広げられきって、張りつめたそこは、信じられない位鋭敏で、俺は舐められて叫んでしまった。  舐められるの好きだけど、これは違った。  「オレをの為に堪えてくれたのか?オレの為に・・・」  舐める合間の男の声が震えている。  また泣いてるだろ、コイツ、と思ったが、余裕がなくなる。  「ダメ・・・今ダメ・・・そこ舐めんな・・・ああっ」   俺は泣いて叫ぶが男は俺が感じてると判断して止めない。  何でそういう判断は的確なんだ。  そうだ。  めちゃくちゃ感じてた。  「玩具なのがムカついてるが、だけど、オレの突っ込みながらここを舐めるなんてできねぇしな」  恥知らずな男が、楽しそうに言った。     広げられ伸びきった穴は鋭敏で、舐められる感触が、脳に直接きた。   舐められたら、腸壁が痙攣してディルドを感じてしまう。  ディルドを動かしてないのに、襞が動かされて、感じてしまう。  俺は、襞を擦られんのが・・・好きなのだ。  ディルドを中だけで俺は捏ねまわしていた。  舐められることで、俺はディルドを包みこみ、味わい、しぼりたてていた。   襞がまとわりついて、うごかされ、その感覚が脳のまん中を穿ってくる。  ひぃ  はぁへ   変な声を出して、涎を流す。    バカ。   バカ。  すけべ、  変態    怒鳴り続け、感じ続けた。  腰を揺らし、痙攣していた。  もう四つん這いになれず、崩れ落ちながら、ディルドを突っ込まれたまま、舐められただけで射精していた。  「気持ち良かっただろ」  髪を撫でられ顔を近づけられたから、その得意げな顔に噛みつくようにキスをした。    俺の男の精液塗れの尻を舐めてた口にだ。    でも、もういい。  構わない。  男は一瞬驚いたみたいだっだけど、俺を抱き寄せた。  尻にデカいディルドぶち込まれたまま、男と抱き合ってキスをした。  キスに感じたら、中でも感じて、その波に溺れた。  でも、強請った。    もっと欲しい。    「もっと気持ち良くして・・・」  俺の言葉に男は震えた。    抱き合ったなら良くわかる男のそれがさらにでかくなって、俺は正気に戻りかけた。  いや、これは。  これは。  欲しいケド、ダメ!!   これ、ヤバい。    でも男は唸っただけで、俺にキスしながら、ゆっくりとディルドを動かし始めた。    デカいディルドは気持ち良かった。  慣らされた身体にはそのデカさが良かった。  「大きいのいいっ」  「大きいの好きっ」  とか口走った。  その度に男は唸った。  男の腰も揺れていた。  いや、同じ男として尊敬する。  ド助平だし変態だし、常識もないけど、好きな子を抱きながら、その痴態をみながら耐えるって、天国だけど地獄だよね、  その好きな子ってのが俺なのがまあ、俺的には色々アレなんだけどね。  でも男は今日も突っ込んだりはしなかった。    俺にディルドで、拡張しながら丁寧に教えこんだのだ。  デカいのの、良さって奴を。  知ってる?  快楽って・・・学習だ。  俺はそれを本当に学んだよ。  俺は女の子が大好きな普通の男で。  それが今はデカいディルドで犯される良さを知る上級者になってしまった。  学習したんだよ・・・。  良かったよ。  良かった。  マジ良かった。  でも、一番良かったのは、男が俺の太股で気持ち良くなった時や、その後のキスとかで。  一番気持ち良かった、ではなく、一番良かった、なんだよ。  これ、わかる?  そして、男に抱きしめられて寝るのも。  良かったんだよ。  どうしよう。    

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