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第51話

その後、2人は琉季の部屋に戻った。今晩はここに泊まる予定だ。 傷の手当をした日の他にも、何度も訪れ琉季の欲望を穿たれたことのある部屋だ。ホテルにも行っていたけれど、この部屋にも何度も訪れた。  あまり思い出したくないような気もするけれど。  でもこうしてまた訪れると、景色が違うようにも見える気がする。変わっていないはずなのに。  2人の関係性が変わったからだろうか。殺風景にすら思える部屋だけれど、最高の部屋にも思えるのだ。  圭太がキョロキョロと辺りを見回していると、琉季が声をかけてきた。 「なぁ。一緒にシャワー浴びないか?」 「えっ、シャワー?」 「あぁ。だって、今まで一緒に浴びたことないだろ?」 「そ、そうだね。分かった」  思わず顔が赤くなってしまう。琉季とシャワーを浴びるのは初めてで、緊張する。これまで何度も裸は見ているのに……。  琉季の部屋の風呂はシャワーのみでバスタブがないタイプだ。 狭い空間に男二人で入る気恥ずかしさもあるし、すぐにでも身体が触れてしまいそうなので、身が持たなそうだ。  お互いにシャワーをかけて、ソープで洗い合う。 好きな人とこんなことができることは、何となく圭太も嬉しい。それは、以前なら互いにシャワーを浴びてから肌を重ねていたから。 互いに洗い合っていると、琉季は段々とソープの付いた手を圭太の中心に移動させてきて、圭太自身を握った。 「あっ……」  そんなに感じたわけでもないのに、思わず声が出てしまう。 「丁寧に洗わないとな?」  口元をニヤリとさせて、意地悪げに言うと、琉季は圭太を握る手を上下させて扱き始めた。 「あ……琉季さん……」  最初は感じてなどいなかったのに、すぐさま快感のスイッチが入ってしまった。 「何だよ」 「そこ、ダメ……」 「ダメ、じゃないだろ?すぐに硬くなってきたぞ」  そう言って、なおも琉季は巧妙なテクニックで圭太の身体を熱くさせていく。 快感に耐えていると、琉季は自分のものと圭太のものを一緒に握り二つ同時に扱きだした。  ソープの泡と共に擦られて、段々と熱が増していく。琉季の手の中に握られていることも恥ずかしいが、琉季のものと共に扱かれている事実が、何ともいえない羞恥心を煽った。  琉季の腕にしがみ付き、必死で快感に耐える。  油断をしたら、立っていられなくなりそうだから。 「気持ちいい?」  不意に琉季が艶めいた声で聴いてきた。眼差しも、どこか欲情しているように見える。  圭太は顔を真っ赤にした。 「もう、そんなこと聞かないで」 「何でだよ。お前がちゃんと気持ちよくなってるのか知りたいだろ。まぁ、身体は正直に反応してるみたいだけどな」  意地悪げに言うと、琉季は二つのものを扱く手の勢いをより強めた。 「あぁっ……」  既に痛いくらいに上を向き、張り詰めてしまっている。それは琉季の方も同じようで、熱く滾っている。 「出るだろ?そろそろ」  再度聞かれ、圭太は言葉にせず肯定するように二度頷いた。  そして、二人同時に爆ぜた。その後は、琉季が綺麗に洗ってくれた。

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