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第12話 R18
「……っ!!!」
夢であって欲しい!
伎乃の手の平に包まれ、ゆっくりと扱き上げられ身体に慣れない感覚が走る。根元から亀頭までを優しく上下される。
や、この感覚……嫌だ……怖い。
ゾクゾクと襲う快楽的な刺激が波のように襲ってくる。鈴口を指の先でつぃと軽く押し込まれるとそこからとろとろ蜜が溢れ出す。
今まで欲求も性欲も薄いと思っていたから、ほとんど自分でしたこともなかった。
だから今までこんな経験……刺激……ない……
嫌だ……身体が疼いて仕方ない。
くちゅくちゅと卑猥な水音が零れる。
「はは、どんどん濡れてくる。感じやすい身体してるな」
「……っ、あぁん……伎乃……やめ……」
「……」
「はぁ……やぁ……伎乃……」
言葉にならない声を振り絞る……
「んー紗久いい声だすね。俺の名前呼んじゃうなんて嬉しいなぁ」
「ああぁ……っ…!」
亀頭をぐりぐり親指で刺激さると想像してなかった波が押し寄せる。
「やぁっ…ん…!!」
ピュッと白濁した精液が腹と伎乃の手にふりかかり、腹についた精液をベタベタと手で擦り付け遊ぶ。
「あ……あ……あ」
「……このままセックスしたいけど……くそ、ちょっと時間がないなぁ……勿体ないけど」
「……な」
いいい今なんて言った?
何この化け物。僕とセックスするつもりだったの?こいつ……男だよな?シャワーしたとき……確かにちんこついてたぞ!
「紗久凄く可愛かったよ。また今度じっくりしよう?可愛かったからお礼だ……」
そういうと伎乃が笑い僕の胸に唇を当ててきつく吸い上げる。
「!!!いっ!」
じわりと胸が熱く痛む……
「じゃぁねー」
ムカつく笑顔を残したまま、伎乃はフッと黒い煙となって消えてしまった。
急に身体の自由がきくようになり、その場にぺたりとしゃがみ込み動けないでいた。
……
な、何が起こっていたの???
夢?おかしな夢見てたかな……ガクガクと足が笑っている…腰が抜けた。
つか……僕!全裸だしっっ!!!
兄ちゃんが起きてくる前に着替えておかないとヤバい!
そして伎乃に噛まれた耳の傷……ずっとズキズキ痛む。
あと胸の……あ、あれ?
自分の胸に触れると痛みがしないことに気がつく。
あれ、傷が……ない?消えてる?
そんな……
何とか起き上がりシャワーを浴びたいのと鏡で確認したいのとで風呂場までなんとか向かう。
あ
胸の痛々しい沢山の切り傷は跡形もなく綺麗になくなっていた…
かわりに伎乃がつけただろうキスマークが胸にくっきりとついてるけど。
ム…ムカつく…
じわじわ…
あ、あああんな恥ずかしいことしやがって!化け物でも、ゆっ許せない!!!
怒りがだんだんこみ上げてくる。
もう絶対会いたくないっ!!
そう強く願う三橋紗久 16歳だった。
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