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第8話
ミヲ守っテ
使い魔の願いは、石と自身の「身ノ安全」だった。
偶然を装っていたけれど、ハム太がうちに来たのは必然で、10年間ペットとしてうちで飼っていたのだ。
当然、白い石も大切に保管していた。
……めっちゃハムスターだったなあいつ……
ハム太はスノーホワイトという品種のハムスターにそっくりだった。
夜は楽しそうにカラカラ回し車で遊んでいたし、兄ちゃんがハム太にいろんなご飯やおやつを買ってくるので若干メタボになっていたけど。
当然逃げ出すようなこともしなかったから、本当に平和に過ごしていたんだと思う。
可愛かったなぁ……
ハム太が死んだことで、この取り引きは白紙となった。
白い石の本当の持ち主は……この男なんだ……
僕の布団で苦しそうに眠る男をみつめた。
返してあげないと……だよな……
……
暗闇の中、深いため息をついた。
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