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第13話ヘンカ
「…紗久 …最近変わった?」
「え」
学校からの帰り道…同じクラスの友達湯浅要 にそう聞かれた。
あの奇妙な出来事から約一週間が過ぎようとしている。相変わらず気配や物音はたまにするけど…夜中に起きていた金縛りも消えて怪奇現象もなくなりホッとしていた。
「そうかな…」
そう友達に言って見たけど…自覚はあるのでそれ以上何も言えない。
それに触れてくれるな要くんよ…
「わ!!」
「わあぁっ!?」
いきなり耳元で大声を出されビクッと身体が強ばる。びっくりして驚いてしまった!それと同時にガシッと後ろから抱き締められた。
「何その反応!クールな紗久が急に可愛いくなってる!どうしたの?キャラ転向したの?」
「や、やめろっ!そんなんじゃないって!」
「えー!気になるじゃん!今までそんなリアクションしなかったのに急にどうした?違う路線の子からまたモテちゃうんじゃね?」
「うっさいなぁ!次脅かしたらぶっ飛ばすぞっ!」
「イヤん!怒った紗久もイイっ!って何か急にビビりになった感じ?」
……
「そんなんじゃないってば!」
「はいはい怒らない怒らない」
要は笑いながらくしゃくしゃ僕の髪を撫でる。
要は中学高校と一緒で家も近所だから仲がイイ。
僕よりも背が高くて、学級委員長をする秀才くんだ。
「紗久の不眠は解消できたみたいだな」
「ん?あーそうだな良く寝れてる」
「良かったじゃん。おかしなこともなくなったんだろ?」
「んー…うん…まぁねー」
「霊感強いってのも大変だよなぁ。俺にはよく分からないけどさ」
「仕方ないよ。体質だもん…できたら体質改善して欲しいけどー」
「大人になると自然と見えなくなったりするケースもあるらしいじゃん?」
「そういうのいいなー。あ、じゃあなー」
「おうまたなー」
いつもの分かれ道で要と別れる。
ここから家のマンションまでは直ぐだ。
はーー。
わかっていたけど…疲れる。
要にはやっぱり感ずかれてしまった……
一番一緒にいる友達だから仕方ないか。
何事にも動じない物怖じしない三橋紗久は消え…
三橋紗久はただの怖がり男子に変わってしまっていた。
ていうか元の性格に戻っただけなんだけどね!
くっそー!
今思うと石を返さなければ良かった!って猛烈に後悔している!
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