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第15話シノ

吉川伎乃(よしかわしの)です。暫くお世話になります。」 … 「実は訳ありで暫く伎乃くんをうちで預かることになった。うちは広くもないし一度断ったんだけど御偉いさんから直接頼まれて断れなくてさーあははー」 「紗久くん、以前助けて頂いて有り難うございました。あの時は俺本当ヤバくて…上から物凄く怒られてしまいました。近々上司がお礼の挨拶に伺うと思います」 さ、紗久くん… 上司… 「実は俺化け物だけど半分人間でちゃんと人間として戸籍もあったりするんですよね。あの時は死にかけてたから化け物化していてちょっと暴走していたりして…本当三橋さんにはご迷惑をお掛けしました」 にこっと微笑む笑顔が…怪しい。 化け物で半分人間? どういうこと…そんな危険な奴を何故うちに連れてきた… 「実は伎乃くんはある組織に所属していて仕事の関係でこの周辺地域を担当することになったんだ。余り他人には知られたくない役柄だしまだ学生だったりで…」 「俺がこちらのお宅を希望したんです。既に俺の正体は三橋さんに知られていて説明しやすいし紗久くんは同じ学校に通っていると聞いて…俺…一人暮らしとか不安だったんで…」 …お、同じ学校? 「うんうんそうだよねー紗久と同じ歳で一人暮らしは寂しいし不安だよね。ましてや働いてるとなったら体調管理とか難しいもんな」 「お、同い年?」 「そうだよ?俺と紗久って同じ高校二年、明日から同じ学校に通うからどうぞよろしく。色々教えて?」 優しい微笑みを浮かべてるけど…僕この人に襲われたんだけど…い…色々な意味で。 伎乃は全身細身の黒のスーツ姿で前の印象とは全く違っていた。 黒髪は綺麗に整えられていて清潔感がある…あの時とはまるで別人だ。 「え、まって兄ちゃんこれマジな話なの?」 「マジだ紗久!化け物といっても普通の人と変わらないし人に危害を加えることはない。伎乃くんとても礼儀正しいしいい子じゃないか。同世代でお国の為に働いてるなんて立派だよ!それに毎月補助金ももらえる!しかも結構な額だー!」 そこか!! 「かなり特殊な任務なのでくれぐれも内密にお願いします。そんな守秘義務も含めての額だと思いますので決して安くはないはずです」 「特殊な任務って…なんだよ…」 「未確認生物調査ってやつ」

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