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第59話

 「女の子がいいの?あんな子供が」  フワは男にしなだれかかりながら言う。     フワの携帯からも音声は拾える。  フワの携帯は連れ込まれたベッドサイドにある。  男の携帯もだ。  ネットを利用した、こういう仕事の連中は、携帯を身近に起きたがる。  おそらく、他の部屋でも、男達も携帯は近くに置いているはずだ。  フワはそう考えている。  何なら、女の子達の写真を携帯で撮っているだろう。  音声も。  携帯で撮影された画像も動画も。  それらは全てドクターが記録している。    フワは自分から男のズボンをのチャックを口で下ろす。  手で、男の性器を服の上からもみあげながら。     「あの子達、小学生じゃない。あんな子供より、ボクの方が良くない?」  フワは言う。  証言が必要だ。  ここに子供達が来ていたことを知っていたという証言が。  「もう、大人の女なんかじゃ勃たないんだよ・・・毛も生えてないような  じゃないと。お前は別。お前はヤるためだけの便器じゃないよ・・・お前は違う」  子供とヤることを否定しないで、フワを欲しがる男。  「可哀想じゃない?お子さんいるんでしょ?」  フワが性器を下着から掴みだし、指で扱きながら言う。    この男には妻も子供もいる。   子育てについての本さえ出していたはずだ。    「ウチの子達と、あの子達は違う。どうせあの子達も、あの子達を連れて来る女達も・・・ヤられる為にいるんだよ。そういう連中だ。どうせなら、オレたちに使われて幸せなんだよ。もっとひどいこともあり得たんだからな」  男の言葉は記録されていく。  この言葉は使えるだろう。   フワは判断した。    フワは、甘えるように男に寄りかかり、男とキスをする。      キスや、指。  咥える位までは仕方がないか。      これが最後。   これで最後。  もうこんなことをしなくても良くなるのだから。  フワはそう思って、耐えながら待つ、      フワはずっと考えていたのだと言った。    子供の頃、犯されながら、すっと思っていたのだと。  俺とご飯を食べたり、遊んだりしたことをずっと思い出して耐えていたのだと。  心だけは綺麗な場所に逃がすのだ。  それで耐えられる。    きっと、他の部屋で、女の子達もなにかを思いながら耐えている。  終わるのを待っている。  終わった後に貰える金で何をしようかと考えている子もいるかもしれない。   でも、一度関わったなら、秘密をまもるためにも女の子たちは辞めることは許されていないのだ。  女の子達が自分でやったことにしながら、女の子達が自分で辞めるはゆるしていない、その矛盾。  「バレてもいいの?」    そう言われたなら、女の子達は従うしかない。  でも。  それは。  今日で終わるから。  フワは作り笑顔を作った。  もうこんなことは最後だと思ったなら、心から笑えた。  女の子たちにも教えてやりたかった。    他の部屋で心を殺して笑って従っている、女の子達にも。    もう終わるんだよ、と。   そして。    男がフワにのしかかる前に、それは始まった。     

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