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第61話
一週間後、琉季と圭太は自宅のソファーで寄り添いながらくつろいでいた。
ホストを上がってからは、琉季は時間があるので家のことを率先してやってくれている。今後については、色々と考えているようだ。
「ねぇ琉季さん」
ゴロゴロと猫のようにくっつきながらそう話しかけたら、琉季に渋い顔をされた。
「お前、その呼び方もうやめろって」
確かに、既に琉季ではないのだしこの呼び方で呼ぶのも変化もしれない。
「何か、これの方が慣れちゃって。ごめんね」
「謝らなくてもいいけど。呼んでくれよ、俺の名前」
「康二さん……」
まだまだ呼び慣れないその名前を口にした途端に、恥ずかしさが込み上げてくる。
「何だよ?」
琉季はニヤニヤしてこちらを見てきた。
「考えたんだけど、バーとかやる手段もあるよね」
呟くように言うと、瑠季は目を瞬かせた。
「バーか……実は俺も、それは考えてたんだよな」
「あ、そうなの?」
「あぁ。ホスト辞めてからバーやる人多いし、俺の仲良かった先輩もバーやってるから、色々話聞いてたんだ」
「そうなんだ。康二さんバーテン姿似合いそう」
「だろ?俺、酒には詳しいしな」
ウインクをする瑠季に、圭太はクスっと小さく笑った。
「確かにね」
圭太が頷くと、身体を持ち上げられて瑠季の左膝に向き合う形で座らせられる。
「こ、康二さん」
この態勢が恥ずかしい。
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