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第14話

「ふじくん、好きです。」 ふじくんに抱きついたままの格好で、勢い任せにそう告げた。 「僕も、ふじくんが好きです。叶うはずないと思ってて、ふじくんと付き合えるなら浮気でもなんでもいいって、だから、」 溢れる涙が止まらない。それでも、気持ちを伝えたくて言葉もとまらない。 「ごめんなさい。ふじくんがそんなことするひとじゃないって、知ってるはずなのに、僕は自分のことばかり考えてました。」 すんっと鳴らして涙を飲み込めば、ふじくんの香りも一緒に鼻腔に染みた。 「‥‥僕はもっとちゃんと、ふじくんを知りたいです。僕と恋人になってくれませんか?」 たまらずに、僕は2度目の告白をした。 ‥‥返事が無く、ちゃんと聞こえたかと不安になってふじくんを見上げた。 ふじくんはじっと僕を見下ろしていた。 「‥‥いつからだ?」 「ふじくんを好きなのですか? 最初に、助けてくれた時からです。」 「なんですぐりの親衛隊に?」 「勘違いで、でもふじくんが隊長だったから辞めるのやめました。」 「すぐりを、好きなんじゃないのか?」 「人として尊敬しています。好意は抱いてますが、ふじくんへの好きとは違います。」 「俺への好き?」 「‥‥っと、」 誤解を解くために繰り返す問答の末、このふじくんへの好きをどう言い表せばいいのか思い悩んだ。 ドキドキして、もやもやして、頑張る力になるのに、落ち込む1番の原因。それでも一緒にいたい、たまらない気持ち。 声に出せずに口だけをパクパクと動かしてどうにか伝えようとすれば、ふじくんの手がまた僕の頬に添えられた。 男らしく色香を放つ瞳でじっと見つめられ、動けずにいると、その綺麗な顔がどんどん近づいて来て、吸い寄せられてると錯覚した。 やがて柔らかい唇が触れて、食むように上下に擦り合わされる。情熱的だけどどこか優しいキスに酔いしれていると、上唇を熱い舌でなぞられる。 「っん!」 思わず声をあげたら艶やかに濡れた唇が離れていった。 「こーゆー好き?」 いたずらっぽく笑ったふじくんは無垢な少年のようで、初めて見る可愛い一面に僕はますます心臓を高鳴らせた。 「‥‥っそうです。」 返事に困って、だけと誤魔化すようなことはしたくなくて、正直に答えた。するとふじくんは、自分から仕掛けたくせに何故か赤くなって、僕は動悸が収まらなかった。 「‥‥ふじくん?僕と付き合ってくれます?」 ちゃんと答えを聞いておきたくて返事を促した。するとふじくんは赤面を僕の肩に預け、耳元で呟いた。 「好きだ宮坂、ちゃんと恋人になろう。」 どんな顔して言っているのか確かめたくて、顔をふじくんの方へ向ければ、またチュッと唇を奪われた。 目を合わせて笑いあい、抱きしめ合って、しばらく離れられなかった。 こうして僕らは本当の恋人になった。

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