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第4話

ガバっと上半身を起こす。 周囲を見渡し、暗いながらもそこが自分の部屋のベッドの中だと確認した。 いつも通りに下半身を確認すると、こちらもいつも通り。 昨夜のあれもやはり夢だったのかと、いつもとは違うほっとした気持ちが入り混じったため息をついた。 「さてと…。」 いつも通りにシーツを取り外そうとするが、何かが乗っかっている重みで動かない。 暗がりの中、ベッド脇のリモコンを手に取り電気を点けた。 一瞬で明るくなる光に目が眩む。 そっと目を開くと俺が寝ていた隣の毛布が盛り上がり、規則的に上下に動いている。 まさかと言う気持ちと共に、そっと毛布を捲る。 「雄偉!」 昨夜、夢と思っていた裸体そのままの姿で気持ち良さそうに眠っている雄偉に、愕然としながら声をかけていた。 「ん…。あ…やっちゃった…!え?!いつもより早くない?量、間違えたのかなぁ?」 何だか聞き捨てならない言葉を気にしながらも、裸体のままベッドから降りようとする雄偉をベッドに座り直させ、毛布をかける。 「どう言うことか、説明してくれ。」 ふうとため息を吐きながら、上目遣いに僕を見る。 「…。」 「何だよ?」 「気持ち良かったでしょ?夢だとは思えない位にさ…。」 ふふっと笑うとかかっていた毛布を横にやってその裸体を俺の目の前に晒す。 スッと立ち上がり、俺の首に手をかけた。 どうしたらいいか分からず、立ち尽くす俺の耳元に、 「できるよ。」 囁かれた瞬間、理性も思考も頭から追いやられ、体が動いた。 ケラケラと笑う雄偉の肉体を自分の体と共にベッドに倒れ込ませ、そのまま互いの唇を合わせると舌を貪る。 何も考える事なく、体が勝手に動く。 「幸喜…来て。」 雄偉の舌が俺の頬を舐める。 ぞくっとした悪寒が背筋を電気のように走り、雄偉のその細い腰を掴んでぐっと自身の先端で蕾を開かせると、ぬぬぬと勝手に飲み込まれていく。 「はあああ!」 極まった声が雄偉の口を突いて出る。 溢れる涙を舐め取り、その味を確かめる。 「この味だ…お前の味。」 「…忘れるよ、また。これは二人が同時に見ている不思議な夢。」 「バカ言うな…現実だろ。」 「これが現実じゃ、幸喜が困るでしょ?だから、夢。大丈夫、いつも通りに気持ちいいコトだけして、あとは…。」 「何を言って…くぅっ!」 雄偉がきゅうっと刺激を与えてくる。 「…はぁ…ん…っやくぅ!」 煽られて、一気に腰を動かす。 あああああっ! 段々と遠くなっていく声と共に、これは現実だと言う確信も一緒に揺らぎ出し、その欲を吐き出す頃にはやはりこれは夢だったんだと思いながら、深い闇の底に沈んでいった。

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